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第十三話 成婚
130-2、公開告白
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「そんなこと、意気地なしのレオが、できるはずがないでしょう!それに、あなたは運動神経だってあやしいんだから!」
ベラは怒りながら叫び返した。
ロレットとイリスを両脇に抱えて部屋に押し戻す。
後ろ手に勢い良く閉めた。
バタンと大きな音が響いた。姫らしからぬ騒音であるが、誰も気にしていない。その事よりも、公開告白である。
「どうするの?あんた、いま、あのおとなしかったレオに、公開告白、夜這い宣言、略奪宣言をされていたわよ!」
イリスが自分のことのように興奮している。
ベラは首を激しく振った。
口を引き結び顔は真っ赤。
大きな目には涙がにじみはじめた。
「だから、パジャンに行くのは無理なの。どうしてわかってくれないのよ、レオのくせに!」
「自分の気持ちをはっきりと伝えられるのは、意気地なしじゃできないと思うよ。レオは格好よくなったね。ベラが羨ましいぐらいだわ」
ロゼリアはぽつりという。
「ロズこそ、羨ましいってことはないんじゃないですか?ジルコン王子はどんな風に、ロズに結婚を申し込みされたのですか?」
ロゼリアの言葉に反応したのはロレット。
ベッドのロゼリアに詰め寄った。
「そうよ、それが知りたかったの!」
イリスも食い付いてきた。
その目が輝いている。
イリスはいつからか、ロゼリアの恋を応援する方向へ変わっていた。
「え、ひと様にいえるようなものがあるわけでもなくて……」
ロゼリアは歯切れ悪くもごもごという。
シーツを胸元まで引き上げた。
友人たちはロゼリアを逃さない。
ここにこうして集まれるのもこれが最後なのだ。
パジャンのメンバーは明日帰路につく。
ロレットも、イリスも、ベラも、もう王都に滞在する理由はない。
既に旱魃の対応のために多くの者たちが帰国している状況で、今年の夏スクールは終了だった。雨が降ったからそれで終わりではなかった。旱魃の被害の現状の把握と回復のために、若者たちがしなければならないことも多いのだ。問題に対して自主的に活動することも学んだことの一つである。
「なにも言われていないの」
「はい?」
「ジルコンから結婚の申し込みはされていないわ」
とうとうロゼリアは言った。
嘘は言っていない。
よくよく思い返しても、雨乞いの神事の間、ロゼリアは心を分けた妻役の代役ではあったが、ジルコンから結婚の話は出てこなかったではないか。
あれから、ジルコンをララが足止めしていることもあり、直接会っていないのだ。
「ええ?でも王都でも、王と王妃と、王子と未来の妻アデールの姫の、雨乞いの奇跡の話で持ち切りなのに?婚約無期限延長のままだというの!?」
レオの時の衝撃よりも、さらに大きな衝撃を受けて、ベラの涙は止まっている。
ロゼリアは居たたまれなくなった。
涙の混ざる鼻水を盛大にかんだのだった。
ベラは怒りながら叫び返した。
ロレットとイリスを両脇に抱えて部屋に押し戻す。
後ろ手に勢い良く閉めた。
バタンと大きな音が響いた。姫らしからぬ騒音であるが、誰も気にしていない。その事よりも、公開告白である。
「どうするの?あんた、いま、あのおとなしかったレオに、公開告白、夜這い宣言、略奪宣言をされていたわよ!」
イリスが自分のことのように興奮している。
ベラは首を激しく振った。
口を引き結び顔は真っ赤。
大きな目には涙がにじみはじめた。
「だから、パジャンに行くのは無理なの。どうしてわかってくれないのよ、レオのくせに!」
「自分の気持ちをはっきりと伝えられるのは、意気地なしじゃできないと思うよ。レオは格好よくなったね。ベラが羨ましいぐらいだわ」
ロゼリアはぽつりという。
「ロズこそ、羨ましいってことはないんじゃないですか?ジルコン王子はどんな風に、ロズに結婚を申し込みされたのですか?」
ロゼリアの言葉に反応したのはロレット。
ベッドのロゼリアに詰め寄った。
「そうよ、それが知りたかったの!」
イリスも食い付いてきた。
その目が輝いている。
イリスはいつからか、ロゼリアの恋を応援する方向へ変わっていた。
「え、ひと様にいえるようなものがあるわけでもなくて……」
ロゼリアは歯切れ悪くもごもごという。
シーツを胸元まで引き上げた。
友人たちはロゼリアを逃さない。
ここにこうして集まれるのもこれが最後なのだ。
パジャンのメンバーは明日帰路につく。
ロレットも、イリスも、ベラも、もう王都に滞在する理由はない。
既に旱魃の対応のために多くの者たちが帰国している状況で、今年の夏スクールは終了だった。雨が降ったからそれで終わりではなかった。旱魃の被害の現状の把握と回復のために、若者たちがしなければならないことも多いのだ。問題に対して自主的に活動することも学んだことの一つである。
「なにも言われていないの」
「はい?」
「ジルコンから結婚の申し込みはされていないわ」
とうとうロゼリアは言った。
嘘は言っていない。
よくよく思い返しても、雨乞いの神事の間、ロゼリアは心を分けた妻役の代役ではあったが、ジルコンから結婚の話は出てこなかったではないか。
あれから、ジルコンをララが足止めしていることもあり、直接会っていないのだ。
「ええ?でも王都でも、王と王妃と、王子と未来の妻アデールの姫の、雨乞いの奇跡の話で持ち切りなのに?婚約無期限延長のままだというの!?」
レオの時の衝撃よりも、さらに大きな衝撃を受けて、ベラの涙は止まっている。
ロゼリアは居たたまれなくなった。
涙の混ざる鼻水を盛大にかんだのだった。
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