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23話:清水と薫子の同居

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「やっぱり、あなたは、頼りになる人ねと言うと、目が潤んだ」
「これで、安心した、故郷って、やっぱり良いものね」
「横浜の景色、港、海、カモメ、みんな大好きと言うと涙がこぼれた」
そして、店を出た。

「20分位かかるが、散歩して帰ろうかと言うと、賛成と薫子が言うと、すっかり笑顔に変わっていた」
「歩きながら、金沢に帰って、身辺整理が終わったら、直ぐに横浜に帰って来いと、告げた」
「すると薫子は、人目をはばからず、清水に抱き付いてきた。

「よせよ、こんな通りで、恥ずかしいだろと言っても、いっこうに、お構いなし」
「うれしいのだから、いいじゃんと言うと大笑いした」
「久しぶりに、じゃん言葉が、自然に出たと薫子が、笑い出した」
そんな、楽しい会話をしながら、清水のマンションに帰って来た。

「部屋に入ると、清水が疲れたろ、紅茶でも飲むかと告げた」
「ありがとうと言いシャワーを貸してと言うので、どうぞと言った」
そして10分位で、薫子がガウン姿で出て来た。
「紅茶に砂糖、ジャム、どっち入れると聞くとジャムと言うので入れて出した」

「紅茶を飲むと、これ、イチゴ・ジャムと薫子が聞くと、そうだよと答える」
「おしゃれ、マーマレードだとばかり思ったと言った」
「すると清水が、これにブランデーを垂らすともっと、旨くなるよと話した」
「清水が、ブランデーを紅茶に垂らしかき混ぜた」

「薫子も真似して、飲んで見ると、おいしい、素敵な飲み方ねと笑顔になった」
「それを見て、清水が薫子は、昔と同じで笑顔が可愛いねと言った」
「すると、思わず、薫子が、ふいた」
「中学時代、あんなに、ぶっきらぼうだった清水君が、そんな事と言うなんてと驚いた」

「さぞかし、多くの女性と浮名を流したのねと、意地悪そうに笑った」
「そんな事ないよ、自分が好きだから、こうして飲むだけさと告げた」
「旨い珈琲にも、ブランデー入れると美味しくなる」
「すると、また笑い、やっぱり変わってないね」

「直ぐに熱く語り出すところは昔と同じと言った」
「清水が、人は、そんなに変われるもんじゃないよと言い笑った」
「でも、不思議だね、あれから50年以上たったのに」
「こうして再会し同じ部屋で、紅茶を飲んでるのだから人生も捨てたものじゃないね」
「そう、つぶやくと、薫子が、抱き付いてきた」

「その時、頬を伝わる涙が、清水の腕に落ちた」
「薫子が、うれしい、中学時代、逃したチャンスが、また巡ってくるのだからと言った」
「長い間、抱き付いて、長旅で疲れたろうと言った」
「大きなベッドだから一緒に昼寝しようかと言うと薫子が、うなずいた」

「セミダブルのベッドに入ると薫子が清水の背中に抱き付いた」
「薫子は、元々、やせ型で中年太りもしていない」
「小ぶりの乳房が、清水の背中に、吸い付くようだった」
「やがて、薫子の寝息がして、それを聞きながら清水も眠りに落ちた」

 どの位しただろうか、ふと、清水が目を覚ますと、薫子は、既に起きていて、紅茶の食器を洗っていた。そして、洗濯機、使っても良いと聞くと、自由に使ってと言い、清水の下着、肌着、タオル、薫子の物も全部、洗い出した。

 今日は、久しぶりに、薫子の料理が食べたいなと言うと、かまわないわよと言うので、少ししたら、買い出しに行こうと言うとわかったと薫子が答えた。1時間足らずで、洗濯し干し終えた。

 その後、マンションの前の停留所からバスに乗って、ランドマークタワー近くの店に、買い出しに行くと魚屋もあると言い清水が薫子を連れて行った。「すると良い魚あるねと言いカレイの煮付けでもしようかしらと言い出した」

「店を見て回ると型の良いカレイを見つけた」
「それを見て、良さそうだけど高いねと笑った」
「気にするな、ここは、物価が高いのさと言うと、カレイを3枚、買った」
その後、白菜、キャベツ、きのこ、肉、卵、パンなどを買い込んだ。

 荷物が重くなったので、みなとみらいの大通りでタクシーを広い、10分でマンションに帰った。そして、薫子が、カレイの煮付けと味噌汁と作るわよと言い買ってきて調味料を使い料理を初めて30分程で、料理が完成した。
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