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第2次欧州大戦
第3艦隊の派遣
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「やはり始まってしまったか…」
堀は残念そうに息を吐く。
すでに日本もドイツに宣戦布告しており案の定イギリスから艦隊派遣の要請が来ていた。
だがそれは先の欧州大戦のようにイギリス本土への要請ではなく地中海だった。
地中海に位置するイタリアがこの戦争でドイツ側で参戦する可能性が高かった。
ヴェルサイユ条約での厳重な建艦規制を受けていたドイツよりも制限なく建艦を続けてたイタリアの方が脅威であるという考えの元イギリスは地中海に応援を要請したのだ。
第3艦隊が出撃準備を整えている頃、欧州ではポーランドが物の1か月で降伏してしまった。
ただそれ以降は特段戦闘と呼べるものはなくまやかし戦争が続くことになる。
「君に第3艦隊を預ける。頼むぞ」
軍令部の総長室で永野は塩沢にそう言った。
「はっ!」
すでに海軍大臣である米内光政からは塩沢の第3艦隊司令の人事に承諾をもらっており永野は最後の発破として塩沢を総長室に呼び出したのだ。
前任の及川古志郎中将は軍令部第2部部長に転出していた。
そしてそれに押し出された形で堀は軍令部総長の女房役である軍令部次長に就任した。
また山本は米内の元、海軍次官となっていた。
「必ずや皇国に勝利を届けて参ります」
塩沢は確固たる決意を露わにした。
第3艦隊は呉から大々的に出撃した。
呉では町を挙げて第3艦隊を送り出した。
そして政府は新聞各社にこのことを翌日の朝刊の1面に飾らせた。
第3艦隊の出撃と言うこと自体がドイツやイタリア、そして最大の仮想敵であるアメリカへのプロパガンダとなるのだ。
「参謀長、海鷲達はどうかね」
塩沢から問われた大西瀧次郎少将は満面の笑みで答える。
「戦える時を今か今かと待っております!」
大西自身が飛行機乗りであり母艦搭乗員と気心が通じていた。
「それは良いことだ。今日にも酒をもって奴らの元に出向くことにするか」
「中将が酒を飲みたいだけでは?」
塩沢はバツが悪そうな顔になった。
「そんなことは…ない」
1939年11月13日にはスエズ運河に差し掛かかった。
寄港予定はマルタ島のバレッタ港だった。
元々はフランスのマルセイユであったがイタリアが参戦した場合に攻撃にさらされる可能性があり変更された。
「地中海というのは良いところだな」
そう言うのは慧翔飛行地長である江草隆繁だった。
彼は飛行甲板で海をぼーっと見ていた。
まだ地中海は平和ではあるがいつここが戦場になるか分からない。
江草はそのことを心に留めつつ再び海を見つめた。
堀は残念そうに息を吐く。
すでに日本もドイツに宣戦布告しており案の定イギリスから艦隊派遣の要請が来ていた。
だがそれは先の欧州大戦のようにイギリス本土への要請ではなく地中海だった。
地中海に位置するイタリアがこの戦争でドイツ側で参戦する可能性が高かった。
ヴェルサイユ条約での厳重な建艦規制を受けていたドイツよりも制限なく建艦を続けてたイタリアの方が脅威であるという考えの元イギリスは地中海に応援を要請したのだ。
第3艦隊が出撃準備を整えている頃、欧州ではポーランドが物の1か月で降伏してしまった。
ただそれ以降は特段戦闘と呼べるものはなくまやかし戦争が続くことになる。
「君に第3艦隊を預ける。頼むぞ」
軍令部の総長室で永野は塩沢にそう言った。
「はっ!」
すでに海軍大臣である米内光政からは塩沢の第3艦隊司令の人事に承諾をもらっており永野は最後の発破として塩沢を総長室に呼び出したのだ。
前任の及川古志郎中将は軍令部第2部部長に転出していた。
そしてそれに押し出された形で堀は軍令部総長の女房役である軍令部次長に就任した。
また山本は米内の元、海軍次官となっていた。
「必ずや皇国に勝利を届けて参ります」
塩沢は確固たる決意を露わにした。
第3艦隊は呉から大々的に出撃した。
呉では町を挙げて第3艦隊を送り出した。
そして政府は新聞各社にこのことを翌日の朝刊の1面に飾らせた。
第3艦隊の出撃と言うこと自体がドイツやイタリア、そして最大の仮想敵であるアメリカへのプロパガンダとなるのだ。
「参謀長、海鷲達はどうかね」
塩沢から問われた大西瀧次郎少将は満面の笑みで答える。
「戦える時を今か今かと待っております!」
大西自身が飛行機乗りであり母艦搭乗員と気心が通じていた。
「それは良いことだ。今日にも酒をもって奴らの元に出向くことにするか」
「中将が酒を飲みたいだけでは?」
塩沢はバツが悪そうな顔になった。
「そんなことは…ない」
1939年11月13日にはスエズ運河に差し掛かかった。
寄港予定はマルタ島のバレッタ港だった。
元々はフランスのマルセイユであったがイタリアが参戦した場合に攻撃にさらされる可能性があり変更された。
「地中海というのは良いところだな」
そう言うのは慧翔飛行地長である江草隆繁だった。
彼は飛行甲板で海をぼーっと見ていた。
まだ地中海は平和ではあるがいつここが戦場になるか分からない。
江草はそのことを心に留めつつ再び海を見つめた。
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