高尾のいごっそう

ハリマオ65

文字の大きさ
上 下
17 / 30

16話:リーマンショック後遺症

しおりを挟む
 年初の日経平均株価の15156円の7163円と約54%下落、年初から半値以下なってしまった。12月31日、10~12月期の国内総生産が、前期比3.3%減と、2001年4~12月期のITバブル崩壊以来7年ぶりの3四半期連続のマイナス成長。年率換算では12.7%減とオイルショック直後の1974年1~3月期に年率換算13.1%減となって、

 それ以来、実に34年9ヶ月ぶりの2桁減となり景気後退が深刻化。やがて2009年となった。2009年3月21日、金融危機に端を発した世界同時不況が、電機や自動車など輸出企業の業績を直撃。需要の激減が響き、2009年3月期の連結決算で電機大手8社は合計2兆円超の純損失を計上。この頃、櫛田家の長男、櫛田龍蔵は、神社の周辺を元気に走り回っていたが、擦り傷など小さな傷が絶えなかった。

食欲もあり良く寝て、すくすく大きくなってきたので祖父母も喜んでいた。トヨタ自動車も純損益が2兆円以上悪化し約4369億円の赤字に転落。各社は過剰な在庫の絞り込みに加え、経費の圧縮を迫られた。ソニーが1万6千人の削減に踏み切るなど、雇用不安は非正規労働者にとどまらず正社員にも波及。

 春闘では未曽有の危機を乗り切るため、ベースアップを見送るだけでなく、電機大手のように定期昇給を凍結する動きも広がった。急激な業績悪化の責任を取り、大手企業のトップ交代も相次いだ。20世紀の米産業界をリードしてきたビッグスリーのクライスラーが4月30日、GMが6月1日、それぞれ連邦破産法11条「日本の民事再生法に相当」に基づく会社更生手続きの適用を申請、経営破綻。

 環境対応車など新時代への取り組みの遅れや、金融危機とその後の景気後退に見舞われたことが原因で、米国経済の地位低下を象徴する出来事となった。クライスラーはイタリアの自動車大手フィアットと包括提携して、6月10日、新会社クライスラーグループが誕生。米製造業では資産規模で最大の倒産劇となったGMも7月10日、「シボレー」などの優良ブランドを引き継ぎ、政府が過半数株を握る「新生GM」として再出発を果たした。

 7月、中国・新疆「しんきょう」ウイグル自治区の区都ウルムチで7月5日、ウイグル族と漢族による大規模な暴動が発生し、多数の車両や商店が放火・破壊された。地元当局の発表によれば、197人が死亡、1700人以上が負傷。ウイグル族と漢族間の相互不信は根深く、中国の少数民族問題の難しさが改めて浮き彫りになった。広東省の玩具工場に出稼ぎに行ったウイグル族が漢族に殴り殺された事件が発端。

 これが導火線となって、ウイグル族の内部に積もっていた漢族への不満に火が付き、ウルムチ暴動に発展した。胡錦濤国家主席は暴動発生を受け、主要国首脳会議「サミット」から急きょ帰国、政権による対応の遅れが目立った。8月、2008年秋に起きた世界規模の金融危機の直撃を受け、同年10~12月期と09年1~3月期の実質GDP「国内総生産」は、前期に比べ年率換算でそれぞれ10.2%、11.9%の大幅減となった。

 2けた減は戦後最大の落ち込みを記録した第1次石油危機後の1974年1~3月期(13.1%減)以来35年ぶり。2期連続の2けたマイナスは戦後最悪の状況と言える。主な要因は輸出と生産の急減。これによって企業収益が悪化し、雇用不安や賃金の低下で個人消費も冷え込んだ。輸出の回復や政府の景気対策による政策効果で今年4~6月期は年率2.7%増に持ち直し、その後もプラス成長が続いている。

 しかし、内需主導の本格回復には程遠い状況だ。日本政府は、2009年11月20日に発表した月例経済報告で、日本経済に関し「物価の動向を総合してみると、緩やかなデフレ状況にある」と表明し、物価が持続的に下落するデフレに陥っていることを宣言した。デフレ認定は2006年6月以来3年5カ月ぶり。賃金の下落や失業率の上昇につながるデフレからの脱却は、鳩山政権の大きな課題となる。

 政府が宣言に踏み切ったのは、生鮮食品などを除いた消費者物価が下がり続ける。それとともに、物価をそのまま反映した国内総生産の伸び率が物価変動を除いた実質GDPを下回る傾向が続いた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

タクシー運転手の夜話

華岡光
ホラー
世の中の全てを知るタクシー運転手。そのタクシー運転手が知ったこの世のものではない話しとは・・

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

アルバートの屈辱

プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。 『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

ガラスの森

菊池昭仁
現代文学
自由奔放な女、木ノ葉(このは)と死の淵を彷徨う絵描き、伊吹雅彦は那須の別荘で静かに暮らしていた。 死を待ちながら生きることの矛盾と苦悩。愛することの不条理。 明日が不確実な男は女を愛してもいいのだろうか? 愛と死の物語です。

処理中です...