30 / 85
番外編1
25、豪奢な美しい髪※ (1話完結)
しおりを挟む
「あなたはどこかでお会いしたことがありましたか?」
食事にぶらりと入った食事処で、少し休憩しようと馬を小川に水を飲ませる時に、ただ町を馬を引いて歩いている時に、横の若者は行く先々で声をかけられていた。
大体が、馬上のこの何人も護衛を引き連れた貴族の壮年の男のような、「どこかでお会いしたことがありましたか?」
のような挨拶言葉をきっかけに、人目を引かずにはいられないこの美しい若者と、あわよくば知り合いになろうとしているのがみえみえだった。
鞍上から呼び止められてラズは足を止めた。
この身なりの整った貴族は馬を下りる。
ここはデクロアから一日の距離の、東の強国ボリビア陣営にも西の大国パウエラにも、どちらにもつかずに様子見をきめている少し前のラブラドのような国のひとつである。
ラズは男の国、衣装から推察できる身分、顔の特徴を記憶に照らし合わせた。
王子として数多くの賓客をもてなしてきた手前、顔と名前を覚えるのは得意である。
「、、いえ、あなたとお会いしたことはありません。ではこれで、、、」
「あ、いえ人違いいたしまして、申し訳ございません。あまりに見事なお髪でありましたから、思わず知り合いを思い出してしまいました。
これも何かの縁でしょうから、少しどこかでお茶でもいたしませんか?」
と声をかけた男は(女でも)簡単には引き下がらない。おおよそ、己に自信のあるものほどしつこく迫る傾向があるようである。
そこで、シディの登場で、「俺の連れに何か用か?」
と凄むと大抵のナンパはすごすごと引き下がる。
そんなことをその日は何度も繰り返していた。
その夜、宿に湯桶を多目に頼み沐浴をする。
一日の終わりの身繕いは女以上に時間をかけていた。
まず熱目の湯に布を浸してほどほどに搾り、一つは投げてよこす。
もう一つは自分の顔を体を脚を丁寧に拭いていく。
しばらく顔にのせて蒸しタオルをすることもある。
そして、二日に一度は最後に髪を石鹸で泡立てて残った湯で洗うのだ。洗い上がるとほかほかの顔をして、満足げである。
今日という一日はこれを味わうためにあったと言わんばかりの幸せそうな顔である。
「シディも洗うならもうひとつ湯をお願いするけどどうする?」
「いや、いい」
「そう?気持ちがいいよ?」
ラズは少し前までは、自分で頭など洗ったことがないかもしれない。
多くの側仕えに優しい指で、良い香りのする高価な石鹸をふんだんに使って洗われ、扇がれて、その豪奢な金の髪を乾かし丁寧にとかれていたのだろう。
今では乾いた薄く毛羽だったタオルでポンポンと叩くようにして水分を取っている。
こんなボロ宿にそのタオルではとうてい似つかわしくない、優雅な挙措であった。
質素堅実なボリビア国では男は基本短髪である。
シディは他国に馴染むように少し長目にしてはいる。テーゼもそうである。
東に近付くにつれて、男の黒髪短髪傾向が強くなるなか、背中の中ほどまである見事な金髪は、やたら目を引いていた。
ラズの髪はやわらかなウェーブがかかり、動作の度に柔らかく弾む。
彼の髪を見た者は、思わずその髪に指を透かしいれ、匂いを嗅ぎ、かきあげたくなるのである。
そして、髪をつかんで背中に引き下げると顔が上がる。
そのわずかに開いた唇に己の唇を深く重ね、唇の柔らかさを堪能しながら口内や舌をムシャブリつきたくなるのだ。
ラズに声をかけた何人もの男たちはほとんどがそのような劣情をいだいたのだろうと思う。
だから、テーゼはラズの髪を切りましょうと何度もシディに言っていた。
彼の髪は美しすぎて目立ちすぎる。
その印象的な髪と美貌で、なかなか立ち居ふるまいが崩れないラズに、ラブラドの死んだはずの王子と重ねて見るものが現れるかも、とのもっともな理由である。
シディはラブラド国人を思い浮かべた。
ザクセン宰相やジュードは長いというほどでもなかった。
町では伸ばすのも切るのも本人の好みで、ラズのように長いものもちらほらと見かけていた。
ラブラドの王族は男は必ず髪を長く伸ばすのが慣習だという。
髪を切ったらどういう風になるのだろう。
シディは、晒される襟足を思う。
首から続く服の下に隠された背中や更に続く形のよい尻まで、見るものの想像力を掻き立て、また想像しやすくなるだろう。
何かの弾みを装って、その無防備な首筋に唇を触れされる者も出てくるかも知れない。
形のよい耳たぶを、凝視する者もでてくるだろう。
ラズの自覚していない生々しい色気が隠すものを失って駄々漏れるような気がするのだ。
シディの両腕が開かれた。その腕の中に吸い込まれるようにラズは洗い立ての清潔な体をすり寄せてくる。
腕にとらわれるだけでなく、さらにラズはシディを押し倒した。手で引き締まった肩を押さえて体を起こす。
片側に寄せたなかば乾きかけた髪がシディの頬に胸にふわりと落ち、くすぐった。
「何?」
「キスを、、」
シディが最後までいわないうちに、ラズのやわらかな唇がシディの耳たぶを咥えた。
「何をする、、」
いたずらげに美しいブルーグレイの目が煌めいた。
「さっき、僕の耳をみていたでしょう。ここにキスをしたらどんな感じかなと思って」
「なら教えてやる」
シディは足をラズにからめくるりと体を入れ換えた。ふんわりと髪がベッドに広がる。頬に触れるラズの髪の感触はとても良かった。
シディはラズの耳に愛を囁き、耳たぶをあまがみし、舌で味わう。
次第にラズの呼吸が変わる。それを見計らい、髪をかきあげ首筋を晒す。
たおやかな美しい首である。
シディはなめあげ、歯を立てた。
「あ、はあっ、、それ、やだ。ゾクゾクする」
「あなたのここはイヤだとはいっていないぞ?むしろ、これは喜んでいるのではないか?」
ラズの手を取り、己の大きくなったものに触れさせ、ラズの手ごと握りこんだ。
「よだれでとろとろではないか。自分の気持ちのよいようにしてごらん」
とは言っても、シディはシディのリズムでしごきだす。
「自分の手でなんてヤだ」
「贅沢な王子サマだな」
シディは体をずらしてなめあげた。
その体には艶やかな花紋様が浮かび上がっている。シディが咥えるその根本にも。
同時に後ろの口も指で丁寧にほぐし始めた。
ラズは顔を真っ赤に上気させながらも、おずおずとシディの髪に指を差し入れ、掴むような素振りを見せた。
「なんだ?」
「きれいな黒髪だと思って」
「俺の髪よりあなたの髪の方が何百倍も美しい」
「え?この髪、もう切ろうかと。変に目立っているような気がする」
「駄目だ」
「え?」
シディはラズの中に己を押し入れる。
「切っては駄目だ」
ラズは片方の頬を枕に押し付け、小さく呻いて最初の押し込まれる痛みをやり過ごそうとする。
「痛いか?」
「だ、大丈夫だから来て」
この最初に受け入れる時だけはもう数えきれない程抱いていても、時間をかけて指と舌とオイルを使ってトロトロにほぐしても、ラズは苦しいようだった。
痛みに萎えかけたラズの雄の敏感なところを弄ると、すぐに立ちあがりシディの手のなかでひくつきはじめる。
その時にはもう、痛みを伴う結合ではなくなっていて、ラズのなかは熱くて蕩けるように気持ち良く絡みつき、シディを咥え込み離さない。さらに奥つ城へと促すのだ。
上に下に、体位を入れ換える。
何回目かではラズはシディの上に乗り自分からぱっくりと開いて受け入れた。
恍惚とした表情に、いじられて吸われてぷっくりと立ち上がった乳首。しっとりと汗でぬれる艶やかなからだ。
それが同じ男の体とは思えない程うつくしく色っぽい。
シディはラズの髪をつかんで引き寄せ口づけをする。甘く答えようとする舌に吸い付き、腰を逃がさぬように押さえつけて激しく何度も突き上げる。
そして、その夜何度目かの絶頂に果てたのだった。
「あなたの絹糸のような、光の滝のような金の髪が好きだ。テーゼが何と言おうとあなたの髪を短く切らせない」
シディは激しく愛を交わして、精魂尽き果てて疲れてうつらうつらしている恋人にささやいた。
「あなたが好きなのは髪なの、、?なら僕は絶対に髪を切らないから、、、」
寝ぼけながらも少し辛そうにラズは顔を歪める。
「僕もあなたの闇に溶けたような黒髪が好き。だけど、シディが緑色の髪だったとしても、きっと好きになったと思うよ」
ラズのまぶたは重く開かない。
シディは横に眠る、帰る国を失った王子を胸が締め付けられる程、愛しいと思う。
彼の国を滅ぼしてでも欲しいと願った美しい人である。
それが、無防備に体も心もシディに預けていた。
「わたしもあなたがつんつんてんの真っ赤な髪だとしても愛する気持ちに変わりはないよ」
その言葉は恋人に届いたのかどうか。
旅の間中、ラズはどんなに目立とうとも、シディといる間は頑として髪を切ろうとしなかったのだった。
豪奢な美しい髪 完
食事にぶらりと入った食事処で、少し休憩しようと馬を小川に水を飲ませる時に、ただ町を馬を引いて歩いている時に、横の若者は行く先々で声をかけられていた。
大体が、馬上のこの何人も護衛を引き連れた貴族の壮年の男のような、「どこかでお会いしたことがありましたか?」
のような挨拶言葉をきっかけに、人目を引かずにはいられないこの美しい若者と、あわよくば知り合いになろうとしているのがみえみえだった。
鞍上から呼び止められてラズは足を止めた。
この身なりの整った貴族は馬を下りる。
ここはデクロアから一日の距離の、東の強国ボリビア陣営にも西の大国パウエラにも、どちらにもつかずに様子見をきめている少し前のラブラドのような国のひとつである。
ラズは男の国、衣装から推察できる身分、顔の特徴を記憶に照らし合わせた。
王子として数多くの賓客をもてなしてきた手前、顔と名前を覚えるのは得意である。
「、、いえ、あなたとお会いしたことはありません。ではこれで、、、」
「あ、いえ人違いいたしまして、申し訳ございません。あまりに見事なお髪でありましたから、思わず知り合いを思い出してしまいました。
これも何かの縁でしょうから、少しどこかでお茶でもいたしませんか?」
と声をかけた男は(女でも)簡単には引き下がらない。おおよそ、己に自信のあるものほどしつこく迫る傾向があるようである。
そこで、シディの登場で、「俺の連れに何か用か?」
と凄むと大抵のナンパはすごすごと引き下がる。
そんなことをその日は何度も繰り返していた。
その夜、宿に湯桶を多目に頼み沐浴をする。
一日の終わりの身繕いは女以上に時間をかけていた。
まず熱目の湯に布を浸してほどほどに搾り、一つは投げてよこす。
もう一つは自分の顔を体を脚を丁寧に拭いていく。
しばらく顔にのせて蒸しタオルをすることもある。
そして、二日に一度は最後に髪を石鹸で泡立てて残った湯で洗うのだ。洗い上がるとほかほかの顔をして、満足げである。
今日という一日はこれを味わうためにあったと言わんばかりの幸せそうな顔である。
「シディも洗うならもうひとつ湯をお願いするけどどうする?」
「いや、いい」
「そう?気持ちがいいよ?」
ラズは少し前までは、自分で頭など洗ったことがないかもしれない。
多くの側仕えに優しい指で、良い香りのする高価な石鹸をふんだんに使って洗われ、扇がれて、その豪奢な金の髪を乾かし丁寧にとかれていたのだろう。
今では乾いた薄く毛羽だったタオルでポンポンと叩くようにして水分を取っている。
こんなボロ宿にそのタオルではとうてい似つかわしくない、優雅な挙措であった。
質素堅実なボリビア国では男は基本短髪である。
シディは他国に馴染むように少し長目にしてはいる。テーゼもそうである。
東に近付くにつれて、男の黒髪短髪傾向が強くなるなか、背中の中ほどまである見事な金髪は、やたら目を引いていた。
ラズの髪はやわらかなウェーブがかかり、動作の度に柔らかく弾む。
彼の髪を見た者は、思わずその髪に指を透かしいれ、匂いを嗅ぎ、かきあげたくなるのである。
そして、髪をつかんで背中に引き下げると顔が上がる。
そのわずかに開いた唇に己の唇を深く重ね、唇の柔らかさを堪能しながら口内や舌をムシャブリつきたくなるのだ。
ラズに声をかけた何人もの男たちはほとんどがそのような劣情をいだいたのだろうと思う。
だから、テーゼはラズの髪を切りましょうと何度もシディに言っていた。
彼の髪は美しすぎて目立ちすぎる。
その印象的な髪と美貌で、なかなか立ち居ふるまいが崩れないラズに、ラブラドの死んだはずの王子と重ねて見るものが現れるかも、とのもっともな理由である。
シディはラブラド国人を思い浮かべた。
ザクセン宰相やジュードは長いというほどでもなかった。
町では伸ばすのも切るのも本人の好みで、ラズのように長いものもちらほらと見かけていた。
ラブラドの王族は男は必ず髪を長く伸ばすのが慣習だという。
髪を切ったらどういう風になるのだろう。
シディは、晒される襟足を思う。
首から続く服の下に隠された背中や更に続く形のよい尻まで、見るものの想像力を掻き立て、また想像しやすくなるだろう。
何かの弾みを装って、その無防備な首筋に唇を触れされる者も出てくるかも知れない。
形のよい耳たぶを、凝視する者もでてくるだろう。
ラズの自覚していない生々しい色気が隠すものを失って駄々漏れるような気がするのだ。
シディの両腕が開かれた。その腕の中に吸い込まれるようにラズは洗い立ての清潔な体をすり寄せてくる。
腕にとらわれるだけでなく、さらにラズはシディを押し倒した。手で引き締まった肩を押さえて体を起こす。
片側に寄せたなかば乾きかけた髪がシディの頬に胸にふわりと落ち、くすぐった。
「何?」
「キスを、、」
シディが最後までいわないうちに、ラズのやわらかな唇がシディの耳たぶを咥えた。
「何をする、、」
いたずらげに美しいブルーグレイの目が煌めいた。
「さっき、僕の耳をみていたでしょう。ここにキスをしたらどんな感じかなと思って」
「なら教えてやる」
シディは足をラズにからめくるりと体を入れ換えた。ふんわりと髪がベッドに広がる。頬に触れるラズの髪の感触はとても良かった。
シディはラズの耳に愛を囁き、耳たぶをあまがみし、舌で味わう。
次第にラズの呼吸が変わる。それを見計らい、髪をかきあげ首筋を晒す。
たおやかな美しい首である。
シディはなめあげ、歯を立てた。
「あ、はあっ、、それ、やだ。ゾクゾクする」
「あなたのここはイヤだとはいっていないぞ?むしろ、これは喜んでいるのではないか?」
ラズの手を取り、己の大きくなったものに触れさせ、ラズの手ごと握りこんだ。
「よだれでとろとろではないか。自分の気持ちのよいようにしてごらん」
とは言っても、シディはシディのリズムでしごきだす。
「自分の手でなんてヤだ」
「贅沢な王子サマだな」
シディは体をずらしてなめあげた。
その体には艶やかな花紋様が浮かび上がっている。シディが咥えるその根本にも。
同時に後ろの口も指で丁寧にほぐし始めた。
ラズは顔を真っ赤に上気させながらも、おずおずとシディの髪に指を差し入れ、掴むような素振りを見せた。
「なんだ?」
「きれいな黒髪だと思って」
「俺の髪よりあなたの髪の方が何百倍も美しい」
「え?この髪、もう切ろうかと。変に目立っているような気がする」
「駄目だ」
「え?」
シディはラズの中に己を押し入れる。
「切っては駄目だ」
ラズは片方の頬を枕に押し付け、小さく呻いて最初の押し込まれる痛みをやり過ごそうとする。
「痛いか?」
「だ、大丈夫だから来て」
この最初に受け入れる時だけはもう数えきれない程抱いていても、時間をかけて指と舌とオイルを使ってトロトロにほぐしても、ラズは苦しいようだった。
痛みに萎えかけたラズの雄の敏感なところを弄ると、すぐに立ちあがりシディの手のなかでひくつきはじめる。
その時にはもう、痛みを伴う結合ではなくなっていて、ラズのなかは熱くて蕩けるように気持ち良く絡みつき、シディを咥え込み離さない。さらに奥つ城へと促すのだ。
上に下に、体位を入れ換える。
何回目かではラズはシディの上に乗り自分からぱっくりと開いて受け入れた。
恍惚とした表情に、いじられて吸われてぷっくりと立ち上がった乳首。しっとりと汗でぬれる艶やかなからだ。
それが同じ男の体とは思えない程うつくしく色っぽい。
シディはラズの髪をつかんで引き寄せ口づけをする。甘く答えようとする舌に吸い付き、腰を逃がさぬように押さえつけて激しく何度も突き上げる。
そして、その夜何度目かの絶頂に果てたのだった。
「あなたの絹糸のような、光の滝のような金の髪が好きだ。テーゼが何と言おうとあなたの髪を短く切らせない」
シディは激しく愛を交わして、精魂尽き果てて疲れてうつらうつらしている恋人にささやいた。
「あなたが好きなのは髪なの、、?なら僕は絶対に髪を切らないから、、、」
寝ぼけながらも少し辛そうにラズは顔を歪める。
「僕もあなたの闇に溶けたような黒髪が好き。だけど、シディが緑色の髪だったとしても、きっと好きになったと思うよ」
ラズのまぶたは重く開かない。
シディは横に眠る、帰る国を失った王子を胸が締め付けられる程、愛しいと思う。
彼の国を滅ぼしてでも欲しいと願った美しい人である。
それが、無防備に体も心もシディに預けていた。
「わたしもあなたがつんつんてんの真っ赤な髪だとしても愛する気持ちに変わりはないよ」
その言葉は恋人に届いたのかどうか。
旅の間中、ラズはどんなに目立とうとも、シディといる間は頑として髪を切ろうとしなかったのだった。
豪奢な美しい髪 完
0
お気に入りに追加
250
あなたにおすすめの小説
初夜の翌朝失踪する受けの話
春野ひより
BL
家の事情で8歳年上の男と結婚することになった直巳。婚約者の恵はカッコいいうえに優しくて直巳は彼に恋をしている。けれど彼には別に好きな人がいて…?
タイトル通り初夜の翌朝攻めの前から姿を消して、案の定攻めに連れ戻される話。
歳上穏やか執着攻め×頑固な健気受け
新しい道を歩み始めた貴方へ
mahiro
BL
今から14年前、関係を秘密にしていた恋人が俺の存在を忘れた。
そのことにショックを受けたが、彼の家族や友人たちが集まりかけている中で、いつまでもその場に居座り続けるわけにはいかず去ることにした。
その後、恋人は訳あってその地を離れることとなり、俺のことを忘れたまま去って行った。
あれから恋人とは一度も会っておらず、月日が経っていた。
あるとき、いつものように仕事場に向かっているといきなり真上に明るい光が降ってきて……?
※沢山のお気に入り登録ありがとうございます。深く感謝申し上げます。
幸せな復讐
志生帆 海
BL
お前の結婚式前夜……僕たちは最後の儀式のように身体を重ねた。
明日から別々の人生を歩むことを受け入れたのは、僕の方だった。
だから最後に一生忘れない程、激しく深く抱き合ったことを後悔していない。
でも僕はこれからどうやって生きて行けばいい。
君に捨てられた僕の恋の行方は……
それぞれの新生活を意識して書きました。
よろしくお願いします。
fujossyさんの新生活コンテスト応募作品の転載です。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
大嫌いだったアイツの子なんか絶対に身籠りません!
みづき
BL
国王の妾の子として、宮廷の片隅で母親とひっそりと暮らしていたユズハ。宮廷ではオメガの子だからと『下層の子』と蔑まれ、次期国王の子であるアサギからはしょっちゅういたずらをされていて、ユズハは大嫌いだった。
そんなある日、国王交代のタイミングで宮廷を追い出されたユズハ。娼館のスタッフとして働いていたが、十八歳になり、男娼となる。
初めての夜、客として現れたのは、幼い頃大嫌いだったアサギ、しかも「俺の子を孕め」なんて言ってきて――絶対に嫌! と思うユズハだが……
架空の近未来世界を舞台にした、再会から始まるオメガバースです。
白金の花嫁は将軍の希望の花
葉咲透織
BL
義妹の身代わりでボルカノ王国に嫁ぐことになったレイナール。女好きのボルカノ王は、男である彼を受け入れず、そのまま若き将軍・ジョシュアに下げ渡す。彼の屋敷で過ごすうちに、ジョシュアに惹かれていくレイナールには、ある秘密があった。
※個人ブログにも投稿済みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる