空母鳳炎奮戦記

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第1航空艦隊

z作戦

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1943年12月9日。
鳳炎を旗艦とする第1航空艦隊はトラックに在泊していた。
すでに日本に存在するすべての空母がここに集結していた。
「まさに、決戦だな。」
山口はトラックに所せましと居並ぶ艦艇を眺めながら言った。


「これより、z作戦の説明を行う。」
連合艦隊旗艦武蔵の艦橋で連合艦隊司令長官の山本五十六が口を開く。
「すでに伝達されていると思うが今一度彼我の戦力を確認しておく。」
山本は頷くと連合艦隊航空参謀の樋端が話はじめた。
「我々の空母戦力は鳳炎型空母2隻、翔鶴型空母2隻、扶桑型4隻、飛鷹型2隻、蒼鷹型8隻、瑞鷹型1隻、祥鳳型2隻、龍驤型1隻となっており、艦隊直掩に大鷹型護衛空母8隻が当たります。それに対して米軍は、エセックス級空母12隻、インデペンデンス級軽空母8隻、カサブランカ級護衛空母20隻です。」
空気がかなり重たくなる。
「我々は母艦航空隊だけでは到底かないません。ですが、南洋には開戦後から基地航空隊が存在します。これと連携して敵艦隊を撃滅するというのがz作戦の概要です。」


艦隊司令官などが会議に参加する中、阿部は鳳炎の甲板で飛行隊長である笹井と話していた。
「近々、我々は決戦に赴くことになるだろう。勝てるだろうか。」
阿部はいつになく弱気だった。
「艦長、それはないですよ。我々を信じてください。」
笹井は言う。
その時阿部が笹井の手を取った。
「絶対に生きて帰ってこい!」
少しの沈黙の後笹井は答えた。
「もとから死ぬつもりなどありませんよ。」
笹井は夕日を背にしていたため阿部には彼の表情が分からなかった。


「長官、あと1時間ほどで日が落ちます。」
ムーアの報告に第58任務部隊司令のスプールアンスは命令を下す。
「全艦、夜間といども対空警戒をおこたるな。」
ダッチハーバーで日本海軍の主力空母を撃沈した男の発した言葉は、重みが違った。
すでに日本海軍は自分たちを捕捉している。
その意識をスプールアンスは艦隊全域に徹底させようとしていた。
あまりにも順調すぎるからだ。
マーシャル海域は日本にとって裏庭同然であり偵察機の1機や2機が接触してきてもおかしくなかった。
だが、これまでにそう言った報告はされていない。
「何を企んでいる…。」
スプールアンスは零す。
ダッチハーバーの時とは打って変わったその薄気味悪い静けさを前に、スプールアンスは心のどこかで恐怖を覚えていた。
それでも艦隊は前へ前へと進んでいく。
これは任務であり気味が悪いからと引き返すわけには行かなかった。
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