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28話:パリバからリーマンショックへ

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 ちなみに、公表された買収価格は1株あたり2ドルという破格の値段で、その後市場から批判を浴び1株あたり10ドルに引き上げられました。それでも2007年1月に付けた最高値の約171ドルとの落差に、市場は驚いた。

 市場が驚愕したベア・スターンズの買収劇の余韻の中、市場は次の破綻する金融機関はどこだと探し始めた。それは、メリルリンチとリーマンブラザーズだったがメリルリンチはバンク・オブ・アメリカに救済された。リーマンブラザーズほど大規模な投資銀行を誰も救済できなかった。

 リーマンブラザーズの経営破綻が囁かれる中、同社ほどの規模の金融機関を救済できる銀行は世界中どこにもないという見方が強まり最後はアメリカ政府が救済すると思われた。しかしアメリカ政府は予想を裏切り2008年9月15日、リーマンブラザーズは経営破綻。

 資産総額6390億ドルという史上最大のリーマンショックは、世界中で株価急落を引き起こし景気後退を招いた。リーマンショックは、資金市場を凍り付けさせ、アメリカの国債市場でさえ流動性が急激に悪化し、円滑な金融取引が不可能になった。

 ゴールドマンサックスやモルガンスタンレーでさえ、絶対破綻することはない、とは言い切れない状況でした。モルガンスタンレーは、三菱UFJファイナンシャル・グループからの出資を仰いで、急いで対処されたほどです。

 リーマンブラザーズが破綻した後、アメリカの住宅金融を支えていたファニーメイとフレディマックの2つの政府支援機関も事実上国有化され、CDSの大量ポジションを抱えていた保険大手のAIGにも政府支援された。

 米財務省は議会を説得して7000億ドルの公的資金を銀行などに資本注入した。政府による一連の救済処置の中で、ゴールドマンサックスとモルガンスタンレーもFRBからの資金支援を受けた。
 
 そして、ウォール街はアメリカ国民の税金で救われ、世界を混乱に陥れた張本人たちは、誰一人として罰せられることなく、現在でも何食わぬ顔で過ごしているのです。2007年3月、目黒の中学を卒業した伊賀鉄男は、東京都立小山台高校を受験して合格。

 自宅からバスで登校。それを見て妹の仁美も小山台高校を受験したいと近所の進学塾に入った。涼しくなった2007年10月20日、MF銀行で世話になった池松支店長から電話が入った。電話によると池松さんも高齢になり最近、みなとみらいに引っ越したと話した。

 その地区のMMタワーズ・イースト3LDKのマンションを買ったので良かったら、遊び来ませんかと言われた。そこで、池松さんは、伊賀の奥さんの妙子さんが入社当時から支店長で可愛がってくれ、銀行員としての心構えを教えてくれた恩師だと教えた。

 銀行入行当時、懇切丁寧に銀行員の仕事の仕方、お客様との接し方を教えてくれた恩師。夫の伊賀俊二に話すと横浜は、よく遊びに行くから、11月23日、行こうかと言ったので、妙子さんが、11月23日11時、訪問させていただ来ますと池松さんに電話を入れた。

 みなとみらい線で40分でみなとみらい駅の到着。そこから5分で池松さんの家に到着。お土産のT屋の羊羹を渡した。池松さんが、久しぶりと、妙子さんを迎え入れてくれた。そして奥さんが、お茶を入れてくれた。その後、妙子が、部屋を案内してと伝えた。

 見学してと池松さんが言った。ここは、MMタワーズ・イースト最上階30階で、前に遮るものがなく海も見えると言いベランダに出るとベイブリッジも近くに見えて素晴らしい眺め。思わず、妙子が、わーすごいと歓声をあげた。高かったのでしょと言うと、まーねと言うと答えた。

 伊賀が、4億円と言うと、よくわかったね。その位だと答えた。バブル時代の投資で儲けたお金をつぎ込んで、終の棲家をここに決めたと言った。すぐ近くに「けいゆう病院」という近代的な大病院もあるしレストラン、スーパーも多く気に入ったと述べた。
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