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米軍の反撃
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第2航空群はすでに第2次攻撃隊の準備ができていた。
そこに日本の空母を潜水艦が撃沈したという報告が来た。
「よしっ!これをすぐに艦隊中に伝えろ!いい発破材だ!」
だが、ミッチャーはもう一つの報告は隠すことにした。
「まさか…第1航空群が壊滅するとはな…。どうしたものか。」
スプールアンス直属の艦隊が壊滅的打撃を受けたことはミッチャーにとってもかなりの衝撃だった。
それはつまり、稼働できる空母が日本軍よりも少なくなってしまったということだ。
これでは迂闊には動けない。
「司令、一つよろしいでしょうか?」
バークが地図を指さす。
潜水艦が敵艦隊を発見し攻撃した艦隊が、おそらく第1、3航空群の航空隊を跳ね除けた存在なのでしょう。
それに、彼らは空母を1隻失っており警戒も厳重でしょう。なので、我々が先ほど攻撃した艦隊を強襲するべきと考えます。」
ミッチャーにとって、それは意外な意見だった。
その敵艦隊の戦力が削れたのなら今こそ第1、2、3航空群が合同してその艦隊に攻撃を仕掛けるべきだ。
そうすれば確実に仕留められる。
だが、バークは続ける。
「この艦隊の空母はどうやら甲板に装甲が施されているようです。」
「なんだと!?」
「現に、第1、3航空群の爆撃隊が甲板に何発か命中させたようですが彼らは攻撃隊を第1航空群に差し向けてきた。それも10機などではなく100機規模の。これは敵の甲板は依然は使用可能な状況にあるということです。」
そうならば話は違ってくる。
つまり、この前方に進出してきている空母には爆弾が効かない。
雷撃しか有効な攻撃手段を我々は保持していない。
「そうならば、後方の敵艦隊に攻撃を仕掛けるのが妥当か?」
「そうなります。それに、前方の艦隊には信濃がいます。あの艦は雷撃も通用しにくいと思われるので。」
「目標は…先ほどと同じ艦隊か。」
カールは作戦目標を聞いて疑問に思った。
先ほどの攻撃で敵艦隊もかなり警戒しているに違いない。
なのに我々はもう1度攻撃を行おうとしている。
ほぼ奇襲だったあの攻撃でさえ空母を3隻ほど撃破しただけだった。
だが、今度は強襲になるだろう。
逆に前方に進出している艦隊は攻撃隊の収容などでかなり無防備なはずだ。
それなら前方の艦隊に攻撃した方が確実だと思うが…。
横にいたサザーランドがそのこ答えを言った。
「爆撃隊の連中は飛行甲板は確実に破壊したはずだと言っていました。でも、我々が撤退していく時に護衛に就いていた戦闘機が着艦しはじめたんです。もしかすると日本海軍は飛行甲板になにか特殊な細工を施しているのではないでしょうか?」
それなら、この命令の筋も通る。
ならば、遂行するだけだ。
そこに日本の空母を潜水艦が撃沈したという報告が来た。
「よしっ!これをすぐに艦隊中に伝えろ!いい発破材だ!」
だが、ミッチャーはもう一つの報告は隠すことにした。
「まさか…第1航空群が壊滅するとはな…。どうしたものか。」
スプールアンス直属の艦隊が壊滅的打撃を受けたことはミッチャーにとってもかなりの衝撃だった。
それはつまり、稼働できる空母が日本軍よりも少なくなってしまったということだ。
これでは迂闊には動けない。
「司令、一つよろしいでしょうか?」
バークが地図を指さす。
潜水艦が敵艦隊を発見し攻撃した艦隊が、おそらく第1、3航空群の航空隊を跳ね除けた存在なのでしょう。
それに、彼らは空母を1隻失っており警戒も厳重でしょう。なので、我々が先ほど攻撃した艦隊を強襲するべきと考えます。」
ミッチャーにとって、それは意外な意見だった。
その敵艦隊の戦力が削れたのなら今こそ第1、2、3航空群が合同してその艦隊に攻撃を仕掛けるべきだ。
そうすれば確実に仕留められる。
だが、バークは続ける。
「この艦隊の空母はどうやら甲板に装甲が施されているようです。」
「なんだと!?」
「現に、第1、3航空群の爆撃隊が甲板に何発か命中させたようですが彼らは攻撃隊を第1航空群に差し向けてきた。それも10機などではなく100機規模の。これは敵の甲板は依然は使用可能な状況にあるということです。」
そうならば話は違ってくる。
つまり、この前方に進出してきている空母には爆弾が効かない。
雷撃しか有効な攻撃手段を我々は保持していない。
「そうならば、後方の敵艦隊に攻撃を仕掛けるのが妥当か?」
「そうなります。それに、前方の艦隊には信濃がいます。あの艦は雷撃も通用しにくいと思われるので。」
「目標は…先ほどと同じ艦隊か。」
カールは作戦目標を聞いて疑問に思った。
先ほどの攻撃で敵艦隊もかなり警戒しているに違いない。
なのに我々はもう1度攻撃を行おうとしている。
ほぼ奇襲だったあの攻撃でさえ空母を3隻ほど撃破しただけだった。
だが、今度は強襲になるだろう。
逆に前方に進出している艦隊は攻撃隊の収容などでかなり無防備なはずだ。
それなら前方の艦隊に攻撃した方が確実だと思うが…。
横にいたサザーランドがそのこ答えを言った。
「爆撃隊の連中は飛行甲板は確実に破壊したはずだと言っていました。でも、我々が撤退していく時に護衛に就いていた戦闘機が着艦しはじめたんです。もしかすると日本海軍は飛行甲板になにか特殊な細工を施しているのではないでしょうか?」
それなら、この命令の筋も通る。
ならば、遂行するだけだ。
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