高尾のいごっそう

１４話：櫛田の結婚、長男誕生と不景気の影

　また、ウインドウズ・オフィスパックのエクセル、ワード、絵を描くソフト、一太郎などワープロソフト、スカイプなど会議ソフト、メールソフトの使い方など知りたい事をアンケート形式で調べ上げた。２００４年４月２４日、櫛田は、以前から付き合っていた同じ富士フィルムに勤める増田俊美さんと結婚した。その後、２００４年７月、櫛田家の敷地の空いている所に６Ｋの格安木造住宅を３千万円で建て始めた。

　そして、４台の電話と光ファイバイーを櫛田の名前で個人として導入し１２月初旬に新居が、完成した。櫛田は、奥さんと一緒に１２月末付で、富士フィルムを退職し、高尾に戻ってきた。やがて２００５年を迎えた。この頃になると電話、インターネットを通じて、パソコンの購入依頼や使用方法の質問など多くのメールや電話が入った。

　しかしパソコンソフトの教室は、コストの割に手間がかかり良い商売とは言えず断念した。中古パソコンのグレードアップ、パソコンのセットアップの商売の方が利益率が高い。この頃、利益も出て順調に商売が、軌道に乗った。また、パソコン・マニアの学生を中心にパートとして雇って、販売することで、大きな利益が得られることが分かった。その後、忙しくしているうちに２００６年となった。

　この頃、櫛田の奥さんが、妊娠していることがわかり、２００６年６月６日、出産予定と告げられた。６月６日、早朝、元気な男の子が、誕生し、櫛田龍蔵と名付けた。仕事の手が、空いてる人が、櫛田龍蔵の面倒を見ることにした。たまに、赤ん坊の鳴き声が、境内に響いた。こうして１２月、龍蔵が、ハイハイし始めると可愛い龍蔵が、会う人に可愛がられた。やがて２００７年を迎えた。

　この年、１月に大手菓子メーカーの不二家が消費期限切れ牛乳を使用してシュークリームを作っていたことが発覚。洋菓子製造・販売の長期休止を余儀なくされ、創業家一族の社長が引責辞任した。その後、北海道の食品加工卸会社ミートホープのひき肉偽装事件が起きた。さらに人気土産「白い恋人」の賞味期限改ざん、伊勢の老舗和菓子屋・赤福の製造年月日改ざんなどと不祥事は全国で後を絶たず、日本人の食への信頼が大きく揺らいだ。

　２００７年５月７日、早朝、証券会社の担当者から櫛田に電話が入り日本ビルファンドの気配値が２００万円と高く売りと言われ同意し成り行き売り注文を出した、すると税引き後利益３３２９万円、残金が４９４０万円となった。２００７年７月１６日１０時１３分、新潟県中越沖でマグニチュード６.８の地震が発生。柏崎市などで最大震度６強の揺れを記録し計１１人が死亡、２千人以上が重軽傷を負い建物の全壊も約１２００棟に上った。

　震源地から約１６キロ離れた東京電力柏崎刈羽原発でも原子炉が緊急停止し、変圧器火災や微量の放射能漏れなどのトラブルが発生。原子炉本体に大きな異常はなかったが、事務系の建屋や消火配管、タービンなど広範囲に損傷が見られた。また、自衛消防組織の不備や情報伝達の不手際、断層の過小評価などの問題も露呈。各電力会社も危機管理体制の整備や周辺地盤の再調査などに追われた。

　国際的な関心も高く国際原子力機関「ＩＡＥＡ」の調査団も派遣された。８月１６日、埼玉県熊谷市と岐阜県多治見市で気温が４０.９度まで上昇。１９３３年７月２５日に山形市で記録した４０．８度を上回り、国内観測史上最高気温が７４年ぶりに更新された。８月は全国的に猛暑が続き、熱中症により救急車で病院に運ばれる人や死亡者が続出。

　気象庁によると太平洋赤道域の中央部から東の海面水温が平年より低下するラニーニャ現象。その他、北半球の偏西風の蛇行の影響で太平洋高気圧の勢力が非常に強まったのが原因。気象庁は地球温暖化と直接の関連はないとの見方を示すが、日本の夏の平均気温は過去１００年間、上昇傾向にある。米国で低所得者向け高金利型「サブプライム」住宅ローンの焦げ付きが多発した。

　これをきっかけに世界の金融市場が大きく動揺した。リスクに対する警戒感が急速に高まり、８月以降、信用の収縮、株価急落、ドル安などが一気に加速。ローン債権を証券化した金融商品に投資したヘッジファンドや金融機関は相場の急落で巨額の損失を計上、資金繰り難に直面し一部は破たん。