3 / 31
2話:横浜の外人学校へ入学
しおりを挟む
その後、米国東海岸から西海岸を目指した。まず、ロサンゼルス、サンフランシスコ、シアトルの約1ヶ月の長期旅行に出発した。しかし次男の七郎だけがインフルエンザにかかり東京の家にお手伝いさんと共に残った。
その1ケ月後、木下家人達が、米国から日本へ帰る途中で、飛行機事故が起こり墜落し、家族全員が亡くなった。そのため、木下家では、七郎だけが生き残るという悲劇に見舞われた。そして、木下七郎だけが、天涯孤独の人生を歩むことになった。
木下七郎は旧華族で徳川家の近い由緒正しき名家の出身で6歳の時、一家が飛行機の墜落という悲劇に見舞われ一瞬にして七郎が一人ぼっちになってしまった。 戦後、横浜のインターナショナルスクールで知り合った、ロスチャイルド家のリチャードに可愛がられた。
翌年、横浜の南部に引越し小学校に入学したが、彼は既に簡単な英語、ドイツ、フランス、スペイン語を話していた。数学も中卒程度までマスターしていたので横浜の外人学校「セント・ジョセフ」のスカラーシップ試験に合格して学費無料で入学した。
やがてジュニアハイスクールに入り、多くの友達を持ち、その中でも、特にティムとは親友になるまでに多くに時間が、かからなかった。いわゆる馬が合った。ティムはロスチャイルド家の血筋を引く名家の出であり、頭脳明晰な子供だった。
一方の七郎は冒険大好き、芸術、文学、音楽大好き、直感力に優れた行動派と言った感じであり、全く、異なった性格の持ち主。二人とも、それぞれの個性を尊重しあいながら充実した学校生活を送った。
ティムは、テニス部、七郎は柔道を横浜の道場で習い学校ではラグビーを楽しんだ。七郎は、この頃には日本人の友人よりも外人の友人の方が多くなり、英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語の語学力を向上させていき、中でも特に理系の才能に優れており暗算の早さ、正確さは目を見張るものがあった。
もちろんジュニアハイスクールでは、学年で常に上位の成績だった。この頃にはティムの鎌倉の家で夕飯に招待される様になった。 ティムの父のリチャードは、こんな七郎に惚れ込んで、七郎はリチャードの家に入り浸るようになり自宅の借家には、めったに帰らなくなった。
そんなある日、リチャードは七郎にうちに来ないかと誘い、借家の契約を解除してリチャードの大きな屋敷の2階の1部屋を無料で、使って良いと言ってくれた。たまにリチャードが、七郎を横浜のYCACに連れて行き、ラクビーをさせる様になった。
ラグビーの練習後、シャワーを浴びた後、食堂で大きなビーフステーキをご馳走になり、世の中には、こんなに旨い食べ物があるんだと驚かされた。 七郎が外国人と話す事ができ、さらに日本の柔道ができるので回りの人達も興味を持ってくれた。
YCACへ、ラグビーの練習に行った時は、声を掛けてくれるようになり、YCACでも人気者になった。その後も横浜の柔道場に週3回、放課後、練習に出かけていた。その後、リチャードと七郎に、ちょっとした事件が起きた。
それはリチャードが仕事の接待でお酒を飲んで帰ってきた日の晩の出来事だった。リチャードが七郎を部屋に呼んで日本は敗戦で経済も悪く食糧事情も良くない、そこで日本を捨てて米国人にならないかと言いだし米国の国籍を申請したらどうかと提案した。
それに対して七郎は確かに今の日本の現状が欧米に劣っていて、自分も欧米に憧れもある、しかし日本には欧米にない良い伝統、文化があり、それが大好きだといい、だから日本を見捨てる訳にはいかないと大人びたことを言った。
リチャードは驚いた様に本当に日本が欧米に追いつけるとは思わないがと意地悪そうに言うと、そんな事はない日本人の勤勉さと、正直さ、結束力で、きっと10年、20年後には追いつくと思うと言い切った。そのために七郎は頑張って勉強していきたいと言いはった。
リチャードは、七郎を冷静に見て、君は、家族を亡くして1人ぼっちだ、それで、何ができるとい言うのだと意地悪そうに言った。七郎は、確かに今の自分には、その通りで何もできないかも知れないが頑張って大きくなってやると意地を張った。リチャードが自分で金を稼ぐというのは並大抵の努力ではできない。
その1ケ月後、木下家人達が、米国から日本へ帰る途中で、飛行機事故が起こり墜落し、家族全員が亡くなった。そのため、木下家では、七郎だけが生き残るという悲劇に見舞われた。そして、木下七郎だけが、天涯孤独の人生を歩むことになった。
木下七郎は旧華族で徳川家の近い由緒正しき名家の出身で6歳の時、一家が飛行機の墜落という悲劇に見舞われ一瞬にして七郎が一人ぼっちになってしまった。 戦後、横浜のインターナショナルスクールで知り合った、ロスチャイルド家のリチャードに可愛がられた。
翌年、横浜の南部に引越し小学校に入学したが、彼は既に簡単な英語、ドイツ、フランス、スペイン語を話していた。数学も中卒程度までマスターしていたので横浜の外人学校「セント・ジョセフ」のスカラーシップ試験に合格して学費無料で入学した。
やがてジュニアハイスクールに入り、多くの友達を持ち、その中でも、特にティムとは親友になるまでに多くに時間が、かからなかった。いわゆる馬が合った。ティムはロスチャイルド家の血筋を引く名家の出であり、頭脳明晰な子供だった。
一方の七郎は冒険大好き、芸術、文学、音楽大好き、直感力に優れた行動派と言った感じであり、全く、異なった性格の持ち主。二人とも、それぞれの個性を尊重しあいながら充実した学校生活を送った。
ティムは、テニス部、七郎は柔道を横浜の道場で習い学校ではラグビーを楽しんだ。七郎は、この頃には日本人の友人よりも外人の友人の方が多くなり、英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語の語学力を向上させていき、中でも特に理系の才能に優れており暗算の早さ、正確さは目を見張るものがあった。
もちろんジュニアハイスクールでは、学年で常に上位の成績だった。この頃にはティムの鎌倉の家で夕飯に招待される様になった。 ティムの父のリチャードは、こんな七郎に惚れ込んで、七郎はリチャードの家に入り浸るようになり自宅の借家には、めったに帰らなくなった。
そんなある日、リチャードは七郎にうちに来ないかと誘い、借家の契約を解除してリチャードの大きな屋敷の2階の1部屋を無料で、使って良いと言ってくれた。たまにリチャードが、七郎を横浜のYCACに連れて行き、ラクビーをさせる様になった。
ラグビーの練習後、シャワーを浴びた後、食堂で大きなビーフステーキをご馳走になり、世の中には、こんなに旨い食べ物があるんだと驚かされた。 七郎が外国人と話す事ができ、さらに日本の柔道ができるので回りの人達も興味を持ってくれた。
YCACへ、ラグビーの練習に行った時は、声を掛けてくれるようになり、YCACでも人気者になった。その後も横浜の柔道場に週3回、放課後、練習に出かけていた。その後、リチャードと七郎に、ちょっとした事件が起きた。
それはリチャードが仕事の接待でお酒を飲んで帰ってきた日の晩の出来事だった。リチャードが七郎を部屋に呼んで日本は敗戦で経済も悪く食糧事情も良くない、そこで日本を捨てて米国人にならないかと言いだし米国の国籍を申請したらどうかと提案した。
それに対して七郎は確かに今の日本の現状が欧米に劣っていて、自分も欧米に憧れもある、しかし日本には欧米にない良い伝統、文化があり、それが大好きだといい、だから日本を見捨てる訳にはいかないと大人びたことを言った。
リチャードは驚いた様に本当に日本が欧米に追いつけるとは思わないがと意地悪そうに言うと、そんな事はない日本人の勤勉さと、正直さ、結束力で、きっと10年、20年後には追いつくと思うと言い切った。そのために七郎は頑張って勉強していきたいと言いはった。
リチャードは、七郎を冷静に見て、君は、家族を亡くして1人ぼっちだ、それで、何ができるとい言うのだと意地悪そうに言った。七郎は、確かに今の自分には、その通りで何もできないかも知れないが頑張って大きくなってやると意地を張った。リチャードが自分で金を稼ぐというのは並大抵の努力ではできない。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
敏腕セールスの移住
ハリマオ65
現代文学
*移住先で仕事のスキルを活かし事業に成功するが、危機が迫る。災害は、忘れた頃にやって来る!!
陰山一郎は敏腕の車セールスで奥さんと3人の子供、稼ぎが良くても都会での生活は苦しい。この年の夏、山陰に出かけ自然の美しさに感動。民宿の主人が、ここでは、10万円もあれば生活できると言われ、奥さんと相談し移住を決め、引越後、公営住宅を借り、田舎での生活がはじまった・・・。その後の活躍については、小説をご覧下さい。小説家になろう、カクヨム、noveldaysに重複投稿中。
紀尾井坂ノスタルジック
涼寺みすゞ
恋愛
士農工商の身分制度は、御一新により変化した。
元公家出身の堂上華族、大名家の大名華族、勲功から身分を得た新華族。
明治25年4月、英国視察を終えた官の一行が帰国した。その中には1年前、初恋を成就させる為に宮家との縁談を断った子爵家の従五位、田中光留がいた。
日本に帰ったら1番に、あの方に逢いに行くと断言していた光留の耳に入ってきた噂は、恋い焦がれた尾井坂男爵家の晃子の婚約が整ったというものだった。
大正石華恋蕾物語
響 蒼華
キャラ文芸
■一:贄の乙女は愛を知る
旧題:大正石華戀奇譚<一> 桜の章
――私は待つ、いつか訪れるその時を。
時は大正。処は日の本、華やぐ帝都。
珂祥伯爵家の長女・菫子(とうこ)は家族や使用人から疎まれ屋敷内で孤立し、女学校においても友もなく独り。
それもこれも、菫子を取り巻くある噂のせい。
『不幸の菫子様』と呼ばれるに至った過去の出来事の数々から、菫子は誰かと共に在る事、そして己の将来に対して諦観を以て生きていた。
心許せる者は、自分付の女中と、噂畏れぬただ一人の求婚者。
求婚者との縁組が正式に定まろうとしたその矢先、歯車は回り始める。
命の危機にさらされた菫子を救ったのは、どこか懐かしく美しい灰色の髪のあやかしで――。
そして、菫子を取り巻く運命は動き始める、真実へと至る悲哀の終焉へと。
■二:あやかしの花嫁は運命の愛に祈る
旧題:大正石華戀奇譚<二> 椿の章
――あたしは、平穏を愛している
大正の時代、華の帝都はある怪事件に揺れていた。
其の名も「血花事件」。
体中の血を抜き取られ、全身に血の様に紅い花を咲かせた遺体が相次いで見つかり大騒ぎとなっていた。
警察の捜査は後手に回り、人々は怯えながら日々を過ごしていた。
そんな帝都の一角にある見城診療所で働く看護婦の歌那(かな)は、優しい女医と先輩看護婦と、忙しくも充実した日々を送っていた。
目新しい事も、特別な事も必要ない。得る事が出来た穏やかで変わらぬ日常をこそ愛する日々。
けれど、歌那は思わぬ形で「血花事件」に関わる事になってしまう。
運命の夜、出会ったのは紅の髪と琥珀の瞳を持つ美しい青年。
それを契機に、歌那の日常は変わり始める。
美しいあやかし達との出会いを経て、帝都を揺るがす大事件へと繋がる運命の糸車は静かに回り始める――。
※時代設定的に、現代では女性蔑視や差別など不適切とされる表現等がありますが、差別や偏見を肯定する意図はありません。
リバースバンドリバース
kamin0
現代文学
中下大学に通う大学二年生、辺野人成は、軽音サークルで出来た友人達と平和な夏休みを過ごそうとしていた。そんなある日、辺野の元に高校時代の同級生、初恋の人青井空が訪ねてきて言った。
「また高校のメンバーとバンドを組んでほしい」
なんでも、高校時代の恩師、川瀬先生が重い病にかかってしまい、その川瀬先生が最後の願いとして、辺野がかつて組んでいたバンド、『バンドリバース』の演奏が聴きたいらしいのだ。ためらう辺野だったが、高額の報酬に目がくらみ、結局その提案を承諾してしまう。その後、順調に元メンバーを集める辺野達だったが、一人のメンバーが既に死亡していることを知る。しかもその元メンバーは呪い殺されたというのだ。これをきっかけに辺野達は、呪いとはなにか、そして呪いに関わる人々の苦悩と後悔を知ることになる。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる