話下手男の優しさ

ハリマオ65

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3話:株の儲けと土地を売りたい

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 そして、近くの洒落たレストランで洋食を食べ、珈琲、紅茶を飲んで、昼から桂子が、以前から行ってみたいと言っていた白糸の滝の見物に行った。滝つぼに、足を入れて、滝の落ちるのを見ていた。

 すると、実に気持ちが良く、心が、現れる気がした。その後も父の持っていたシビックを借り、夏、富士急ハイランドへ行ったり、秦野の郊外、丹沢山大倉登山口駐車場に車を止めて塔ノ岳に登山をして楽しんだ。 

 確かに、最近、父が、ソロバン塾を任せて自分だけラジオをイヤホンで聴いてる姿を見ていた。あれは株価の情報を聞いていたのかとわかった。やがて1972年が終わり、1973年を迎えた。

 そして1973年1月4日、早朝、証券会社の担当者から高科昭二に、以前、購入した伊藤忠株の気配値が1310円で高いので売りと言われた。そこで、どうしようと言われ、高科孝明が、全株売りを指示しろと告げた。

 その日の昼、高科昭二が、算盤塾に来て、売った、伊藤忠株は、620円ですべて売れ、税引き後利益が554万円で、口座残金が584万円言われたと、教えてくれた。

 高科昭二さんが、半々に分けようと言い、292万円をお前の預金口座に入れると言ってくれたので、お願いした。その後、高科孝明も高科昭二さんと同じ証券会社に証券口座を作り300万円と送金した。

 高科孝明の本家は、大きな農家の家が、3軒あり、孝明の2歳上の姉、高科則子は、以前、八王子の女子大学を卒業した後、両親の紹介する人と見合いをさせられ、それに反発して、東京へ出て行った。

 農家の中でも一番新しい1軒に、高科孝明と両親の3人で、生活を始めた。八王子駅までバスで5分と便利の寄り場所にあり、税金が高いので520坪の土地を分割して売却して減らして現金を手にしたいと考えた。

 すると、父の昔からの友人の地元の土建屋の佐藤さんが、古い2軒の農家と納屋を解体を200万円で請け負うというので、お願いした。そして、3人で暮らすというと、50坪も残せば、十分じゃないかと言われた。

 そこで、残り470坪を地価が上がった時に売るのか一番、賢いと助言され、そうしようと考えた。秋は、稲刈りで忙し、く夕飯をとって風呂に入ると、すぐ寝る生活のだった。

 やがて農閑期になると、父は、近所の親戚達と山梨の昇仙峡、河口湖、河口湖の紅葉を観賞したり、湯村温泉や石和温泉に2泊3日の旅行に行き、疲れを癒やすのが楽しみ一番の楽しみだった。

 ソロバン塾の副塾長として子供達を教えて月給8万4千円をもらって実家で3食いただき、両親に面倒みてもらう生活を続けた。その代わり、父は、息子にソロバン塾を任せて旅に出るようになった。

 その他、近所の農家が忙しい時には手伝いに行き、その報酬として米や野菜をもらって食料にしていた。農繁期には、田植え、トラクターの運搬、稲刈り、野菜の収穫などの手伝いには、いつも参加して重宝がられた。

 そのアルバイト代金と、少しの米、野菜をもらい、自宅家での、鶏卵を使って、堅実に生活していた。そのため、高科孝明は、生活費が、ほとんど、かからず、貯金がたまった。

 今年も冬となり、農閑期を迎えた。そこで山梨の湯村温泉に行き、夜には宴会をして楽しんだ。翌日は、富士五湖の紅葉を眺めて、御殿場を抜けて、箱根に言って、箱根の温泉に浸かって旨いものを食べて、その翌日、高尾に帰って来た。

 父はたまに、八王子の証券会社に行っては株仲間と情報交換したり、N証券の美人の女の子をからかったりして、人生を楽しんでいた。その他、スーパーで肉や魚、おかずを買って比較的、質素な生活をしている。

 しかし、意外に金を持っているらしいと、噂されていた。そしてケチで、稼いだ金は、大事に郵便局に貯金して、かなり金を持っているとい言う評判になった。しかし、父は、誰にでも愛想が良く好かれていた。
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