52 / 67
第2次攻撃用意
しおりを挟む
翔鶴を撃沈させた攻撃隊は、攻撃を行わず撤退した。
すでに攻撃隊は全弾打ち尽くしており、一部部隊は飛鷹や千歳、千代田にも攻撃していた。
もともと第2航空艦隊に対して他の航空群と飽和攻撃を行う予定だったのが思わずして他の艦隊を攻撃したのだ。
計画通りではない戦闘は少なからず現場に混乱を生じさせた。
結局、戦果は空母1隻、駆逐艦4隻を撃沈。
そして飛鷹と隼鷹は甲板に爆弾が命中した。
攻撃隊は戦爆連合60機を失ったが、日本の直掩隊も15機失った。
「飛鷹と隼鷹は駆逐艦5隻の護衛をつけてトラックまで退かせろ。あの艦たちはどちらも商戦改造空母だ。」
翔鶴から命からがら生還した草鹿が臨時で艦隊の指揮を執っていた。
あくまで角田に連絡がいくまでの事だが、それでもできることはやろうとしていた。
「第2航空艦隊の直掩につけていた戦闘隊はいかがいたしましょう?母艦が沈んだり着艦不能となると混乱するとおもいますが。」
草鹿はすでに決めていた。
「それについては翔鶴は第2航空艦隊の空母に着艦命令を出しておけ。飛鷹、隼鷹の航空隊はここの艦隊で割り振る。」
「…そうか。長官が戦死なされたか…。」
阿部は中曽根からの報告に悲しげな声色でつぶやいた。
「角田司令が臨時で長官の任を受け継ぐということです。それにともない、中将には第2航空艦隊の司令をやってくれと角田司令から伝令で届いています。」
「分かった。それでは、第2次攻撃の用意を開始しろと各空母に命令してくれ。今回も攻撃隊の比率は雷撃機、爆撃機7対3で編成してくれ。後方の艦隊にも要請しろ。」
なんとか敵の空襲を耐えきった。
飛行甲板には命中しても幸い、破壊されることはなかった。
だが、直掩隊は50機以上の損害をだした。
それでも、早く攻撃隊をだすことに越したことはない。
アメリカ軍の攻撃隊が撤退した20分後に我々の攻撃隊は帰還していた。
なので、うまくいけば離着艦している途中の空母を攻撃できるかもしれない。
離着艦している間が一番空母にとって最も危険な時間だ。
ミッドウェーでの事例がそのことを裏付けしている。
「1分でも再出撃させろ!」
搭乗員の疲労はもちろん承知していた。
だが、こんな機会が次にやってくるかは分からない。
阿部は心を鬼にした。
角田が南太平洋海戦で行ったように。
「今のところ、我々の損害は敵の損害よりはるかに小さい。だがこのままうまくいくとは考えていない。できるだけ敵を削れ。少々の消耗は目を瞑る。」
中曽根は今回は何も言わなかった。
これは決戦だ。
ここで全力を出さずにどこで出す?
これは艦隊の総意でもあった。
すでに攻撃隊は全弾打ち尽くしており、一部部隊は飛鷹や千歳、千代田にも攻撃していた。
もともと第2航空艦隊に対して他の航空群と飽和攻撃を行う予定だったのが思わずして他の艦隊を攻撃したのだ。
計画通りではない戦闘は少なからず現場に混乱を生じさせた。
結局、戦果は空母1隻、駆逐艦4隻を撃沈。
そして飛鷹と隼鷹は甲板に爆弾が命中した。
攻撃隊は戦爆連合60機を失ったが、日本の直掩隊も15機失った。
「飛鷹と隼鷹は駆逐艦5隻の護衛をつけてトラックまで退かせろ。あの艦たちはどちらも商戦改造空母だ。」
翔鶴から命からがら生還した草鹿が臨時で艦隊の指揮を執っていた。
あくまで角田に連絡がいくまでの事だが、それでもできることはやろうとしていた。
「第2航空艦隊の直掩につけていた戦闘隊はいかがいたしましょう?母艦が沈んだり着艦不能となると混乱するとおもいますが。」
草鹿はすでに決めていた。
「それについては翔鶴は第2航空艦隊の空母に着艦命令を出しておけ。飛鷹、隼鷹の航空隊はここの艦隊で割り振る。」
「…そうか。長官が戦死なされたか…。」
阿部は中曽根からの報告に悲しげな声色でつぶやいた。
「角田司令が臨時で長官の任を受け継ぐということです。それにともない、中将には第2航空艦隊の司令をやってくれと角田司令から伝令で届いています。」
「分かった。それでは、第2次攻撃の用意を開始しろと各空母に命令してくれ。今回も攻撃隊の比率は雷撃機、爆撃機7対3で編成してくれ。後方の艦隊にも要請しろ。」
なんとか敵の空襲を耐えきった。
飛行甲板には命中しても幸い、破壊されることはなかった。
だが、直掩隊は50機以上の損害をだした。
それでも、早く攻撃隊をだすことに越したことはない。
アメリカ軍の攻撃隊が撤退した20分後に我々の攻撃隊は帰還していた。
なので、うまくいけば離着艦している途中の空母を攻撃できるかもしれない。
離着艦している間が一番空母にとって最も危険な時間だ。
ミッドウェーでの事例がそのことを裏付けしている。
「1分でも再出撃させろ!」
搭乗員の疲労はもちろん承知していた。
だが、こんな機会が次にやってくるかは分からない。
阿部は心を鬼にした。
角田が南太平洋海戦で行ったように。
「今のところ、我々の損害は敵の損害よりはるかに小さい。だがこのままうまくいくとは考えていない。できるだけ敵を削れ。少々の消耗は目を瞑る。」
中曽根は今回は何も言わなかった。
これは決戦だ。
ここで全力を出さずにどこで出す?
これは艦隊の総意でもあった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
14
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる