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第3話 精霊の力
31.解放と解呪
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「すまん、本当に一瞬だったんだ」
砂漠の赤い虎 バラーは頭を垂れていた。
ふう、とムハンマドは溜め息をつく。
捕物劇の立役者であるノアールも同席して、非常に楽しそうである。
「一瞬気を反らした時に、お嬢ちゃんが風のようにすり抜けたんだ、、」
言い訳が聞くものにあわれを誘う。
「彼は風の加護を持っていますから。
もちろん知ってましたね?
あと彼は、火も水も土も空も持っている、加護六つの神に愛されているものです」
さらっとノアール。
「歩くとき、足をもつれさせていたので、走れないものだとてっきり、、」
「戦場だと死んでるな」
むすっとムハンマド王子。
ムハンマドにはなぜに自分の気持ちが重いのかわからない。
更に、バラーの頭が下がる。
「だが、あの逃亡劇で、こそこそ嗅ぎ回っていたパリスのネズミを一匹捕まえることができたからな。
お前の隙と油断がなければ現れなかったろうし、そこは良くやった」
「すみません、、、」
ムハンマドは奥の部屋に視線を向ける。
そこにはようやく捕まえた仔猫ちゃんがいる。
ふうっともうひとつ溜め息をついた。
「なぜに私から逃げようとしたのだ、、。
もう少し待ってさえいれば、パリスから迎えがくるというのに」
同じ疑問が自分にも向けられる。
もう少しでパリスに引き渡すのであれば、そのまま行かせるという選択肢もあったはずだった。
にもかかわらず、彼がとった行動は次のことであった。
真っ赤な鬼の形相で、罵声、怒号を浴びせかけた。
町の封鎖、大々的な検問等、彼の私兵以外に町の公務のものなど権力を乱用する。
使えるものは全て使って、逃げ出した少年の追跡、捕獲にあたらせたのだ。
「捕まえられなかったらおまえら連帯責任だ。この街の警察は何をしている!!傷などつけたら縛首だ!!」
なども自分は叫んでいなかったか?
実際に捕まえたのは、行動の先を読んだノアールだったけれど。
ノアールはふふっと、さも楽しげに笑った。
「リリアス君が逃げた理由がわからないのですか?
もしかしてご自分の行動の理由もわかっていないのではないですか?
私の王は」
「逃げたら捕まえたくなるものだろう?それ以外に理由などあるか」
むすっと赤毛の王子は言った。
25歳にもなって、私の王は本当の恋を知らないのかも。と思うとノアールは楽しいのだった。
バードは両手首を縛られて部屋に閉じ込められていた。
捕らえたものの処遇をどうすべきかはっきりしないようで、手荒な扱いはされていない。
大捕物ではあったが、誰も怪我人がでていない。
バードは、ムハンマド王子にさらわれて囲われていた自分の姫を救出しようとしたがあえなく失敗した恋人、のような位置付けがエディンバラではされているようだった。
夕食も普通に出されている。
出されたものはありがたくいただいておく。
なんにせよ、体力を充実させることは重要だ。
捕まってすぐに、ムハンマドはバードのところにやって来た。
「ようやく顔を拝見できて嬉しいよ。パリスのバード?」
「、、、はじめまして?」
バードはムハンマドが驚くほど疲れた顔をしていた。
「火を付けたのはおまえか?」
「違う。俺でもルージュではない。
彼はリリーを危険な目に合わせることはないよ」
そうか、という。
本当に聞きたいことは別のことなんじゃないか?とバードは思う。
「なぜに、リリアスが逃亡するのを助けた?
明日にもパリスから迎えが来るだろうに」
「そりゃあ、リリーが明日まで待てないといったからだろ?
ここから一刻も早く出ていたかったんだろ?王子さま。
俺はリリーをそのままにしておけなかったんだ。
彼女の願いをかなえてあげたいと思ったからだ」
「そうか、、」
バラモンの第六王子はひどく辛そうな顔をした。
「明日解放するからここでがまんしろ」
ムハンマドは部屋をでた。
リリアスは独り、部屋にいた。
目覚めた時と同じ部屋。
手荒なことはされていない。
連れ戻されて、閉じ込められただけだ。
ムハンマドは怒っていたが、部屋には入ってこない。
食事は届けられたが、食べる気にならない。
日も落ちたが、灯りもつける気力がわかない。
自分のおろかな行いで、バードが捕らわれたことにショックを受けていた。
バードが心配だった。
バードの声が聞こえない。
かなり離れたところに捕まっているようった。悲しくなり、自分の馬鹿さ加減に涙が出る。
「うっう、、」
嗚咽がもれた。
涙はいったん溢れだすと、勢いづいて後から後から止めどなく流れた。
泣くなんて何年ぶりだろうと思った。
ベットに突っ伏して嗚咽をこらえながら泣いていると、誰かが入ってきた気配がある。
少しの間の後、温かな手が頭をなぜた。
「、、、泣くな」
辛そうな声だった。
誰だかわからなかった。
涙でぐしゃぐしゃになった顔をあげると、それはムハンマドだった。
ムハンマドが持ってきてきた灯りが、ほの明るく二人を照らし、揺らめかせている。
彼だとわかると、ますます涙があふれでた。
ムハンマドはあきらかに動揺をしていた。
「砂漠では涙も貴重なのだから、泣くんじゃない。
涙は溢れさすのではなく、もう一度、目から取り込み、鼻から喉に流し込むものだ」
「、、、そんなことできるの、、」
思わず反応してしまう。
「昔はよくしたよ、、、。
今では泣き方を忘れてしまった」
ははっとムハンマドは悲しそうに笑った。
そして、彼には珍しく意を決したように言う。
「昨夜のあれがそんなに嫌だったのだな。すまなかった。
お前を無理にでも手元に置こうかと思っていたが、考え直した。
明日解放する。あの隠密も一緒だ」
「解放?!」
あれだけの捕物をして明日は解放されるのは仰天の結論だった。
「先程パリスから迎えの使者も来ているしな」
ルージュではないのか、という発せられない疑問に、ムハンマドは答える。
「王子さまは王都に帰らねばならなくなったようだ。
あちらの家も色々大変そうだからな。
そうそうお前につきっきりというわけにはいくまい?」
ムハンマドは赤茶の目をリリアスに向けた。
優しい目をしていた。
「涙も止まったな。そうやって突っ伏して泣いていると、本当にお姫さまのようだよ」
そう、僕はおんなの子でもあったんだ、とリリアスも思う。
女として愛されるのはどうなんだろう、というはじめての感情がリリアスの胸に産まれた瞬間だった。
灯りの油がもう終わる。
力を失い、細く、かすかにゆれている。
「明日のお別れには、私は立ち会わないから、いま別れのキスをしてよいか?」
リリアスが目を閉じて顔を寄せたので、おでこに、両まぶたに、両頬に、軽く触れあわせるようなキスをする。
彼らの紋様は、灯りより明るく浮かび上がり、混ざりあって別の複雑な紋様となる。
そして夢の泡がはじけるように霧散する。
幻想的で美しい。
現れる紋様を味わってから、ムハンマドは唇を寄せる。
その唇は少し開かれたリリアスの唇に重なった。
やわらかく甘くとろけるようなキスだった。
ムハンマドの両手がリリアスの髪を透かしあげ頭を包み引き寄せる。
リリアスの手が緊張しているムハンマドの胸に添えられる。
それは押し返すものではなく、温かさを確認するものだった。
その手はムハンマドの胸もとをはだけさせた。
「胸にも、、」
リリアスはムハンマドのムスクの香る胸に唇を押し付けた。
「ああ、、」
とムハンマドは苦し気に喘いだ。
リリアスをためらいながらも引き離す。
「止められなくなるから」
「ごめん、、」
リリアスは謝った。
自分がムハンマドにどうして欲しいのかわからなかった。
でも、彼と過ごしてわかったことがあった。
リリアスは言った。
「解放してくれてありがとう。
でも僕はパリスには帰らない」
ムハンマドは驚いた。
「なんだって」
「樹海の森の奥つ城で神官とパリス次期国王との約定は、輝石で充分釣り合っている。
僕は物ではなく、自由な人だ。
樹海にもパリスにも縛られることはない」
言葉には力が宿り、強制力が生じる。
リリアスはそういい放つと、自分でもその通りと信じられた。
呪術が解呪されていくようだ。
「それで、お前はこれからどうするんだ」
先程までムハンマドの胸を締め付けていた苦しみは、どこかに霧散し、変わりに熱い期待で胸が熱く膨らんでいた。
「僕は世界が見たい。冒険も愛も得たいんだ」
ははっとムハンマドは笑った。
「欲張りな子だな」
「教えてくれたのはあなただ」
ムハンマドはリリアスの鼻のてっぺんにキスをした。
「疲れただろう、もうおやすみ」
ムハンマドの言葉には、魔力が宿っているに違いないとリリアスは思う。
すぐに眠りに落ちたのだった。
砂漠の赤い虎 バラーは頭を垂れていた。
ふう、とムハンマドは溜め息をつく。
捕物劇の立役者であるノアールも同席して、非常に楽しそうである。
「一瞬気を反らした時に、お嬢ちゃんが風のようにすり抜けたんだ、、」
言い訳が聞くものにあわれを誘う。
「彼は風の加護を持っていますから。
もちろん知ってましたね?
あと彼は、火も水も土も空も持っている、加護六つの神に愛されているものです」
さらっとノアール。
「歩くとき、足をもつれさせていたので、走れないものだとてっきり、、」
「戦場だと死んでるな」
むすっとムハンマド王子。
ムハンマドにはなぜに自分の気持ちが重いのかわからない。
更に、バラーの頭が下がる。
「だが、あの逃亡劇で、こそこそ嗅ぎ回っていたパリスのネズミを一匹捕まえることができたからな。
お前の隙と油断がなければ現れなかったろうし、そこは良くやった」
「すみません、、、」
ムハンマドは奥の部屋に視線を向ける。
そこにはようやく捕まえた仔猫ちゃんがいる。
ふうっともうひとつ溜め息をついた。
「なぜに私から逃げようとしたのだ、、。
もう少し待ってさえいれば、パリスから迎えがくるというのに」
同じ疑問が自分にも向けられる。
もう少しでパリスに引き渡すのであれば、そのまま行かせるという選択肢もあったはずだった。
にもかかわらず、彼がとった行動は次のことであった。
真っ赤な鬼の形相で、罵声、怒号を浴びせかけた。
町の封鎖、大々的な検問等、彼の私兵以外に町の公務のものなど権力を乱用する。
使えるものは全て使って、逃げ出した少年の追跡、捕獲にあたらせたのだ。
「捕まえられなかったらおまえら連帯責任だ。この街の警察は何をしている!!傷などつけたら縛首だ!!」
なども自分は叫んでいなかったか?
実際に捕まえたのは、行動の先を読んだノアールだったけれど。
ノアールはふふっと、さも楽しげに笑った。
「リリアス君が逃げた理由がわからないのですか?
もしかしてご自分の行動の理由もわかっていないのではないですか?
私の王は」
「逃げたら捕まえたくなるものだろう?それ以外に理由などあるか」
むすっと赤毛の王子は言った。
25歳にもなって、私の王は本当の恋を知らないのかも。と思うとノアールは楽しいのだった。
バードは両手首を縛られて部屋に閉じ込められていた。
捕らえたものの処遇をどうすべきかはっきりしないようで、手荒な扱いはされていない。
大捕物ではあったが、誰も怪我人がでていない。
バードは、ムハンマド王子にさらわれて囲われていた自分の姫を救出しようとしたがあえなく失敗した恋人、のような位置付けがエディンバラではされているようだった。
夕食も普通に出されている。
出されたものはありがたくいただいておく。
なんにせよ、体力を充実させることは重要だ。
捕まってすぐに、ムハンマドはバードのところにやって来た。
「ようやく顔を拝見できて嬉しいよ。パリスのバード?」
「、、、はじめまして?」
バードはムハンマドが驚くほど疲れた顔をしていた。
「火を付けたのはおまえか?」
「違う。俺でもルージュではない。
彼はリリーを危険な目に合わせることはないよ」
そうか、という。
本当に聞きたいことは別のことなんじゃないか?とバードは思う。
「なぜに、リリアスが逃亡するのを助けた?
明日にもパリスから迎えが来るだろうに」
「そりゃあ、リリーが明日まで待てないといったからだろ?
ここから一刻も早く出ていたかったんだろ?王子さま。
俺はリリーをそのままにしておけなかったんだ。
彼女の願いをかなえてあげたいと思ったからだ」
「そうか、、」
バラモンの第六王子はひどく辛そうな顔をした。
「明日解放するからここでがまんしろ」
ムハンマドは部屋をでた。
リリアスは独り、部屋にいた。
目覚めた時と同じ部屋。
手荒なことはされていない。
連れ戻されて、閉じ込められただけだ。
ムハンマドは怒っていたが、部屋には入ってこない。
食事は届けられたが、食べる気にならない。
日も落ちたが、灯りもつける気力がわかない。
自分のおろかな行いで、バードが捕らわれたことにショックを受けていた。
バードが心配だった。
バードの声が聞こえない。
かなり離れたところに捕まっているようった。悲しくなり、自分の馬鹿さ加減に涙が出る。
「うっう、、」
嗚咽がもれた。
涙はいったん溢れだすと、勢いづいて後から後から止めどなく流れた。
泣くなんて何年ぶりだろうと思った。
ベットに突っ伏して嗚咽をこらえながら泣いていると、誰かが入ってきた気配がある。
少しの間の後、温かな手が頭をなぜた。
「、、、泣くな」
辛そうな声だった。
誰だかわからなかった。
涙でぐしゃぐしゃになった顔をあげると、それはムハンマドだった。
ムハンマドが持ってきてきた灯りが、ほの明るく二人を照らし、揺らめかせている。
彼だとわかると、ますます涙があふれでた。
ムハンマドはあきらかに動揺をしていた。
「砂漠では涙も貴重なのだから、泣くんじゃない。
涙は溢れさすのではなく、もう一度、目から取り込み、鼻から喉に流し込むものだ」
「、、、そんなことできるの、、」
思わず反応してしまう。
「昔はよくしたよ、、、。
今では泣き方を忘れてしまった」
ははっとムハンマドは悲しそうに笑った。
そして、彼には珍しく意を決したように言う。
「昨夜のあれがそんなに嫌だったのだな。すまなかった。
お前を無理にでも手元に置こうかと思っていたが、考え直した。
明日解放する。あの隠密も一緒だ」
「解放?!」
あれだけの捕物をして明日は解放されるのは仰天の結論だった。
「先程パリスから迎えの使者も来ているしな」
ルージュではないのか、という発せられない疑問に、ムハンマドは答える。
「王子さまは王都に帰らねばならなくなったようだ。
あちらの家も色々大変そうだからな。
そうそうお前につきっきりというわけにはいくまい?」
ムハンマドは赤茶の目をリリアスに向けた。
優しい目をしていた。
「涙も止まったな。そうやって突っ伏して泣いていると、本当にお姫さまのようだよ」
そう、僕はおんなの子でもあったんだ、とリリアスも思う。
女として愛されるのはどうなんだろう、というはじめての感情がリリアスの胸に産まれた瞬間だった。
灯りの油がもう終わる。
力を失い、細く、かすかにゆれている。
「明日のお別れには、私は立ち会わないから、いま別れのキスをしてよいか?」
リリアスが目を閉じて顔を寄せたので、おでこに、両まぶたに、両頬に、軽く触れあわせるようなキスをする。
彼らの紋様は、灯りより明るく浮かび上がり、混ざりあって別の複雑な紋様となる。
そして夢の泡がはじけるように霧散する。
幻想的で美しい。
現れる紋様を味わってから、ムハンマドは唇を寄せる。
その唇は少し開かれたリリアスの唇に重なった。
やわらかく甘くとろけるようなキスだった。
ムハンマドの両手がリリアスの髪を透かしあげ頭を包み引き寄せる。
リリアスの手が緊張しているムハンマドの胸に添えられる。
それは押し返すものではなく、温かさを確認するものだった。
その手はムハンマドの胸もとをはだけさせた。
「胸にも、、」
リリアスはムハンマドのムスクの香る胸に唇を押し付けた。
「ああ、、」
とムハンマドは苦し気に喘いだ。
リリアスをためらいながらも引き離す。
「止められなくなるから」
「ごめん、、」
リリアスは謝った。
自分がムハンマドにどうして欲しいのかわからなかった。
でも、彼と過ごしてわかったことがあった。
リリアスは言った。
「解放してくれてありがとう。
でも僕はパリスには帰らない」
ムハンマドは驚いた。
「なんだって」
「樹海の森の奥つ城で神官とパリス次期国王との約定は、輝石で充分釣り合っている。
僕は物ではなく、自由な人だ。
樹海にもパリスにも縛られることはない」
言葉には力が宿り、強制力が生じる。
リリアスはそういい放つと、自分でもその通りと信じられた。
呪術が解呪されていくようだ。
「それで、お前はこれからどうするんだ」
先程までムハンマドの胸を締め付けていた苦しみは、どこかに霧散し、変わりに熱い期待で胸が熱く膨らんでいた。
「僕は世界が見たい。冒険も愛も得たいんだ」
ははっとムハンマドは笑った。
「欲張りな子だな」
「教えてくれたのはあなただ」
ムハンマドはリリアスの鼻のてっぺんにキスをした。
「疲れただろう、もうおやすみ」
ムハンマドの言葉には、魔力が宿っているに違いないとリリアスは思う。
すぐに眠りに落ちたのだった。
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