信濃の大空

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上陸支援

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6月5日午前5時30分。
連合艦隊長官の小沢は第1、第3航空艦隊から陸用爆弾を装備した流星99機と紫電改78機を発艦させた。
目標はミッドウェー島の軍事基地だった。
陸軍の上陸部隊の支援のためだった。
一見4年前と同じような展開に見えるが、そんなことは決してなかった。


「第2航空艦隊、前進!敵艦隊が発見され次第、攻撃を開始する!」
小沢の強い言葉に先導されて、第2航空艦隊の空母4隻は20ノットで航行し始める。
小沢は非装甲空母艦隊を基地攻撃に出し後方に待機。
装甲空母艦隊は敵艦隊を発見するまで、もしくわ敵攻撃隊が襲来するまで航空隊は温存し、非装甲空母艦隊の前面に出て敵攻撃隊を引き付ける。
これが小沢が考えた作戦だった。
流石に、草鹿などからは反対の声が上がった。
だが、当の第2航空艦隊の角田、阿部、西田のそれぞれは乗り気だった。
実際に装甲空母の頑丈さは、ビアク沖海戦やトラック空襲で示されている。
それに、最新鋭の艦隊を多く含むことも説明すると草鹿も首を縦に振った。


「伊藤艦長、正午ごろから上陸作戦を開始するとのことです。」
伊藤は頷く。
戦艦「長門」「陸奥」を主力とする第3戦隊の任務は上陸部隊の直接支援だった。
空母は襲来するであろう米空母艦隊と決戦を行うために引き抜けず、かといって「大和」は艦隊防空に必要だった。
なのでその間を取って長門型を派遣した。


「敵機接近!」
その報告を受ける前に紫電改は敵戦闘機の方角へ突進していく。
旋回性能は多少は零戦に劣るが、それでも日本軍機らしく格闘戦には強かった。
それを裏付けるようにグラマンが次々と撃ち落とされている。
そして、空襲が行われる。
強襲のため対空砲火は激しかったが滑走路に800キロ爆弾を2発直撃させ1週間は再起不能になった。
その他には、沿岸要塞、砲撃陣地、レーダー施設などを攻撃した。
損害は紫電改23機、流星24機だった。
対してグラマンを35機を撃墜して初戦では勝利を収めた。


「まずは1勝か。」
小沢はただ呟く。
これで、上陸前に敵の防衛陣地の漸減を達成し幾分やりやすくなるだろう。
「あとは、米海軍が来るかですな。」
草鹿は空を見つめた。
「奴らは、おそらく来るだろう。」
これは勘ではあるものの、自国の領土が脅かされているのに怯えて真珠湾から出てこないなんてことはないだろう。
今考えてみたら、4年前は我々も東京に空襲を受けてつり出されたのかもしれない。
だが、我々は2度と同じ轍は踏まない。
そう誓って小沢は空を見据えた。
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