裕福な同居人

ハリマオ65

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14話:営業部長の新規開拓

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 次に池田が、打つ時、無心で打ってとキャディに言われ、力まずに軽く打つとカップに吸い込まれ今日二度目のイーグルだった。最後に里村さんが1メートルを難なく入れてバーディー、その結果、里村さんが+2、池田が+2、露木さんが+2、山北社長が+7で終了し、上がってシャワーを浴びて2階のレストランで珈琲を飲みながら今日は楽しいゴルフだったと露木さんと里村さんが喜んでくれ、できたらもう一度、ゴルフをしたいなと露木さんが漏らした。

 すると池田が是非、やりましょーとにこやかに言うと、いつ頃、どこでと里村が聞くので露木がここで来春と言った。池田の笑い顔が変わりと言う事は露木さんの会社が我が社のリゾートの企業団体会員になっていただけるというと行くことで良いんですねと確認した。顔色を変えずに上品だが、きっぱりと言うと露木さんが言葉に詰まった。

 来年の春、我が社の持ちで、もう一度、川奈でリターンマッチしたいと言いましたよねと確認した。確かに言いましたと里村さんが言い、露木社長に我が社でもゴルフしましょうよと里村さんが迫った。そして楽しむ時に楽しめば、今の若者は、やってくれますと言ってくれた。

 露木社長が確かにそうかもしれないと良いわかりました、来週にでも山北社長と池田営業部長の2人で我が社に来て下さい、その時に契約書にサインしますと言ってくれた。これに対して池田が驚くほどの迫力で本当にありがとうございますと頭を下げた。すると露木社長が山北社長、すごい営業部長をスカウトしたねと笑いながら言った。

 そうして山北社長が精算をしている間に露木社長が最初にレストランを出て、ゆっくりしていた里村さんに池田松男が、しっかりと頭を下げて本当に助かりました助け船を出してくれてありがとうございましたと深々と頭を下げると、そんなの時代遅れですよと笑いながら今日は池田さん、あんたのゴルフ、いや心意気というか営業力と行くか、それに負けました。

 失礼ながら、こんなに骨のある年寄りがいたんだと見直したというと、池田が調子に乗って、今度はもっと練習してゴルフで勝ちますよと得意の笑顔で言うと、あんたには負けたよと笑いながら、とにかく来年の春の再戦を楽しみにしてると言いながら、今日はありがとうと言って帰っていった。精算を終えて帰ってきた山北社長が今日はありがとうと喜んでくて、やっぱり営業のプロは健在だと肩をたたいた。

 かって来年の川奈のゴルフを決めちゃったけど大丈夫と言うと、それよりも企業団会会員を獲得できた方のよっぽど良いと笑った。彼らみたいな手強い相手でも池田君は動じないんだねというと内心はびくびくしてるんですと言うと信じられない、彼らの方がびびっていたよと不思議そうに言た。これが営業の駆け引きの極意ですと煙に巻いた。

 帰り、御殿場から東名高速で帰るから、送ろうかというので午後5時半だから新宿行きのロマンスカーがまだあるだろうというので、お願いした。6時15分に御殿場駅前で下ろしてもらい、ロマンスカーで新宿着、8時20分で、池袋経由で9時過ぎに飯能の家に着いて、早めに床についた。

 山北社長からの電話で12月に大口の契約を考えてる会社の忘年会が12月14日にあるので参加して欲しいと言われた。その会社は外食系の企業で、最近すごい勢いで首都圏中心に出店攻勢をかけてるステーキの会社。その会社の福利厚生で我が社のリゾートの企業団体会員権を5つ買ってくれる可能性がある大口の顧客だと言った。ポイントになる3人は68歳の甲斐一郎社長、たたき上げの49歳山根達夫副社長、社長の息子の43歳甲斐太郎専務だと伝えた。


 この三人で社長と副社長は金に厳しく息子もがめついいが、弱みは奥さんと従業員が退職する事と書いてあった。総勢35人で、その会社の居酒屋チェーン店の2次会を山北社長が持つという話になっていると言うことであり、もう既に企業団体会員権1つ購入いただいている現状である。とりあえず攻略法についてのいくつかのシナリオを考えていて欲しいと言われた。

 池田がその仕事を引き受け上手い攻略のシナリオが考えつかないうちに忘年会の12月14日を迎えた。新宿の居酒屋に山北社長と同行して、まず挨拶して回ると君の会社でも企業団体会員権1口買ってるよねと言い山北社長も欲深いねと笑った。そこで1口では10人しか自由に使えないのでと言い会社でも福利厚生課で希望者を募って抽選で使わせてもらっていると言った。

 最近若い社員が3年持たずに退職するケースが多く、それを食い止めるにも福利厚生の充実も重要ですと話した。君の会社のライバル3社からも企業向け会員権を買っていて、比較していると言答えた。そんな話をしていると副社長が最近、訪問してきて全部欲しいと言うのは考えが甘いと話を一蹴した。甲斐社長が、もし我が社だけ企業団体会員権がなくても団体扱いで割引してくれるとか新しい考えでも出れば別だがと言った。

 その話について考えさせて、後日、条件を細かく詰めて提出して再検討お願いできますかと池田松男が甲斐社長に食い下がると、できるのかと聞いた。今は、わかりませんが、会社に持ち帰り、できるだけ、御社のご要望に添った条件を再提出させてもらいたいと伝えた。これは御社にとっても悪くないと思いますと話を続けると君も食い下がるねと、そう言う粘り強い営業さんは嫌いじゃないよと言ってくれた。

 甲斐社長の一番ポイントなんですかと聞くと、君の会社の混み具合もあるとも思うので、空きそうな期間と施設を提示して値引きしても欲しいんだ。そして企業団体会員権と言う事でいろいろ縛られるのか気に入らないのだと本音を漏らした。言われることは良くわかります。御社にとっても魅力ある条件を再検討させていただきたいと訴えた。どの位と聞くので1ヶ月と答えた。

わかったと甲斐社長が言い、その時、まだ不満が残るとしたら再交渉してくれるかと聞いてきた。もちろん商売ですから、そんなことは当たり前。両者にとってウイン、ウインの関係を作ってこそ、固い絆が生まれるってものですと言った。上手いこと言うねと甲斐社長が笑った。とりあえず1月15日迄には新しい提案をさせていただくと言うことで良いですねと、再度、確認すると、わかった再提出してくれと言ってくれた。
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