狛江の訳あり人

ハリマオ65

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6話:柳橋がNECでパソコンの仕事

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 その後、天女さんを降りて、清里駅の先に地元のそば屋の看板を見つけて、遅い昼食をとることにした。冷たいとろろそばを食べているお客さんが見えて、旨そうなので、思わず注文した、そばにとろろが良く合い、実に旨い。

 そして、来た道を帰り、韮崎から中央高速に乗り、一宮御坂インターで降りて山梨駅方面に北上して、北西に向井、20分程で、ほったらかしの湯に到着した。この温泉には、「あっちの湯」と「こっちの湯」の看板があった。

 看板に書いてある解説を見て、スケールの大きい「あっちの湯」に入湯した。右手には富士山の絶景見ることができ、左手には大菩薩峠の見え、甲府盆地を見下ろせ景色が素晴らしい。

 風呂から上がると休憩所で、少し横になり休んでから出発。その後、一宮御坂インターから中央高速に入りブドウで有名な勝沼を抜け、長い笹子トンネルを抜け17時には、稲城インターチェンジで降りた。

 そして多摩川通りを走り狛江に到着して、松平は、柳橋を自宅に下ろして別れて自宅に帰った。そして、秋を迎え冬となり、1990年が終わり1991年を迎えた。今年、柳橋は、卒業論文のテーマを決めて書き始めなければならない。

 電通大で、ソフトウェアの最適化について自分の考えをまとめて発表しようと考えた。ゼミの先生の相談して了解をもらい4月から東京都内の大きな図書館に入り関連する資料収集を始めた。

 資料が揃ったのが5月下旬で卒業論文を書き始めた。7月下旬にゼミの先生に見せると、自分の考えが少ないと指摘された。そのために自分の考察をいくつか書き始めると考察の根拠となるデータが不足しているというか、あまりなかった。

 それを相談すると根拠を開拓していくことが学問でありそれを書き終えてこそ、論文の価値があると教授に言われた。夏休みには、NECの府中事業所に入社希望者の研修に3週間、参加した。その後、卒論を教授に見せるともっと自分の考えを付け足す様に言われた。

 10月に卒業論文を見せると、真偽の程は、不明だが、研究する価値はあると認めてくれた。11月には、NECから内定の通知をもらい大喜びした。その後、卒業論文を12月中に受理してくれた。

 そして1992年を迎えて卒業論文が通り卒業できる事になった。この話を聞いた松平が柳橋に今年忘年会をしようと狛江駅近くの中華料理屋に招待してくれた。30代後半から40代位の美人の日本人女性が来て、何を注文しますかと聞いた。

 松平が、数種類の中華料理を指示して紹興酒の熱燗も注文した。その時に、その女性が、松平と随分親しそうな感じがした。そこで柳橋が、よく来るのと聞くと、そうねと答え、料理がおいしいからねと言った。柳橋は、何かあるなと感じたが、直接聞くことはしなかった。

 松平さんも意中の女性がいない方が、むしろおかしいと考えていたのだ。そして、来年からNECの府中事業所で働くと柳橋が松平に伝えると、君もついに社会人になるのだねと言った。

 それに対して、柳橋は、松平さんも心許せる女性ができると良いですねと言うと、焦った感じで、こんな中年のおじさんに声をかける女性なんかいないよと照れ笑いした。

 1992年4月からパーソナルコンピューター部門に配属されて秋葉原での新製品の発表会やデモンストレーションの管理の仕事を与えられた。柳橋は、入社後ソフトウェア開発ではなくPC9800後継機の販売の仕事をさせられた。

 この頃、既に1990年発売の高速20メガヘルツ駆動の「PC286VX」と続く事となる。また、本体キーボード一体型のPC286C、プリンタ一体型のラップトップ機PC286LPなどの機種も発売された。

 また、本体キーボード一体型のPC286C、プリンタ一体型のラップトップ機 PC286LPなどの機種も発売された。1992年6月発売のエプソン「PC486GR」では、i486SX,25メガヘルツ、グラフィックアクセラレータ専用ローカルバス搭載。

 CPUをメモリコントローラーと共にドーターボード搭載。これを差し替える事でオーバードライブプロセッサによるものでない正規の ペンティアムへのアップグレードを保証した。
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