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戦線膠着
秋の歌
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1943年6月5日。
ドイツ国防軍情報部のはBBC放送ニュースを真剣に聞いていた。
そしてそれが流れた。
『次は個人的なお便りです』
アナウンサーはそう前置きをしてから”秋の歌”が流れはじめた。
「ついにか…」
すでに情報部では”秋の歌”が放送されてから48時間以内に何かが起こるということが分かっていた。
この情報は西方軍集団や国防軍総司令部に伝達されすぐに沿岸部は臨戦態勢となった。
またドイツ空軍もJu87をはじめとする爆撃部隊やFw109をはじめとする戦闘機隊に出撃準備を命令していた。
そして6月6日、ノルマンディー地方で戦闘が始まった。
上陸艇が海岸に向かっていく。
何隻かは砲撃により海岸に到着するまでもなく撃沈されていた。
だが何とか彼の上陸艇は海岸に到着した
「止まるな!」
上官の言葉と共に上陸艇の扉が開けられすぐに機関銃の弾が飛び込んでくる。
前に居た6名の兵士が力なく倒れ、上官も即死した。
彼は咄嗟に海に飛び込み事なきを得たが地獄は終わっていない。
ともかく彼は走った。
海岸には遮蔽物がなく次々と味方の兵士が倒れ、破裂していった。
ようやく砲弾が作ったクレーターに身を隠せたときには同じ上陸艇の兵士はいなくなっていた。
「お前はアメリカ軍か。大変なとこに送り込まれたな」
隣にいたのはイギリス軍の兵士だった。
顔つきから熟練兵であることは容易に想像できた。
その時、サイレンが聞こえた。
彼にとっては何でもなかったがそのイギリス兵は違った。
明らかに狼狽している。
「伏せろ!あいつが来るぞ!」
そう言われて彼はすぐに伏せる。
その直後爆発が起きた。
顔を上げると周辺にいた兵士達だったものが散乱している。
思わず目を背けた。
「ダンケルクの時とはわけが違う!これでは犬死だ!」
明らかにイギリス兵は錯乱していた。
だがそれはすぐに終わることになる。
「戦車だ!」
誰かの声に周りは明るくなる。
味方の戦車が揚陸したのだと思ったからだ。
味方が吹き飛ばされるまで。
「ティーガーが接近!」
イギリス兵は逆に冷静さを取り戻した。
というよりかは諦めた。
そのティーガーはその8.8㎝砲をこちらに向ける。
逃げたとしても機関銃にハチの巣にされるだけだ。
そして彼の意識は衝撃と共に途切れた。
連合軍の上陸部隊に対し、ドイツ軍は陸空の飽和攻撃で応えた。
制空権は確保できているとは言えなかったがJu87は海岸への爆撃を敢行。
ダンケルクの雪辱を晴らすように次々と部隊を撃破していった。
そこに戦車が突入した。
連合軍が艦砲射撃を行おうとしても上陸部隊とドイツ軍が混戦状態になっていて味方兵士を巻き込む可能性だあった。
結果的に連合軍は多大な損害をいながら撤退した。
ドイツ国防軍情報部のはBBC放送ニュースを真剣に聞いていた。
そしてそれが流れた。
『次は個人的なお便りです』
アナウンサーはそう前置きをしてから”秋の歌”が流れはじめた。
「ついにか…」
すでに情報部では”秋の歌”が放送されてから48時間以内に何かが起こるということが分かっていた。
この情報は西方軍集団や国防軍総司令部に伝達されすぐに沿岸部は臨戦態勢となった。
またドイツ空軍もJu87をはじめとする爆撃部隊やFw109をはじめとする戦闘機隊に出撃準備を命令していた。
そして6月6日、ノルマンディー地方で戦闘が始まった。
上陸艇が海岸に向かっていく。
何隻かは砲撃により海岸に到着するまでもなく撃沈されていた。
だが何とか彼の上陸艇は海岸に到着した
「止まるな!」
上官の言葉と共に上陸艇の扉が開けられすぐに機関銃の弾が飛び込んでくる。
前に居た6名の兵士が力なく倒れ、上官も即死した。
彼は咄嗟に海に飛び込み事なきを得たが地獄は終わっていない。
ともかく彼は走った。
海岸には遮蔽物がなく次々と味方の兵士が倒れ、破裂していった。
ようやく砲弾が作ったクレーターに身を隠せたときには同じ上陸艇の兵士はいなくなっていた。
「お前はアメリカ軍か。大変なとこに送り込まれたな」
隣にいたのはイギリス軍の兵士だった。
顔つきから熟練兵であることは容易に想像できた。
その時、サイレンが聞こえた。
彼にとっては何でもなかったがそのイギリス兵は違った。
明らかに狼狽している。
「伏せろ!あいつが来るぞ!」
そう言われて彼はすぐに伏せる。
その直後爆発が起きた。
顔を上げると周辺にいた兵士達だったものが散乱している。
思わず目を背けた。
「ダンケルクの時とはわけが違う!これでは犬死だ!」
明らかにイギリス兵は錯乱していた。
だがそれはすぐに終わることになる。
「戦車だ!」
誰かの声に周りは明るくなる。
味方の戦車が揚陸したのだと思ったからだ。
味方が吹き飛ばされるまで。
「ティーガーが接近!」
イギリス兵は逆に冷静さを取り戻した。
というよりかは諦めた。
そのティーガーはその8.8㎝砲をこちらに向ける。
逃げたとしても機関銃にハチの巣にされるだけだ。
そして彼の意識は衝撃と共に途切れた。
連合軍の上陸部隊に対し、ドイツ軍は陸空の飽和攻撃で応えた。
制空権は確保できているとは言えなかったがJu87は海岸への爆撃を敢行。
ダンケルクの雪辱を晴らすように次々と部隊を撃破していった。
そこに戦車が突入した。
連合軍が艦砲射撃を行おうとしても上陸部隊とドイツ軍が混戦状態になっていて味方兵士を巻き込む可能性だあった。
結果的に連合軍は多大な損害をいながら撤退した。
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