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新八八艦隊計画
ダニエズルプラン
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日本海軍が天城型巡洋戦艦や古鷹型大型巡洋艦、そして各種戦艦の空母への改装を推し進めていたころ、アメリカではダニエズルプラントそれに伍する6か年計画が開始されていた。
この計画ではダニエズルプランで戦艦を10隻、巡洋戦艦を6隻建造する計画であり、また6か年計画ではこれと同様の戦艦10隻、巡洋戦艦6隻を建造するため合計で32隻の戦艦を建造する予定だった。
また補助艦なども含めると総建造数は400隻を超えることになった。
これによりアメリカはイギリスを超える世界一の海軍大国となるのは必定であり、大戦の傷を完全に治し切れていないイギリスはこれに対抗しようにもできない状況であった。
そこで目を付けたのが日本だった。
日本とイギリスの間では同盟関係が続いており、また伏見宮が艦隊を率いてイギリス艦隊と共に戦ったことで両国の皇室関係はより強固なものとなっていた。
だが海軍に関しては日本海軍を脅威をみなしておりこれにはイギリス政府も頭を悩ませていた。
そんなさなかにアメリカが自国の艦隊を優に超える規模の建造計画を打ち出したのである。
イギリス政府はおろか海軍すらなりふり構っていられなくなったのだ。
「さすがに新型戦艦を建造した方が良いのではないか…?」
東郷は伏見宮に諮る。
だが伏見宮は断固とした声色で言った。
「戦艦はいずれ時代遅れになります。ここはこらえましょう。それにイギリスから技術供与の話もあります。これを最大限利用して我々の保有する戦艦を強化してアメリカに対抗しましょう」
東郷は頷いた。
この時点で日本海軍のいわゆる新・八八艦隊計画は完了していた。
新・八八艦隊計画
巡洋戦艦:天城、赤城、愛鷹、愛宕、生駒、葛城、筑波、伊吹
大型巡洋艦:古鷹、加古、青葉、衣笠、妙高、那智、足柄、羽黒
以下補助艦62隻
またこれに金剛型4隻、扶桑型2隻そして空母の敷島型4隻、薩摩型2隻、魁鷲、迅鷲を加えかなりの大所帯となっていた。
だが戦艦に関しては全てが36㎝砲かそれより小さく38㎝砲や41㎝砲を搭載するアメリカ戦艦にはかなり見劣りした。
ただ山本権兵衛が唱えていた高速艦隊はほぼ達成されておりこの点においては日本海軍がアメリカ海軍を上回っていた。
「当初の計画通りというところか」
山本は顔を綻ばせる。
山本はすでに戦艦の力の限界を感じていた。
戦艦は沿岸にしか攻撃できずまた命中精度も極端に悪い。
それに対して航空機は内陸にも攻撃できかなり正確に目標を破壊できる。
「さて、あとは後進に託そうか」
山本は静かに零した。
この計画ではダニエズルプランで戦艦を10隻、巡洋戦艦を6隻建造する計画であり、また6か年計画ではこれと同様の戦艦10隻、巡洋戦艦6隻を建造するため合計で32隻の戦艦を建造する予定だった。
また補助艦なども含めると総建造数は400隻を超えることになった。
これによりアメリカはイギリスを超える世界一の海軍大国となるのは必定であり、大戦の傷を完全に治し切れていないイギリスはこれに対抗しようにもできない状況であった。
そこで目を付けたのが日本だった。
日本とイギリスの間では同盟関係が続いており、また伏見宮が艦隊を率いてイギリス艦隊と共に戦ったことで両国の皇室関係はより強固なものとなっていた。
だが海軍に関しては日本海軍を脅威をみなしておりこれにはイギリス政府も頭を悩ませていた。
そんなさなかにアメリカが自国の艦隊を優に超える規模の建造計画を打ち出したのである。
イギリス政府はおろか海軍すらなりふり構っていられなくなったのだ。
「さすがに新型戦艦を建造した方が良いのではないか…?」
東郷は伏見宮に諮る。
だが伏見宮は断固とした声色で言った。
「戦艦はいずれ時代遅れになります。ここはこらえましょう。それにイギリスから技術供与の話もあります。これを最大限利用して我々の保有する戦艦を強化してアメリカに対抗しましょう」
東郷は頷いた。
この時点で日本海軍のいわゆる新・八八艦隊計画は完了していた。
新・八八艦隊計画
巡洋戦艦:天城、赤城、愛鷹、愛宕、生駒、葛城、筑波、伊吹
大型巡洋艦:古鷹、加古、青葉、衣笠、妙高、那智、足柄、羽黒
以下補助艦62隻
またこれに金剛型4隻、扶桑型2隻そして空母の敷島型4隻、薩摩型2隻、魁鷲、迅鷲を加えかなりの大所帯となっていた。
だが戦艦に関しては全てが36㎝砲かそれより小さく38㎝砲や41㎝砲を搭載するアメリカ戦艦にはかなり見劣りした。
ただ山本権兵衛が唱えていた高速艦隊はほぼ達成されておりこの点においては日本海軍がアメリカ海軍を上回っていた。
「当初の計画通りというところか」
山本は顔を綻ばせる。
山本はすでに戦艦の力の限界を感じていた。
戦艦は沿岸にしか攻撃できずまた命中精度も極端に悪い。
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山本は静かに零した。
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