神速艦隊

第2次欧州大戦

ドイツ海軍機動部隊

地中海で日英艦隊がイタリアと戦闘を繰り広げている頃、大西洋でもイギリスとドイツの戦いが発生していた。
ただ大西洋での戦いについてはイギリスがドイツに劣勢だった。
その理由もやはり航空戦力であった。
ドイツは列強各国が戦艦を必死に量産している間に（日本は公式発表上）シャルンホルスト級２隻、ビスマルク級1隻、そしてグラーフ・ツェッペリン級空母を４隻を建造していた。
これはエーリヒ・レーダー提督の強い主張からだった。
レーダーはイギリス海軍とドイツ海軍の差を埋めるためポケット戦艦をはじめとする画期的な艦種を建造していた。
だがこのまま戦艦や巡洋艦数で上回るいわば正攻法ではイギリス海軍に勝てないとレーダーは考えていた。
そこで目を付けたのが空母であった。
レーダーは早速、ヒトラーにこのことを上申。
ヒトラーは海軍の事は専門外であったためレーダーに一任した。
だが空母建造にはそれ相応のノウハウが必要だった。
レーダーは塾講の末アメリカに協力を求めた。
アメリカはイギリスやその同盟国である日本と敵対関係であり敵の敵は味方ということでレーダーの要請を受けた。
そのためグラーフ・ツェッペリンはアメリカのヨークタウン級の模倣となった。


グラーフ・ツッぺリン級空母
基準排水量：20000トン
全長：251m
全幅：34m
兵装：5インチ単装砲6基、12.7㎜機銃36基
艦載機数：80機程度
最高速力：32ノット
航続距離：18ノットで12000海里


これをドイツは4隻建造した。
艦載機数もおおよそ80機を超えることができ、洋上航空戦力では300機を超える大兵力を有することになった。
またレーダーはカール・デーニッツとも協議し、潜水艦をもって敵艦隊を捜索しそれを航空隊が叩くという基本戦術を構築した。
ただデェーニッツは通商破壊の重要性も重ね重ね主張しておりレーダーもそれを認めていた。
そのため敵主力艦隊が出てこない場合は空母部隊も通商破壊作戦に投入することを決めていた。
そして4隻の空母はビスマルク級1隻、シャルンホルスト級2隻、アドミラル・ヒッパー級4隻以下補助艦21隻を率いて洋上に出撃した。
また艦載機については雷撃機は一切積まず、スツーカ急降下爆撃機とBf109戦闘機の改造型を1対2の割合で艦載した。
司令は潜水艦との連携を考えてカール・デーニッツが着任した。


ドイツ機動部隊の初陣はウェーザー演習作戦だった。
機動部隊は潜水艦の索敵網を活用しノルウェーを救援せんとするイギリス艦隊に対して航空攻撃を繰り返した。
その結果駆逐艦5隻を航空攻撃のみで巡洋戦艦レナウンとグローリアスを航空攻撃と潜水艦の共同で撃沈することに成功。
これにヒトラーは歓喜しデーニッツを上級大将に昇格させた。
ただデーニッツはそれに浮かれることなく職務を遂行していくことになる。