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第2次欧州大戦
イタリア艦隊との衝突
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メルセルケビールでの戦いを終え、日英艦隊は一度アレキサンドリアに寄港していた。
「そうか…艦爆が戦艦を沈めたか」
塩沢は江草の話を聞いて感慨深げに言った。
「はい。やはりこれからは航空機の時代です!」
江草の自信に満ちた声で言った。
「参謀長、どう思う」
大西はすぐに言った。
「江草の言う通りでしょう。ですが撃沈したのはあくまで停泊中の戦艦であり、攻撃隊はまともに対空砲火を受けていません。行動中の戦艦を撃沈できてこそ真に航空機の時代であると言えるでしょうな」
これに塩沢も頷いた。
「ともかくだ。海鷲達には今の内に羽を伸ばしていてもらおう。戦いはまだ続くからな」
「はっ!」
江草は敬礼して戦艦天城を後にした。
次の戦いは1週間もしないうちにやってきた。
「イタリア軍が船団護衛のために出撃したそうです」
「船団護衛?と言うことは駆逐艦などか?」
塩沢の質問に大西は答えた。
「戦艦4隻を含む有力な艦隊です」
船団護衛の任に就いていたのはコンテ・ディ・カブール級のコンテ・ディ・カブール、ジュリオ・チェーザレ、レオナルド・ダ・ヴィンチ、アンドレア・ドーリアの4隻ととザラ級のザラ、フィウメ、ゴリツィア、ポーラの4隻を主軸とする32隻の艦隊だった。
これを撃滅せんと日英艦隊はアレキサンドリアを出港した。
第3艦隊については編成に何ら変更は無いがイギリス艦隊についてはかなり変わっていた。
メルセルケビールでの攻撃を共に行ったイギリス艦隊はジブラルタルに寄港していたからだ。
これから行動を共にするイギリス艦隊は戦艦ウォースパイト、マレーヤ、ロイヤルサブリン、そして空母イーグルが主力であった。
何はともあれ両艦隊の衝突は避けられるものではなかった。
両艦隊は7月9日正午の時点で125㎞の距離にあった。
ここで日本海軍は航空隊を発進させた。
数は艦攻34機、艦爆29機、艦戦11機の74機だった。
これらに課せられた任務は戦艦への攻撃。
塩沢は江草に”全ての戦艦に何らかの損傷を負わせるように”と厳命していた。
艦攻、艦爆が合わせて63機もあれば1隻の戦艦ぐらいは撃沈できるかもしれないが結局砲撃戦となる。
なら撃沈できなくても砲塔を使用不能にしたり機関に何らかの損傷を負わせて速度を低下させてから砲撃戦に持ち込めばはるかに有利に戦えるのだ。
「全機、攻撃態勢に!」
江草自身も心を決める。
これから行動中の戦艦へ攻撃を始める。
重厚な対空砲火の中に飛び込むのだ。
メルセルケビールの時とはまるで違うのだ。
そうしている内の対空砲火が始まった。
「そうか…艦爆が戦艦を沈めたか」
塩沢は江草の話を聞いて感慨深げに言った。
「はい。やはりこれからは航空機の時代です!」
江草の自信に満ちた声で言った。
「参謀長、どう思う」
大西はすぐに言った。
「江草の言う通りでしょう。ですが撃沈したのはあくまで停泊中の戦艦であり、攻撃隊はまともに対空砲火を受けていません。行動中の戦艦を撃沈できてこそ真に航空機の時代であると言えるでしょうな」
これに塩沢も頷いた。
「ともかくだ。海鷲達には今の内に羽を伸ばしていてもらおう。戦いはまだ続くからな」
「はっ!」
江草は敬礼して戦艦天城を後にした。
次の戦いは1週間もしないうちにやってきた。
「イタリア軍が船団護衛のために出撃したそうです」
「船団護衛?と言うことは駆逐艦などか?」
塩沢の質問に大西は答えた。
「戦艦4隻を含む有力な艦隊です」
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これを撃滅せんと日英艦隊はアレキサンドリアを出港した。
第3艦隊については編成に何ら変更は無いがイギリス艦隊についてはかなり変わっていた。
メルセルケビールでの攻撃を共に行ったイギリス艦隊はジブラルタルに寄港していたからだ。
これから行動を共にするイギリス艦隊は戦艦ウォースパイト、マレーヤ、ロイヤルサブリン、そして空母イーグルが主力であった。
何はともあれ両艦隊の衝突は避けられるものではなかった。
両艦隊は7月9日正午の時点で125㎞の距離にあった。
ここで日本海軍は航空隊を発進させた。
数は艦攻34機、艦爆29機、艦戦11機の74機だった。
これらに課せられた任務は戦艦への攻撃。
塩沢は江草に”全ての戦艦に何らかの損傷を負わせるように”と厳命していた。
艦攻、艦爆が合わせて63機もあれば1隻の戦艦ぐらいは撃沈できるかもしれないが結局砲撃戦となる。
なら撃沈できなくても砲塔を使用不能にしたり機関に何らかの損傷を負わせて速度を低下させてから砲撃戦に持ち込めばはるかに有利に戦えるのだ。
「全機、攻撃態勢に!」
江草自身も心を決める。
これから行動中の戦艦へ攻撃を始める。
重厚な対空砲火の中に飛び込むのだ。
メルセルケビールの時とはまるで違うのだ。
そうしている内の対空砲火が始まった。
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