空母鳳炎奮戦記

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第3航空艦隊

マドラス上陸支援

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1943年2月9日。
洋上での脅威が限りなく低下したと判断した大本営は大陸での攻撃作戦の立案を命令した。
支那戦線では1号作戦、インド戦線ではウ号作戦が立案され2月24日に両戦線で大攻勢が開始された。


鳳炎は東洋艦隊の脅威が消え去ったインド洋を輸送船を伴いながら悠々と航海していた。
「そろそろ航空隊を出撃させる時間か。」
「そうなります。そして出撃させたと同時に我が艦と他の3隻は艦隊を分離します。」
順次航空隊が出撃していくのを見守りながら、小沢と草鹿は今後の予定を確認する。
「第5航空艦隊はどうだ?」
第5航空艦隊は扶桑型空母が構成する艦隊だった。
護衛戦力は大和型3番艦の代わりとして建造された肥前、肥後と重巡高雄、羽黒だった。
肥前型は全長は242mで全幅は31m。
金剛型をベースとしつつもより強力な砲火力を追い求め、主砲は50口径41㎝連装砲4基。
また対空火力の充実を図るため、40口径15㎝両用連装砲を艦橋近くに3機づつ設置していた。
「それに関してはすでにカルカッタに対して攻撃を行っています。」
「そうか。我々も急がねばな。」


マドラスには事前に要塞線が構築されていた。
東洋艦隊が壊滅したことでインドへの上陸が現実を帯びていたからだ。
だが、その要塞線は簡易的なトーチカや塹壕などでしかなかった。
「砲撃開始!」
榛名の艦長の号令を皮切りに他の艦も砲撃を開始する。
すでに制空権は母艦航空隊の活躍で確保していたため観測機は正確に弾着修正を行えた。
そして30分後に砲撃が停止し第6混成旅団が上陸を開始する。
この第6混成旅団は日本ではかなり珍しい装甲化された部隊だった。
そのため機関銃などでは歯が立たず現地守備隊は撤退した。


3月12日。
第3航空艦隊は陸軍航空隊がマドラス周辺に配備されるまで第6混成旅団を支援し続けた。
そのかいあって第6混成旅団は順調に進撃していった。
このころには増援の部隊は続々と南インド戦線やカルカッタ戦線に到着し始めており、総勢50万の大軍を前にインドの趨勢はほぼ決していた。


鳳炎をはじめとする第3航空艦隊はマドラスに停泊していた。
「インドが降伏したか。」
それは4月21日の出来事であった。
「支那戦線でも成都での戦いに勝利し民国政府と講和に成功したそうです。」
これで大陸での戦闘は一段落つくだろう。
あとは、アメリカだけだ。
小沢は一人思う。
その時だった。
阿部が慌てた様子で指令室に入ってくる。
「英艦隊が…英艦隊がすぐそこまで来ています!」
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