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45話:リスボン観光1

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 その後、徐々に静かな歌声になり、最後は囁くようになり、一段と哀愁と帯びて、エンディングを迎え30分ほどで終了。歌手が男性から花束をもらい大きな拍手で送られ、少し休憩、次は、男性のファドとなり、さっきとは違って、迫力と豪快さが感じられた。

 しかし、最後の方は、哀愁を帯びた歌声と仕草で終わった。終了後は、観客の歓声が飛び交い、歌い手たちが丁寧にあいさつして終了。その後、0時近くなりフロントでタクシーを呼んでもらい帰って行った。
 
翌朝、ホテル精算時、フロントで近くに名所があるかと聞くとリスボン大聖堂まで徒歩7分で言われた。指示通り、なだらかな坂を登っていった。やがて大きな石造りの要塞の見張り台のような建物が見え、そこがリスボン大聖堂だった。

 中に入ると天井が高く礼拝堂で奥に進むと金色に輝くキリスト、天使、マリア様のような多くの彫刻で飾られた壁が見えて多くの人が、それを眺めていた。

 また、上を見上げると円形に素晴らしく綺麗な円形のステンドガラスがみえた。1時間近く見学。タクシーでベレンの塔、次に発見のモニュメント、最後にジェロニモス修道院へ行こうと考えた。タクシーで10分でベレンの塔近くで下ろしてもらった。

 ベレンの塔はテージョ川を監視する要塞でヴァスコ・ダ・ガマの世界一周の偉業を記念して、マヌエル1世が、16世紀初頭に建設した。建築様式はマヌエル様式と呼ばれジェロニモス修道院と合わせて、1983年、世界遺産に登録された。

 ベレンの塔を上る階段は狭くすれ違えないため、上る時間と下る時間が分けられている。塔の上から4月25日橋など美しいリスボンの風景を眺められる。11時半にベレンの塔を後にした。

 その後、発見のモニュメントに行くつもりだったが、お腹が空いたので、ホテルのフロントで聞いた、エッグタルト「ポルトガルではナタと言う」の名店「パステイス・デ・ベレン」に向かった。早めに行き、店に入る人の列の長蛇の列ができた。

 奥の席ではなく、食べたら直ぐ出られる手前の暗い席で、カウンターでコーヒーとエッグタルトとデザートを注文した。その後30分で旨いエッグタルトと濃いめの珈琲、デザートのフルーツを食べて店を出た。

 確かに評判通り、美味しかった。しかし混みすぎで、ゆっくり味わうのができないので2度行く気はしなかった。ベレンの塔から発見のモニュメントは歩いて15分程度。海沿いをリスボン市内の方に歩いていく。

 ベレンの塔から遠くに発見のモニュメントが見える。途中、ヨットハーバーで、海沿いの歩道が切れているので、左側に迂回する。テージョ川のほとりに建つ大航海時代の記念碑「発見のモニュメント」は、大きな石碑が目に入る。

 これは、ヴァスコ・ダ・ガマがインド航路へ旅立つ際の船出の地。1960年エンリケ航海王子の没後500年を記念し建てた。高さ52メートルの巨大モニュメントの先端にヴァスコ・ダ・ガマをはじめ33人の偉人像を従えてエンリケ航海王子の像がたっている。

 ヨーロッパ人が、海路で世界に乗り出した時代「大航海時代」とは、15から17世紀にかけ、ヨーロッパ人たちが、海を渡って世界に乗り出していった時代。夢と冒険、略奪、危険を冒し海に出る大アドベンチャーが始まりを告げた。

 15世紀、地球がまだ丸いと信じられていなかった頃の話。では、なぜヨーロッパ人は、危険を顧みず、進んで海へ出ていったのか、まず、中国で発明された「羅針盤」がイタリアで改良されたことが挙げらる。

 羅針盤があれば、大海原もどっちへ進めばよいか頼ることが出来た。そして天文学や海図の技術の発達が、冒険者たちの勇気の後押しをした。それにしても、いったいヨーロッパ人達は、何を求めて海へと乗り出していったのか。

 それは、「スパイス」だった。オールスパイスの中でも、特に胡椒「こしょう」は、当時大変貴重なもの。胡椒「こしょう」は、防腐剤の役割りを果たすだけでなく肉の保存にも効果的だった。それで胡椒「こしょう」は金になると人々が長年探し続けた。

 ちなみにヴァスコ・ダ・ガマが持ち帰った胡椒「こしょう」の値は、渡航費用の70倍もの金額だったと言われている。発見のモニュメントをポルトガル語では、「パドラオン・ドス・デスコブリメントス」。帆船のような形をしているという意味。
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