連合艦隊司令長官、井上成美

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”明治の頭”からの脱却

”昭和の頭”への更新

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1938年4月1日。
この日に連合艦隊では大規模な人事異動がなされた。
異動は従来の縁故主義や年功序列ではなくその者の純粋な能力によって決まっていた。
ある部署では2年後輩の方が階級が上になったという事例もあったという。
この人事異動にもやはり反発はあったが、第2次上海事変を経て井上の艦隊内、ひいては海軍内の影響力が肥大化したこともあり鎧袖一触に切り捨てられた。
新聞各社はこの出来事を”井上粛清”と呼称した。


「これでまずは連合艦隊だけではあるが”昭和の頭”への更新は成功した。この流れが他の艦隊にも波及してくれればいいのだが…。」
井上は小沢に願望を言った。
「山本さんも動いてる。ちゃんと海軍全体がお前の望む”昭和の頭”になるさ。」
小沢の答えに安堵した。


小沢の言った通り山本も井上に倣った人事を発表。
多少の反発はあると予想されていたが、彼らは連合艦隊で何があったかを知っていた。
そのためかなり緩やかに人事異動がなされた。
これで海軍内は”明治の頭”からの脱却を完了し、”昭和の頭”への更新を達成したのだった。


井上は陸軍の東条英機と共に三菱の開発工場を訪れてていた。
「これが12試戦闘機か。」
東条がまず口を開く。
この12試戦闘機は1500馬力の火星一一型を搭載し時速500㎞の大台を超えた航空機だった。


12試戦闘機
時速:501㎞
武装:12.7㎜機銃2挺、7.7㎜機銃2挺
翼面荷重:121㎏/㎡
プロペラ:直径2.90m可変ピッチ3枚
航続距離:時速300㎞で1400㎞(増槽付きで1700㎞)
またこの戦闘機は燃料タンクをゴム膜で覆いそれに加え操縦席周辺に装甲版を追加。
これまでの軽戦至上主義に反抗する重戦闘機として開発された。


「これなら根元から折り畳められるかね?」
担当者の堀越次郎は即答する。
「要求を少し下げていただいたため、主翼の強化を行えました。ですので井上長官がおっしゃることは十分可能です。」
その返答に井上は満足し東条と話し合った結果、この12試戦闘機を陸軍では隼、海軍では98式戦闘機として採用が決まった。


東条が先に帰った後。井上は堀越を呼び止め立ち話をした。
「戦闘機に37㎜を搭載できないだろうか?」
堀越は最初こそ驚いた様子を見せたがすぐに考え始める。
「まずは20㎜を搭載し、それがまともに運用できるのかを見なければなりません。それに37㎜は戦闘機対戦闘機、はたまた戦闘機対単発爆撃機あいてでは過剰です。」
「なるほど。では、重爆を撃墜できる局地戦闘機として開発はできないだろうか。局地戦闘機なのだから航続距離は短くていい。」
「…それなら可能かもしれません。ですが、かなりのお時間をいただくことになります。」
それに井上は大きくうなずいて了承した。

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