信濃の大空

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あ号作戦発動

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6月15日。
ついに米軍60000人がその護衛の第58任務部隊を伴ってサイパン島への上陸を開始。
これをもって豊田連合艦隊司令長官はあ号作戦の発動を下令。
各機動部隊も港から続々と出港し合流。
その過程で、駆逐艦『白露』と油槽艦『清洋丸』が衝突事故を起こし『白露』が沈没した。
一方米軍側も潜水艦により日本艦隊が出撃したことは察知していたもののその後見失っていた。


「ついに来たか。」
小沢は一航戦旗艦『瑞鶴』の指令室でそう物憂げに言った。
「サイパン島に上陸してきたのは60000だそうです。対して我々の戦力は30000弱です。」
横で地図を指さしながら角田が補足する。
「陸戦は小畑中将と南雲中将に任せましょう。私も少し入れ知恵しましたから少しは持ちます。我々はその間に敵機動部隊の殲滅に全力を傾けましょう。」
そう言った阿部は覚悟の決まった顔だった。
「作戦に関しては、再三確認した。なので本当は私からは何も言うことはないのだが1つだけ。」
小沢が二人の顔を見ながら言う。
「必ず、敵空母を叩け。」
「「はっ!」」
そう言って阿部と角田は敬礼すると各々の乗艦に戻っていった。


サイパン島。
そこは平時なら美しい海と豊かな緑が映える旅行にうってつけの島だった。
だが今は海には多数の艦艇が浮かび、森には航空機が毎日何機も落ちていった。
南雲はそんな風景を洞窟の隙間から眺めながら作戦指揮にあたっていた。
「航空隊は、なかなかやってくれているな。」
そう言って日の丸の航空機が星の航空機を落としているのを見ていた。
「なんたって、戦争初期から生き残り続けた者やラバウルで戦果を挙げたものなど化け物が紛れていますからね。」
資料片手に辻村武久少将はそう答える。
「…ミッドウェーからの生き残りもいるということか。」
南雲は少し暗い顔になった。
「いつまで引きずっているんですか。あの頃の帝国海軍はどこか油断していました。あの戦いは負けるべくして負けたのです。お気にやむものではないといってるではありませんか。」
辻村はうんざりしたように言う。
「分かっているのだが…やはり簡単には割り切れん。」
「まぁ、今は目前の事態をどう対処するかですね。」
辻村は南雲とは違い海辺を見た。
「敵ながら壮観だな。」
南雲も海辺に視線を落とした。
「もし、東條首相の命令通りの水際防衛を実行していたらすぐに壊滅していたでしょうね。」
「まったくだ。阿部が意見してくれなければと思うと悪寒がする。」
サイパン島の日本軍はジャングルや山間部にこもっての持久戦が展開。
夜になると日本兵が陣地から飛び出て米軍兵士に白兵戦を強要。
前線兵士の士気はみるみるうちに削れていった。
そして、ついに6月19日に戦線は完全膠着した。
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