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第2次欧州大戦
フッド轟沈
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第2次攻撃隊の出撃準備が完了したのは午後3時32分だった。
「これが今日最後の出撃となるだろうな」
デーニッツは呟きつつも飛び立っていく攻撃隊を見守った。
第2次攻撃隊は補用を使い第1次攻撃隊と全く同じのスツーカ急降下爆撃機119機、Bf109戦闘機110機を準備できた。
攻撃隊は距離70海里という航空戦にしては至近ともいえる距離を最大速度で飛行した。
そして第1次攻撃隊、潜水艦の攻撃で満身創痍となったイギリス戦艦群に攻撃を開始した。
各戦艦は激しく対空砲火を打ち上げたがそれで撃墜できたスツーカは20機にも満たなかった。
制空権のない艦隊がどれほど航空攻撃に非力かイギリス軍は思い知らされることになる。
スツーカはけたたましいサイレン音を響かせながら急降下してくる。
攻撃隊が真っ先に狙ったのはイギリス海軍の象徴でありサマヴィル艦隊の旗艦であるフッドだった。
フッドは高速戦艦であり魚雷を1本被雷しただけでまだまだ戦える状態にあった。
ただむごいことにフッドには27機のスツーカが群がったって来たのだ。
フッドの艦長は投下された爆弾の内、4発までは回避できた。
だがフッドは曲りなりにも戦艦だった。
一度舵を切ったフッドは巨艦ならでわの慣性が働き5発目からの爆弾を回避することが出来なかった。
9機のスツーカが爆弾を投下し終えた時、フッドは500㎏爆弾を4発喰らっていた。
フッドは艦歴が20年に差し掛かろうとしている老艦だった。
そのため航空機からの攻撃など想定していなかった。
6発目の爆弾が2番砲塔の弾薬庫に貫通。
その瞬間第2砲塔付近が隆起したかと思うと大爆発を起こした。
また他の爆弾も機関室や艦橋に損害を負わせておりフッドはその長い艦歴に幕を閉じた。
サマヴィル提督やリーチ参謀長は命からがらフッドを脱出していた。
フッドが轟沈したことで手持無沙汰になった18機のスツーカは他の隊と共に他の戦艦へ攻撃を行った。
他の戦艦に関しては撃沈まではもっていかなくて良かった。
フッドはイギリス海軍の象徴であり撃沈することはドイツのプロパガンダにも使える。
事実、数機のスツーカには映像記録用のカメラが搭載されていた。
だがたの戦艦の撃沈は戦術的な意味しかなく優先度が低かったのだ。
それに航空機で撃沈できなかったとしても損傷を負わせればデーニッツは潜水艦による夜間襲撃と戦艦による白昼の砲撃戦でしとめれると確信していた。
スツーカのサイレンが戦場を満たす。
まさにそれは地獄と形容しても何ら不思議がない情景だった。
第2次攻撃隊の攻撃で撃沈された戦艦はフッドだけだった。
だが他の戦艦は須らく中大破しており瀕死の状態だった。
そしてこの日は夜が来た。
群狼が襲い掛かってくる夜が。
「これが今日最後の出撃となるだろうな」
デーニッツは呟きつつも飛び立っていく攻撃隊を見守った。
第2次攻撃隊は補用を使い第1次攻撃隊と全く同じのスツーカ急降下爆撃機119機、Bf109戦闘機110機を準備できた。
攻撃隊は距離70海里という航空戦にしては至近ともいえる距離を最大速度で飛行した。
そして第1次攻撃隊、潜水艦の攻撃で満身創痍となったイギリス戦艦群に攻撃を開始した。
各戦艦は激しく対空砲火を打ち上げたがそれで撃墜できたスツーカは20機にも満たなかった。
制空権のない艦隊がどれほど航空攻撃に非力かイギリス軍は思い知らされることになる。
スツーカはけたたましいサイレン音を響かせながら急降下してくる。
攻撃隊が真っ先に狙ったのはイギリス海軍の象徴でありサマヴィル艦隊の旗艦であるフッドだった。
フッドは高速戦艦であり魚雷を1本被雷しただけでまだまだ戦える状態にあった。
ただむごいことにフッドには27機のスツーカが群がったって来たのだ。
フッドの艦長は投下された爆弾の内、4発までは回避できた。
だがフッドは曲りなりにも戦艦だった。
一度舵を切ったフッドは巨艦ならでわの慣性が働き5発目からの爆弾を回避することが出来なかった。
9機のスツーカが爆弾を投下し終えた時、フッドは500㎏爆弾を4発喰らっていた。
フッドは艦歴が20年に差し掛かろうとしている老艦だった。
そのため航空機からの攻撃など想定していなかった。
6発目の爆弾が2番砲塔の弾薬庫に貫通。
その瞬間第2砲塔付近が隆起したかと思うと大爆発を起こした。
また他の爆弾も機関室や艦橋に損害を負わせておりフッドはその長い艦歴に幕を閉じた。
サマヴィル提督やリーチ参謀長は命からがらフッドを脱出していた。
フッドが轟沈したことで手持無沙汰になった18機のスツーカは他の隊と共に他の戦艦へ攻撃を行った。
他の戦艦に関しては撃沈まではもっていかなくて良かった。
フッドはイギリス海軍の象徴であり撃沈することはドイツのプロパガンダにも使える。
事実、数機のスツーカには映像記録用のカメラが搭載されていた。
だがたの戦艦の撃沈は戦術的な意味しかなく優先度が低かったのだ。
それに航空機で撃沈できなかったとしても損傷を負わせればデーニッツは潜水艦による夜間襲撃と戦艦による白昼の砲撃戦でしとめれると確信していた。
スツーカのサイレンが戦場を満たす。
まさにそれは地獄と形容しても何ら不思議がない情景だった。
第2次攻撃隊の攻撃で撃沈された戦艦はフッドだけだった。
だが他の戦艦は須らく中大破しており瀕死の状態だった。
そしてこの日は夜が来た。
群狼が襲い掛かってくる夜が。
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