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33話:大規模な汚職事件と自粛期間にクラブへ

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 2021年2月22日、菅義偉は予算委で「長男が関係し、結果として違反する行為をすることになり大変申し訳なく思っている。国民におわびする」と陳謝した。菅義偉は、長男が就職する際「総務省との関係については、距離を置いて付き合うように言った」と明かしたが、前述の2006年に長男に多数の総務官僚との接点を持たせた後、総務省の許認可先への就職を許したとする文春の報道内容とは矛盾している。

 また、長男は別人格であり、仕事の内容についても、あずかり知らぬと、答えてきたこれまでの答弁とも矛盾している。2月24日、総務省は国家公務員倫理規規定に違反したとして、接待を受けた13人のうち11人を処分した。重い処分である懲戒は、9人でTY総務審議官ら7人を減給、2人を戒告にした。残り2人は、懲戒ではない処分で、訓告と訓告相当にし、武田良太総務相は、3カ月分の閣僚給与を自主返納すると発表した。

 13人のうち課長級職員1人は「利害関係者」ではないとみて、処分から外した。同じく25日午前の衆院予算委員会で、武田良太総務相は問題の責任を取って武田が、辞任する考えはないとの認識を示した。武田は「二度と起こらないようにどう組織改革していくかが、私に課せられた責任だ」と強調した。なお、武田が総務相に就任した2020年9月16日以降も違法接待を受けた総務官僚がいた。

2月26日、THS社は、総務省幹部との接待に参加していた代表取締役社長NKが、引責辞任したと発表した。メディア事業部の統括部長を務める菅の長男も人事部付に更迭した。会食に参加した2人のTHS社の執行役員を解任した。同日、東京都や神奈川県の市民でつくる「検察庁法改正に反対する会」が、総務省幹部ら13人を収賄の疑いで、菅の長男や社長を含むTHS社側の2人を贈賄の疑いで、東京地検特捜部に告発した。

 2月28日、YM内閣広報官は、体調不良により、「2週間程度の入院加療を要する」と診断を受けて入院した。3月1日、YMは、辞意を伝え、菅内閣は同日午前の持ち回り閣議で辞職を決定した。3月3日以降は、この事件の関係者達が、NTTの前社長や現社長、子会社・NTTデータの前社長からも高額な接待を受けていたことも週刊文春の報道などで、発覚した。

 以前1998年に郵政省に入省、退官時には、総務省で、情報流通、行政局衛星・地域放送課の課長補佐を務めていた立憲民主党の小西洋之参議院議員は
「私が総務省にいた12年間、こんな供応接待は聞いた事がないし、今の霞が関でもやっていないと思う」
「菅総理の息子さんでなければ起き得なかった、昭和のような大事件だ」

「かつての上司だから庇う『かばう』訳ではないが、今回名前が挙がった4人の幹部のうち2人は私の元上司だ」
「能力的にも人間的にも本当に尊敬しているし、供応接待を自ら受けるはずはないと思う」
「しかし内閣人事局が強権的に人事権を振るっている」
「それに菅総理は総務大臣時代、私もいた放送政策課の筆頭課長を更迭もしている」

「そういうことをする政治家の息子さんからのお声がけであれば、官僚としては断れない」
「そういう霞が関になってしまっているということだ」と語った。
「公明党の遠山清彦前財務副大臣『深夜に銀座高級クラブ』で党から厳重注意」と題する記事を配信された。

 その記事によれば、遠山は、1月8日から新型ウイルスによる緊急事態宣言が発令されている中、1月22日深夜まで、銀座の高級クラブで知人と会っていたとされた。1月27日、菅義偉総理大臣が参議院予算委員会で、遠山と自民党の松本純衆議院議員が、それぞれ緊急事態宣言中に銀座のクラブを深夜に訪れていたことについて謝罪した。

 2021年1月29日、遠山が代表を務める資金管理団体「遠山平和政策研究所」が、2019年度のキャバクラなどの飲食費を政治資金から支出していたことが判明した。不適切な支出は、5件、約11万円分で、自身が関わっていたのは、関係者とスナックに行った際の1件「1万円分」その他、残る4件は、公設秘書が後援会関係者らとキャバクラで飲食した費用だった。

 遠山は、事実関係を認め、公明党幹事長代理を辞任した。同年2月1日、一連の問題の責任を取るかたちで、議員辞職の意向と次期衆議院議員総選挙への出馬を見送る意向を示し、同日付で、大島理森衆議院議長宛に議員辞職願を提出した。同日の衆議院本会議で辞職が許可された。

 自由民主党の白須賀貴樹衆議院議員は、2021年2月10日に東京都内の20時以降の不要不急の外出自粛要請を守らず、22時頃まで麻布のラウンジに滞在していたとして、この日に同党を離党した。以前、1月、緊急事態宣言中に自由民主党の松本純・元国家公安委員長、大塚高司、田野瀬太道の3氏も、この緊急事態宣言を破り、深夜に東京・銀座のクラブに出入りし、2月1に自民党離党に追い込まれたばかりであった。
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