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因縁
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カールはサザーランドと他の1機と編隊を組んでいた。
眼下には200機ほどの攻撃隊がいた。
「…そろそろか。」
そう呟いた直後、先頭を飛んでいた機体が火を噴く。
「では、行くぞ!」
彼は機体を急降下させて攻撃隊に襲い掛かっていた零戦に銃弾を放つ。
爆発音とともにその零戦はぼろぼろになって散っていった。
「よし!」
これで1機目。
まだまだ!
勝利の余韻に浸るのもつかの間であり、彼は機体を引き上げて再び零戦の元へ向かう。
後ろをさっと振り返ると2機ともついてきていた。
それを確認するとカールは標準を定める。
「当たれ!」
そう言って引き金を力強く引く。
今度は、数発が当たっただけで致命傷には至っていなかった。
「くそ!しくじった!」
もう一度攻撃しようと反転しようとした時、無線が入った。
『任せてください!』
カールの機体を飛び越えサザーランドはコックピットに向けて銃撃した。
のコックピットがほのかに赤く染まった後、銃撃を受けた零戦はゆっくりと降下していった。
やるじゃねえか。
カールがそう思った時だった。
突然、3番機が爆発した。
着後に2機の零戦が急降下していった。
「サザーランド!ついてこい!あいつは放っておいたら駄目だ!」
『わっ分かりました!』
明らかに他の奴と動きが違う!
カールも急降下し、その2機を追った。
「中隊長!2機の敵機が追ってきます!」
坂井は機体を傾けて確認する。
あの…番号は…。
それはラバウルで笹井を落とした機体と同じ番号だった。
「…柳谷、先頭機は俺がやる。お前は2番機を頼んだ。」
『了解しました。』
坂井は操縦桿を左に倒し、反転する。
今の彼には他の機体などどうでも良かった。
あいつだけは、必ず!
操縦桿を握る力がどんどん強くなっていく。
カールはすぐに自分が標的にされたことが分かった。
サザーランドの方に行かなくて良かった。
ただただ彼はそう思った。
もし、サザーランドが標的にされていたらすぐに落とされていただろう。
そして、カールは自らを狙っている零戦に意識を向ける。
これは、笹井よりも化け物だな。
カールは久々に命の危険を感じた。
引き金を引いて銃弾を放つが当たったようには見えない。
「上かっ!」
カールは操縦桿を引く。
あともう少しで当たる!
どんどん頭に血が上ってくる。
『編隊長!駄目です!』
その無線が入った時、ちょうど坂井の零戦が失速し始めていた。
「捻りこみか!」
カールは機体を水平に戻す。
今度はこっちの番だ!
カールは降下していく零戦を追う。
馬力ではヘルキャットの方が零戦に勝る。
だが、これも当たらない。
そうしていると、ほかの零戦も横やりを入れ始めカールはあきらめた。
「サザーランド、諦めるぞ。」
サザーランドの方も柳谷と互角の戦いを演じていた。
『はっ!』
坂井は追いかけようとしたが、彼にもほかのヘルキャットが攻撃してきておりそれどころではなかった。
結局、因縁の決着はつかなかった。
だが、攻撃隊は日本艦隊を眼下に収めた。
攻撃隊長は全機に攻撃開始を命令した。
眼下には200機ほどの攻撃隊がいた。
「…そろそろか。」
そう呟いた直後、先頭を飛んでいた機体が火を噴く。
「では、行くぞ!」
彼は機体を急降下させて攻撃隊に襲い掛かっていた零戦に銃弾を放つ。
爆発音とともにその零戦はぼろぼろになって散っていった。
「よし!」
これで1機目。
まだまだ!
勝利の余韻に浸るのもつかの間であり、彼は機体を引き上げて再び零戦の元へ向かう。
後ろをさっと振り返ると2機ともついてきていた。
それを確認するとカールは標準を定める。
「当たれ!」
そう言って引き金を力強く引く。
今度は、数発が当たっただけで致命傷には至っていなかった。
「くそ!しくじった!」
もう一度攻撃しようと反転しようとした時、無線が入った。
『任せてください!』
カールの機体を飛び越えサザーランドはコックピットに向けて銃撃した。
のコックピットがほのかに赤く染まった後、銃撃を受けた零戦はゆっくりと降下していった。
やるじゃねえか。
カールがそう思った時だった。
突然、3番機が爆発した。
着後に2機の零戦が急降下していった。
「サザーランド!ついてこい!あいつは放っておいたら駄目だ!」
『わっ分かりました!』
明らかに他の奴と動きが違う!
カールも急降下し、その2機を追った。
「中隊長!2機の敵機が追ってきます!」
坂井は機体を傾けて確認する。
あの…番号は…。
それはラバウルで笹井を落とした機体と同じ番号だった。
「…柳谷、先頭機は俺がやる。お前は2番機を頼んだ。」
『了解しました。』
坂井は操縦桿を左に倒し、反転する。
今の彼には他の機体などどうでも良かった。
あいつだけは、必ず!
操縦桿を握る力がどんどん強くなっていく。
カールはすぐに自分が標的にされたことが分かった。
サザーランドの方に行かなくて良かった。
ただただ彼はそう思った。
もし、サザーランドが標的にされていたらすぐに落とされていただろう。
そして、カールは自らを狙っている零戦に意識を向ける。
これは、笹井よりも化け物だな。
カールは久々に命の危険を感じた。
引き金を引いて銃弾を放つが当たったようには見えない。
「上かっ!」
カールは操縦桿を引く。
あともう少しで当たる!
どんどん頭に血が上ってくる。
『編隊長!駄目です!』
その無線が入った時、ちょうど坂井の零戦が失速し始めていた。
「捻りこみか!」
カールは機体を水平に戻す。
今度はこっちの番だ!
カールは降下していく零戦を追う。
馬力ではヘルキャットの方が零戦に勝る。
だが、これも当たらない。
そうしていると、ほかの零戦も横やりを入れ始めカールはあきらめた。
「サザーランド、諦めるぞ。」
サザーランドの方も柳谷と互角の戦いを演じていた。
『はっ!』
坂井は追いかけようとしたが、彼にもほかのヘルキャットが攻撃してきておりそれどころではなかった。
結局、因縁の決着はつかなかった。
だが、攻撃隊は日本艦隊を眼下に収めた。
攻撃隊長は全機に攻撃開始を命令した。
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