信濃の大空

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予想外の攻撃

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「敵の第1陣が退いていきます!」
艦橋が安堵のため息で覆われる。
「第2陣もすぐに来る。気を緩めるな!」
阿部は気を引き締める。
そして第2陣が襲来する。
だが、小沢の提案は功を奏していた。
第2陣は襲来はするものの数は第1陣とさほど変わらなかった。
それでも十分な脅威ではあるが、もし第1陣に全力を出していたら第2陣が全く手つかずで艦隊に到達していただろう。
「敵を撃ち落としてやれ。」
ただそう命令した。


第2航空艦隊が米軍の攻撃隊と死闘を繰り広げている時、その後方では小沢が他方の情報をまとめていた草鹿に尋ねていた。。
「ミッドウェーはどうなっている?」
「現在、米軍守備隊の司令部を攻略中とのことです。予測ではあと2時間あれば攻略できるとのこと。」
ならばそろそろ長門達をこちらに戻しても問題ないだろう。
そして、第2航空戦隊はというと…。
小沢の心中を察したのか草鹿は第2航空艦隊の損害状況を報告し始める。
「第2航空艦隊は信濃が甲板に爆弾を2発命中させられましたが、依然として飛行甲板は使用できます。また、雲龍が魚雷を左舷に1発、大鳳は爆弾1発、右舷に1発の魚雷です。現在も敵の攻撃隊と戦闘中ではありますが、すでに大部分の攻撃隊は撤退しています。なんとか耐えたようです。」
これほど今の小沢にとってうれしい報告はなかった。
小沢は最低でも空母1隻、最悪の場合は空母3隻が失われると予測していた。
それ相応の覚悟もしていた。
全ては米空母は撃沈するためだ。
今のところ、米空母は4隻を撃沈ないし大破炎上している。
運が良ければ大破炎上している空母は沈んでくれるだろう。
なにも我々の魚雷で仕留めなくても、自沈処分されるだろう。
あの時の赤城のように。
その時だった。
「長官!大変です!」
慌てて指令室に入ってきた伝令兵は息を荒げながら言った。
「敵攻撃隊が接近しています!数は200です!」
指令室は驚愕に包まれた。
「迎撃隊は何機発進できる?!」
小沢は問いただす。
「各空母から総じて60機強は発艦可能です!すでに甲板では次々に発艦していっています!」
それを裏付けるように空には紫電改が舞い始めている。
「各艦、輪形陣を組め!」
小沢は、もし電探がなければと考えると内心恐怖していた。
だが、今はそんなことを考えている暇はない。
でんたんで発見できたとはいえ、数が数だ。
我々は第2航空艦隊のように飛行甲板を装甲化されていない。
甲板に1発食らえばその空母は戦闘力を喪失する。
ならば、被害を1艦に集中させるほかない!
「翔鶴!全速直進!我々が全ての攻撃を受け取める!」
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