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南洋艦隊
ガダルカナル飛行場
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「さて、どのようにして占領するかだな。」
ガダルカナル島は淡路島ほどの大きさだ。
それを500人で占領はできない。
そこに航空基地を建設するのならなおさらだ。
「陸軍からは大隊までなら派兵は可能ということです。」
「…やはり陸戦隊も少しは出さねばならんか。」
建設された航空基地は陸海共同で運用することが決まっていた。
そのため、やはりどちらからも派兵する方が道理に適っていた。
ガダルカナル島には守備隊などいなかった。
ジャングルがただうっそうと生い茂るだけの島よりも、マレーやボルネオなどの重要地点を守る方が優先だった。
真っ先に掘っ立て小屋を造る。
これが作業員や守備隊の宿舎になるのだ。
南洋ではいかに衛生状態を保てるかで部隊の能力はかなり変わるのだ。
その掘っ立て小屋の1つを仮の指揮所にし現地を視察しに来た井上を迎えた。
「飛行場はどのくらいでできそうだ?」
井上の問いに現場の監督は考え込む。
「まず、木々を伐採してからの作業になります。それに陸攻隊に進出も計画されていて、最低でも滑走路は3本は必要です。それを勘案すると1か月ほどはかかるかと。」
「1か月か…了解した。それまでは我々が周辺の監視を行う。君達は作業に集中してくれ。」
「はい。できるだけ早く終わらせます。」
「ガダルカナルを日本軍が占領しただと?」
ニミッツにとってその報告は寝耳に水だった。
「まだ、確証は持てませんが日本の輸送船団がガダルカナルあたりで急に消えています。おそらくは飛行場を建設しているのかと。」
レイトン情報参謀は自信をもって答える。
「となると…やつらは将来的にポートモレスビーの攻略を考えているのか。」
もし、ポートモレスビーが陥落すれば日本海軍の潜水艦による通商破壊が始まるだろう。
そうなると、オーストラリアが連合国を離反しかねない。
オーストラリアが離反すれば、一気に南洋での形勢は日本側に傾くことになる。
「…一度重巡で砲撃を仕掛けてみるか。」
戦艦はハワイで壊滅し、空母は温存しておきたい。
かといって軽巡以下の艦艇を向かわせてもあまり効果はないかもしれない。
だから重巡になった。
「日本海軍の航空隊が現れた場合はどういたしましょう?」
「陸軍に要請してP‐39を20機ほど送ってもらおう。日本軍も常に上空に戦闘機を張り付かせているわけではないだろう。」
ガダルカナル島砲撃の任務部隊に選ばれたのはスプールアンス率いる第5巡洋戦隊だった。
この部隊は4隻に重巡からなっており打撃力は十分だった。
そして2月3日。
「全艦出撃!」
スプールアンスの号令に連動して総勢14隻の艦隊が復興途上の真珠湾を出港した。
ガダルカナル島は淡路島ほどの大きさだ。
それを500人で占領はできない。
そこに航空基地を建設するのならなおさらだ。
「陸軍からは大隊までなら派兵は可能ということです。」
「…やはり陸戦隊も少しは出さねばならんか。」
建設された航空基地は陸海共同で運用することが決まっていた。
そのため、やはりどちらからも派兵する方が道理に適っていた。
ガダルカナル島には守備隊などいなかった。
ジャングルがただうっそうと生い茂るだけの島よりも、マレーやボルネオなどの重要地点を守る方が優先だった。
真っ先に掘っ立て小屋を造る。
これが作業員や守備隊の宿舎になるのだ。
南洋ではいかに衛生状態を保てるかで部隊の能力はかなり変わるのだ。
その掘っ立て小屋の1つを仮の指揮所にし現地を視察しに来た井上を迎えた。
「飛行場はどのくらいでできそうだ?」
井上の問いに現場の監督は考え込む。
「まず、木々を伐採してからの作業になります。それに陸攻隊に進出も計画されていて、最低でも滑走路は3本は必要です。それを勘案すると1か月ほどはかかるかと。」
「1か月か…了解した。それまでは我々が周辺の監視を行う。君達は作業に集中してくれ。」
「はい。できるだけ早く終わらせます。」
「ガダルカナルを日本軍が占領しただと?」
ニミッツにとってその報告は寝耳に水だった。
「まだ、確証は持てませんが日本の輸送船団がガダルカナルあたりで急に消えています。おそらくは飛行場を建設しているのかと。」
レイトン情報参謀は自信をもって答える。
「となると…やつらは将来的にポートモレスビーの攻略を考えているのか。」
もし、ポートモレスビーが陥落すれば日本海軍の潜水艦による通商破壊が始まるだろう。
そうなると、オーストラリアが連合国を離反しかねない。
オーストラリアが離反すれば、一気に南洋での形勢は日本側に傾くことになる。
「…一度重巡で砲撃を仕掛けてみるか。」
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かといって軽巡以下の艦艇を向かわせてもあまり効果はないかもしれない。
だから重巡になった。
「日本海軍の航空隊が現れた場合はどういたしましょう?」
「陸軍に要請してP‐39を20機ほど送ってもらおう。日本軍も常に上空に戦闘機を張り付かせているわけではないだろう。」
ガダルカナル島砲撃の任務部隊に選ばれたのはスプールアンス率いる第5巡洋戦隊だった。
この部隊は4隻に重巡からなっており打撃力は十分だった。
そして2月3日。
「全艦出撃!」
スプールアンスの号令に連動して総勢14隻の艦隊が復興途上の真珠湾を出港した。
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