空母鳳炎奮戦記

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第3航空艦隊

援護は空から

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「第1砲塔被弾!」
すでに火災が発生している。
「なんとしてでも誘爆は防げ!」
幸いにも他の場所は無事だった。
「前門装填完了!」
「撃てっ!」
小沢の声はいつにもまして大きかった。


「敵弾来ます!」
報告にパッカーは不敵な笑みを浮かべる。
「当たらんさ。」
突如としてリベンジは左に傾き転舵した。
実はパッカーは砲撃後すぐに舵を切っていた。
巨艦であるために慣性が働き、ここに来てやっと舵が効いたのだ。
そして砲弾はリベンジからかなり離れた場所に着弾する。
「第3斉射、打方始め!」
パッカーは自信に満ち溢れた声で命じた。


「全弾外れただと!?」
小沢は俄かには信じられなかった。
2射目で命中弾を与えたのにも関わらず3射は外れたのだ。
ここで小沢を衝撃が襲う。
「被害報告!」
「後部艦橋、第3砲塔が被弾!また速力が20ノットに低下しています!」
草鹿の鬼気迫る顔がさらに事の申告さを伝えてくる。
榛名の周辺は火災により明るかった。
東洋艦隊にと手は格好の的だ。
小沢は難しい選択に迫られていた。
このまま榛名を囮としつつ霧島が敵艦隊に砲撃するか、撤退するか。
前者だと敵戦艦を1隻は撃破できるかもしれないが、榛名は撃沈されるだろう。
そして後者は敵戦艦を撃破できない代わりに榛名の生存確率を高められる。
そう、高められるだけなのだ。
小沢はしばしの沈黙の後、口を開く。
「全艦、そのまま前進しつづ…。」
だが、命令が最後まで発せられることはなかった。
草鹿の声が被ったからだ。
「鳳炎より入電!”我ガ方ノ攻撃隊、ソチラ二到着セリ”」
レーダーが30機程度の機影を捉えたのはその時だった。


攻撃隊にとって榛名の火災は良い目印だった。
この時の天候は曇天で飛行隊はその雲の上を飛んでいた。
雲の中に少し赤い領域が現れたとき、これは榛名の火災であると断定しそこから少し離れたところから雲の下に降下したのだ。
「艦爆隊は2隻の砲塔を優先的に、艦攻隊は先頭艦に攻撃を集中させろ!風翔隊は俺に続け!」
臨時的に攻撃隊の総指揮官となっていた笹井が命令するとすぐさま行動に移る。


「敵機接近!」
「対空戦闘始め!」
パッカーの命令にも関わらず対空砲火はなかなか始まらない。
夜間なのだからまともな照準もつけられないのだ。
対して攻撃隊からははっきりと見えた。
そのため、かなり正確に照準を行うことができ艦爆隊の命中率は80%に及んだ。
つまり8発の徹甲弾が戦艦2隻に命中したことになる。
リベンジの第2、第3砲塔が、レゾリューションの第1砲塔がそれぞれ使用不可となった。
この間、東洋艦隊は攻撃隊を回避するのに全力を注いでいたため日本海軍に立て直しの時間を与えていた。


「中将!これ以上は無理です!撤退を!」
参謀の言葉にパッカーも頷く。
その時、1機の風翔が艦橋に30㎜を撃ち込んだ。
その銃弾は運悪くガラスを突き破りパッカーの近くで爆発した。


風翔隊は攻撃隊支援のため、2隻の対空砲に銃撃を仕掛けていた。
30㎜の破壊力は絶大で対空火器はほぼ沈黙した。
そこに満を持して雷撃隊が突入する。
左舷から5機、右舷からも5機が魚雷を投下する。
リベンジの速力は13ノットまで低下しておりすべてを避けきることはできなかった。
左舷に3発、右舷に4発の魚雷が命中しリベンジは海中に没した。


リベンジが撃沈された後、東洋艦隊は撤退を開始。
だがレゾリューションも17ノットまで速力が低下していて日本艦隊から逃げ切ることは不可能だった。
結果的にレゾリューションは日本艦隊に降伏した。
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