日本の名家の末裔と欧州豪族

ハリマオ65

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7話:ソ連原発事故、日本人の活躍、イランイラク戦争

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 減速材として炉心内へ鉛の大量投入したが、実際には炉心には、ほとんど到達しなかった。

 次に液体窒素を注入し周囲から冷却、炉心温度を低下させた。注入した時は、炉心から燃料が流出。この策が、功を奏したのか一時制御不能に陥っていた炉心内の核燃料の活動も次第に落ち着いた。

 5月6日迄に大規模な放射性物質の漏出は終わったとの見解をソ連政府は発表した。砂の投下作業に使用されたヘリコプターと乗員には特別な防護措置は施されず砂は乗員が砂袋をキャビンから直接、手で投下。

 作業員は大量の放射線を直接浴びたものと思われるが不明。原子炉に近い、水槽サプレッション・プールの排水は、放射性物質を多く含んだ水中へとソ連陸軍特殊部隊員数名が潜水。

 そして、手動でバルブを開栓し排水に成功。爆発した4号炉をコンクリートで封じ込めるために、延べ80万人の労働者が動員された。

 4号炉を封じ込めるための構造物は石棺と呼ばれている。事故による高濃度の放射性物質で汚染されたチェルノブイリ周辺は居住が不可能になり、約16万人が移住を余儀なくされた。

 避難は4月27日から5月6日にかけて行われた。原発事故発生から1か月後までに原発から30キロ以内に居住する約11万6千人全てが移住したとソ連によって発表された。

 事故処理従事者86万人中5万5千人が、既に死亡しクライナ国内「人口5千万人」の国内被曝者総数343万人「総数の7%」の内、作業員は87%が病気に罹った。

 また、周辺住民の幼児・小児などの甲状腺癌の発生が高くなった。この時、九州の「通販生活」カタログ・ハウスという会社が、チェルノブイリ事故で苦しんでいる子供達のことを紙面に掲載。

 そして、チェルノブイリの母子支援募金を募った。1990年11月からスタートした募金は、年間4~5千万円が集まった。その後、募金を使い医療機器やビタミン剤、医薬品、放射能測定器などを購入。

 その後、それらをベラルーシやウクライナの病院に届けた。さらにモスクワに「チェルノブイリ救援連絡事務所」を作り、ゴーリキー通りの日ソ合弁会社の一室を借りた。

 8人乗りのワゴン車2台とファクシミリ等を設置。日本語が、できる事務局員をおいた。発起人は、「通販生活」カタログ・ハウスの斉藤社長であった。

 チェルノブイリ担当の神尾さん「この会社の社員」というその若い女性は、市民グループの世話をした。彼女は、一見、優しそうな感じの人だがカタログ誌上の報告では、次のような厳しい文書を書いた。

 チェルノブイリ現地の医療器具の圧倒的不足について「人工衛星を一基とばす予算で、最新の医療器具がどっさり備えられたのにソ連の権力者たちは一体、市民の生命をなんだと思っているのだろう……」

 その後、広島大や信州大の先生をはじめとする医療専門家「小児の甲状腺癌」や検査技師が集まり各々の活動や調査、研究の報告を行った。

 そして、情報交換しながら、今後のより有効な支援「救援」活動の方向を話し合い、小児患者の治療を最優先に実施していった。

 ソ連原発事故の小児治療の指揮を執ったのが、信州大学外科出身の菅谷昭先生だ。彼は、信州大学で将来、第一外科教授候補の筆頭だった地位をなげうって単身チェルノブイリに渡り日本人医師の指揮をとった。

 この話は、今でも語りぐさだ。現在、その実行力をかわれ2017年現在、松本市長として活躍中。チェルノブイリ原発事故の様な大災害が、追い打ちを掛けるように世界の不安の増大と共に経済も音を立てて崩れおちた。

 翌年、1987年10月15日にはイラン・イラク戦争のアーネスト・ウィル作戦で、米軍の護衛を受けていたタンカーが、イラン海軍の攻撃を受けミサイルを被弾すると言う大事件が起こった。

 米軍は報復として当日未明、イランがペルシャ湾に持っていた石油プラットフォーム2基を米軍が、爆撃し市場参加者の間には、原油市場に対する不安が沸き起こった。その時、七郎の心の中に嫌な予感が、よぎった。

 1987年、34歳の七郎は、ソニー株、トヨタ株を全株、成り行きで売り、ソニー株とトヨタ株32万株ずつ合計64万株で合計19.2億円で売れ、資産合計が19億3600万円。
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