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16話:小説の粗原稿完成と朝永と杵渕の結婚

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1993年9月4日、伊賀は、奥さんの妙子さんを近くの産婦人科病院に入院させた。その後、1993年9月7日、元気な泣き声の男の子が誕生、鉄の様に強い男に育てと、伊賀鉄男と名付けた。10月末に、再び、奥さんの妙子さんは、銀行業務に戻った。

 順調に進み年末、構想ができ、あらすじを書き始めた。そして、昼間は、伊賀俊二が、子供の面倒を見て、昼休みに、奥さんが銀行から戻り、おっぱいをあげるという日々が続いた。その後、最初に小説の骨組みを書いた。

 次に、骨組みに肉付けする方法で進めることにした。子供ができて責任感が芽生え始めたのか小説が進み始めた。それでも徹夜は、せず、体調管理をしながら続けた。それでも集中すると、0時過ぎる日が何日も続いた。すると不思議なもので小説の進行が早まった。

 伊賀俊二は、奥さんの妙子さんを12月24日から1月4日まで、奥さんの実家で面倒を見てもらうため車で山梨県藤野の実家へ送りと届けた。1月4日に迎えに行った。1993年の年末、「軍医時代の経験」「帝銀事件」「下山事件」の3冊の本の粗原稿が完成。

 会社に持ち込み、校正作業をしてもらうために粗原稿をコピーした。1994年4月初旬、校正が終わり会社からの許可をもらい亡き倉木先生の小説をまとめる完成させる事なった。その後、夏休み返上で小説を書き直し9月末、原稿が完成。

 その話を聞いた以前からの仲間達が祝福してくれた。それをSE社の飯島編集長に見せると、最終チェックをすると言われた。数人の3冊あると言うと数人を呼びコピーを取った。そして、編集長の部下6人に、訂正箇所を赤ペンで直せと言った。

 これが最終校正だから完璧に校正しろよと厳しく申し渡した。その後12月初旬に、最終校正と訂正箇所の修正を終えることができた。翌1994年1月、会社で契約している印刷所に行き500セットを印刷製本。東京の書店に置く事となった。

 4月には、製本を終えて、神田や東京駅周辺の書店の店頭の50冊ずつ置いた。1994年6月1日、突然、朝永安男と杵渕聡美から今週の土日、4、5日に相談事があるから会いたいと連絡が入り6月4日、午後15時、新宿の小田急デパートの食堂前で待ち合わせた。

 15時、朝永と杵渕さんが来ていて、すぐに伊賀夫妻と面会できた。その後、個室のある喫茶店に向かった。そして、そこで、朝永が、突然、杵渕さんと2年前から同棲を始めたと告白した。妙子さんが、思わず、えーと驚くと、杵渕も認めた。

杵渕が、私は、大学院を出たが福祉事務所で精神的に困ってると人のカウンセリングをしたりしているが、給料は少ない。そこで、以前から好きだった、朝永君のマンションに転がりこんだって訳と言うと、妙子さんが理知的な聡美が、そんな大胆な行動を取るとは信じられないと言った。

 すると、聡美が、これは、理性じゃなく感情の問題よと笑いながら語った。冬の夜なんか、どうしようもなく、寂しくねってね。そこで、朝永君の所に、もぐり込んだのと告げた。そこで、近いうちに結婚しようと思っていると言った。ただ、私が、定職に就いて働きたい。

 若い神経内科の先生の先生は、何人も知っているが、東京で開業するには、お金がかかり、できないと言うのだ。7月に朝永から電話が入り、自分の実家で、杵渕聡美との結婚に反対されて困ったが、結婚式をせずに、役所に婚姻届を出そうと思っていると話すした。

 そこで、杵渕さんの実家では、どう言ってるのかと聞くと、反対は、しないが、賛成もできないので結婚するという事だけは聞いておくと言う冷たい反応だと語った。まー、反対されたわけではないから、まずまずじゃないかと励ました。

 8月、新宿のビアホールで伊賀が企画して朝永と杵渕の結婚祝賀パーティーを開いた。伊賀の奥さんは、乳飲み子いるので来られないが、全員で乾杯して結婚を祝うと、いつも冷静な杵渕が号泣した。みんなのやさしさに感激したのよと語った。

 飲んで杵渕が、伊賀に、私、精神科の先生と共に頑張るから開業の時に投資してねと言うとわかったと答えると抱き着いた。伊賀が、抱き着く相手が違うぞと言い、朝永に代わってもらった。とにかく、朝永も杵渕も憂さを晴らす様に、飲んで楽しんだ。
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