神速艦隊

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中支事変

上海航空戦

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「一体国民党軍はどれだけいやがる!」
陸戦隊の兵士はそう毒づく。
無理もない。
この時、国民党軍は上海になんと3個師団4万人を投入していたのだ。
対する日本軍は僅か1000人だった。
またイギリス軍も500程度であり戦力差は25倍だった。
「左から敵!」
陸戦隊員は即座に銃撃を加える。
こうして陸上で死闘が繰り広げられている頃、空中でも戦いが始まろうとしていた。


「艦載機全機発進!」
塩沢は三笠の艦橋で命令を下す。
「艦載機全機発艦!」
それを塚原が復唱する。
すでに第1航空戦隊は上海沖100海里に到達していた。
また空母敷島、三笠の飛行甲板にはすでに八八式艦上戦闘機が合わせて30機が整然と並んでいた。
すぐに液冷エンジン特有の甲高い音を上げながらプロペラを回していく。
戦闘機隊隊長は赤松少佐だった。
そして次々と八八式戦闘機は甲板を蹴っていく。
「我が海軍航空隊の実力、見せてもらおうではないか」
塩沢は双眼鏡で30機の編隊を追いながら呟いた。


30機の編隊は堂々と上海上空に到達した。
「やつらの機影はまだ見えないか」
赤松は辺りを見回す。
奴らと言うのはもちろん国民党軍の航空機である。
『隊長!13番機が敵機を発見したと!』
赤松は即座に命令した。
「全機、攻撃開始!」


国民党軍の戦闘機はP26ピーシューターが42機だった。
この機体は7.7㎜機銃2挺を装備しており速度は400㎞前後だった。
上海航空戦はこの両者が激突することになる。


「終わった…のか?」
赤松は自分でも信じられなかった。
周りを飛んでいるのは日の丸が描かれた機体のみ。
数も26機と4機しか減っていなかった。
結果から言うと上海航空戦は日本海軍の圧勝に終わった。
八八式艦上戦闘機はその高速性能とこの時代にしては大口径の12.7㎜をもって国民党軍の戦闘機隊に攻撃を仕掛けた。
そして国民党軍の戦闘機は次々に火を噴いた。
だが八八式艦上戦闘機も被弾には弱く撃墜される機体も出た。
それでも速度と攻撃力で上回る八八式戦闘機を要する日本海軍に軍配が上がった。
国民党軍は14機を完全に喪失し他の戦闘機は撤退していった。
上海航空戦はわずか15分で終結した。


その後に遅ればせながらやってきた八七式艦上攻撃機が上海に展開していた国民党軍4万人に爆撃を行った。
これにより国民党軍は上海への攻撃を停止した。
そしてその2日後に日本軍1個師団が揚陸し防御態勢を執ったことで国民党軍の上海への攻撃はと頓挫することになった。
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