上 下
41 / 56

41話:マドリード観光

しおりを挟む
 マドリード王宮は北側をサバティーニ庭園、東側をオリエンテ広場と王立劇場、南側をアルメリア広場とアルムデナ大聖堂に囲まれた巨大な宮殿。マドリード王宮は、1738年にフェリペ5世の命によって建てられた。フェリペ5世はフランスのベルサイユ宮殿で育ったため、イタリアやフランス風の王宮建設を命じた。1931年にアルフォンソ13世が国外亡命するまで歴代の王家が暮らしていた由緒ある宮殿。現在の国王であるフェリペ6世一家は郊外のサルスエラ宮殿で暮らしている。

 オリエンテ広場の中央にはフェリペ4世の騎馬像が立っている。政治力はありませんでしたが、美術に精通した人物でベラスケスやルーベンスを宮殿画家に迎えて多くの作品を生み出すきっかけとなった。フェリペ4世像の正面にはオペラ公演が行われる王立劇場がある。王宮内には約3400室もの部屋があると言われており一般公開されているのは、極一部の部屋と博物館だけなのだ。

 その他に公開されていないベラスケスやルーベンス、ゴヤなど有名画家の作品や主階段の天井に描かれたフレスコ画、豪華な調度品など当時の繁栄ぶりがうかがえる贅沢な空間になってる。王宮の入口とチケット売り場は、南のアルメリア広場側にあり平日で、それほど混んでいなかった。次にアルムデナ大聖堂へ向かった。マドリード王宮の向かい側に建っている壮麗な建物はカトリック教会のアルムデナ大聖堂。正式名称はサンタ・マリア・ラ・レアル・デ・ラ・アルムデナ大聖堂と言った。

 そこは2004年に現国王であるフェリペ6世の結婚式が行われた場所。100年以上の歳月をかけて建てられ、なんと完成したのは1993年というから驚き。レティーロ公園でも見かけた騎馬警察が大聖堂と王宮周辺をパトロールしてる。続いてサンミゲル市場へ行き夕食をとってホテルに帰ろうと考えた。サン・ミゲル市場はバルなど約30店の飲食店が集まったフードコートのような場所です。ガラス張りの大きな建物で、メインストリートのマヨール通りから一本入ったところにある。

 この日も混雑していた。生ハムやチーズ、海鮮、野菜、果物、フレッシュジュース、チョコレートなど様々なお店があり、その場で立ち食い・立ち飲みができ、観光ついでに食べ飲みするにはぴったりなスポットでも少し高い。ホテルで教えられたチュロスの有名店であるチョコラテリア・サン・ヒネスを探し、見つけ、入ると一番人気のメニューはチュロス6本とホットチョコレートのセット日本円で600円と安い。

 揚げてあるのでボリュームがあると思い2人で1人前を注文に珈琲だけを追加したが、これで日本人の胃袋には十分だった。ホテルに帰る途中、サン・ミゲル市場のすぐ隣には、石畳の美しいマヨール広場がある。広場には9つのアーチがあり中でも有名なのが南西にあるクチリェロスのアーチ。ここらで疲れたのでホテルに戻った。

 翌4月15日はマドリードを代表するプラド美術館を1日かけて回ることにした。マドリードの玄関口の一つアトーチャ駅を出た先に別名・美術館通りと呼ばれるパセオ・デル・プラドがある。わずか1キロの範囲内に7つの美術館や博物館が集まっています。その美術館通りを代表するのがプラド美術館。プラド美術館はスペイン絵画の宝庫、スペイン王家の美術コレクションを母体として絵画、彫刻あわせて9000点以上に及ぶ世界的にみても質の高さを誇ったスペインを代表する美術館。

 プラド美術館を代表する有名な画家、作品としてあげられるものにベラスケスの『ラス・メニーナス・女官たち』、ゴヤの『裸のマハ』と『着衣のマハ』、エル・グレコ、ボッシュがある。『ラス・メニーナス』と言われても『裸のマハ』と言われても中学の教科書で見た程度だ。しかし、これらの絵画たちを見ると、見たことあると思われる方は多いはず。

 そして町の商店に『ラス・メニーナス』の中心人物マルガリータ王女を形の様々なお土産品を見かける。美術や絵画に感心ない方も『ラス・メニーナス』の絵画鑑賞は非常に謎めいた絵なので十分楽しめる。またオーディオガイドを使い鑑賞すると面白さ倍増する。『ラス・メニーナス』は、いろんなの見方のできるの謎めいた刺激的な絵画。当時、画家の職業は高くなく、それでも高い地位を望んだ宮廷画家、ベラスケスは何とか、高い地位を得ようと何度も試みる野心家だった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ARIA(アリア)

残念パパいのっち
ミステリー
山内亮(やまうちとおる)は内見に出かけたアパートでAR越しに不思議な少女、西園寺雫(さいおんじしずく)と出会う。彼女は自分がAIでこのアパートに閉じ込められていると言うが……

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

電子カルテの創成期

ハリマオ65
現代文学
45年前、医療にコンピューターを活用しようと挑戦した仲間たちの話。それは、地方都市から始まった、無謀な大きな挑戦。しかし現在、当たり前の様に医療用のデータベースが、活用されてる。新しい挑戦に情熱を持った医師と関係者達が、10年をかけ挑戦。当時の最先端技術を駆使してIBM、マッキントッシュを使い次々と実験を重ねた。当時の関係者は、転勤したり先生は、開業、病院の院長になり散らばった。この話は、実話に基づき、筆者も挑戦者の仲間の一人。ご覧ください。 Noveldaysに重複投稿中です。

日本初のパソコン販売で早期退職し投資の世界へ

ハリマオ65
現代文学
安田武夫と清水律子は橫浜の農家生まれ。里山の自然に恵まれた環境に育った。安田武夫と清水律子は幼なじみ。安田は理系が得意、清水は文系が得意で英語に興味を持った。その後、清水が地元の進学塾に入り勉強して上智大学をめざし将来は欧米での仕事に夢を描いた。安田は高専の電気科を卒業しNECに就職。しかしパソコン販売の激務で倒れ、早期退職。その後、株投資に奮闘。 この作品は、小説になろうに重複掲載してます。

家計と資産形成は数学だ!

ハリマオ65
現代文学
 野本和美の家は、八王子南部、鑓水の旧家。住友の実家は、中野駅からバスで5分、徒歩30分の場所が、実家だった。ソロバンが上手で商業高校を出て地元のジャスコに就職。ジャスコでの先輩の住本次男と結婚、和美は節約料理と家計が上手。次男は株に興味を持ち、資産を増やす。その後、住友次男が、アメリカ留学し・・・。それからの事は本編をご覧下さい!

焼けぼっくいに火が付いた

ハリマオ65
現代文学
*高齢で昔の恋人に再会、「焼けぼっくいに火が付いた」そして、2人で残りの人生を楽しめ!! 主人公の清水薫は、北関東から両親と横浜へ、5歳の頃、ジフテリアで、約1年の闘病。退院後も不自由な生活を強いられた。中学に入ると中本薫子と親しくなり勉強し高専に合格し卒業すると、中本は、地元の銀行に勤めた。中本は、結婚し北陸へ引っ越し。清水、50歳、体を壊し退職。気分転換に北陸へ。ふと中本さんの事を思い出し探し、再会。そこ時、焼けぼっくいに火が付いた。小説家になろう、noveldaysに重複投稿

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

処理中です...