電子カルテの創成期

ハリマオ65

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第43話:木下先輩の急死

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 その警察官に、お礼を言って、常本は家に帰った。そして、奥さんに、木下先輩の死を告げ、自分もインフルエンザにかかっているかも知れないから、一番奥の部屋に寝ている。あとで、体温計と暖かい湯たんぽとペットボトルに水を、部屋の前に置いてくれと言った。それ以降、夕食時には、温かいおかゆを部屋の前に置いてくれと言った。

 この話を聞き、奥さんのソフィアは泣きそうな悲しそうな顔になっていて、あなた頑張ってとだけ優しく言ってくれた。その後、昼過ぎに3度近くまで体温が上がり心配したが、数時間眠れた後、計測すると37.5度、その晩、一晩寝て、翌朝7時過ぎに起きると、だるさもなく、熱も36度前後まで落ち、食欲も戻った。

 一応、マスクをもらい装着して話すと、奥さんも安心した様に笑顔を取り戻した。その日、近くの内科に行き、診察を受けると直ったようですが念のためインフルエンザ薬を5日分処方しておきますと言われ帰ってきた。その日の午後、警察から鑑識の結果、吐いたものが喉にる待り窒息死と結論が出た。

 そこで、できるだけ早く、遺体を引き取りに来て下しと言われた。明日中には、引き取りに行きますと答えた。遺体をどこに置くか考えたが、やはり常本の家で預かるしかないと考え奥さんのソフィアにも話し了解を得て、葬儀社の人に遺体を棺「ひつぎ」に入れてもらった。そして菅田の常本の家に運んでもらい安置した。

 直ぐに死亡届を港北区役所に提出しに行くと年金、健康保険の手続きを必要と言われ手続きを取った。その晩、富士川先生から電話が入り、今晩、言っても良いかと言われ到着時間を聞くと今日は早めに仕事を切り上げ19時半には小机駅に着くと連絡が入った。それを聞いて迎えに行き、常本家に20時前に到着し線香を上げてくれた。

 彼の遺言とか、何かはと聞くと、まだ探していないと言うと、探した方が良いのではと言われ、木下先輩のマンションへ向かった。部屋に入る前に、一礼して、中に入った。2LDKで、きれいに掃除してあり、整理タンスと机と椅子、ステレオ、パソコン、ベッド、リビングにはソファーとテレビがあった。

 どこから探しましょうねと聞くと富士川先生が整理タンスの引出を見ようというので、小さい3つの引出を出して床に広げると白い封筒が1通あり、それが目にとまった。早速、それを空けてみようと言うことになり常本が封筒の中の数枚の便せんを引出し広げた。日付が、2005年、元旦となっていた。

 私は、友人が少なく、現在、1人の友人と言うか、後輩の常本肇と親交を持っている。彼とは、投資も長い間一緒にしてきし新事業に投資も始めた。そこで、もし、私に何かあった場合、常本肇に資産を託すと書いてあった。その代わり葬儀、このマンションと車の処分も全て、お願いします。以上の様に書いてあり証明捺印が押してあった。

 追伸、常本君、長い間、こんな、変わり者とつき合ってくれて本当に感謝していますと締めくくられていた。その文章を読み終えると、常本は、こらえきれず声を上げて泣いた。数分して落ち着いて我に返り富士川先生に、どうしましょうかと聞いた。ます、その遺言書のコピーをとろうと言った。

 ちょうど、ここにパソコンとプリンターがあるからプリンターでコピーがとれると言った。念のためにと、富士川先生のもっと入た、デジカメで写真も撮った。その他、日本電気のマークの入った大きい封筒があり、開いて中身を出すと貯金通帳と投資口座の通帳が入っていた。2人で手分けしてその金額を計算すると5.5億円もあり驚かされた。

 それを見て5億となると相続税が巨額になるなと富士川先生が言い、いっその事、5億円を我が社に出資して毎年、配当とか株の売却で受け取った方が良いのではないかと言った。5千万円も、あなた1人でなく、あなたの家族は何人と聞かれ4人と答えると4等分で1250万円なら相続税が控除されると教えてくれた。

 それ以外に、名案は浮かばないと富士川先生が言った。笑いながら、5億円も投資して、本当に大丈夫と聞くので、年間100万円以内の移動は問題ないから、4人に10年間で4千万円弱、分割して移動できると言った。
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