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孤立
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米国は局所的な反抗を開始していたものの、日本艦隊が監視する南洋、ハワイ方面は確実な戦力ができるまでは膠着状態を保っていた。
そしてそこに山本は南洋に潜水艦隊を派遣。
オーストラリアを連合国から孤立させるためだった。
すでにオーストラリア海軍はポートモレスビー攻略戦の最中、航空隊により壊滅させられており潜水艦を追い払うには連合国海軍の力に頼るしかなかった。
だが、その頼みの綱はサンフランシスコで訓練していた。
この時、すでにジョーン・カティーン首相は離反に傾いていた。
「もし、米英が我々を支援する気がなければ我々もそれ相応の措置をとる!」
カティーンは前に座る老将に言い詰める。
「無論、支援は約束しよう。だがそれは海軍が完全な状態で攻撃が可能になるまでは少ない。」
「ではアメリカ海軍の状態が整うのはいつだ!」
「おそらく、来年の4月だろう。」
「4月だと!?半年もあるではないか!」
「我々は日本軍が直接オーストラリアに上陸することはないと断定している。なので半年は待っていただきたい。」
「…わかった。」
その時、部屋に伝令兵が駆け込んで来た。
「首相!大変です!」
「どうした?」
「日本軍が…。」
日本海軍シドニー攻略部隊は戦艦2隻、超甲巡5隻が参加した。
連合軍の兵力は支援がないため弱体であり、日本軍の鉄の攻撃に耐えられなかった。
「はぁ…はぁ…。」
オーストラリアのある兵士は命からがらシドニー郊外に撤退していた。
部隊は壊滅しており、抵抗能力はなかった。
するとキャタピラの音が聞こえる。
「救援が…来たのか?」
彼は歓喜して音のする方向に走った。
「伏せろ!」
突然後ろから日本語で命令され、体を引っ張られた。
戦車が見える。
それは連合軍の戦車ではなかった。
「まだ連合軍が残っていたとはな。」
そうして彼は捕虜となった。
カティーンは腹を決めていた。
「日本に講和を要請しろ。」
すでにマッカーサーは本土に逃げ帰っていた。
カティーンは見捨てられたと認識した。
その後、日本とオーストラリアの間で講和が行われた。
これによりオーストラリアは第二次世界大戦から離脱した。
そして日本軍は次の標的をニュージーランドに定めた。
ニュージーランドも日本の海上封鎖により支援は届いていなかった。
作戦はすぐに実施され、南島にニュージーランド国軍の2倍の兵力に当たる兵力を目の当たりにした首脳部は日本に対して講和要請をだし、ニュージーランドも戦争から離脱した。
作戦開始から3か月が経った1月に山本は作戦の終了を宣言。
残る太平洋の敵は米国だけとなった。
海軍は最後の準備を進めていた。
この戦争の趨勢を左右する最大の戦いに向けて。
そしてそこに山本は南洋に潜水艦隊を派遣。
オーストラリアを連合国から孤立させるためだった。
すでにオーストラリア海軍はポートモレスビー攻略戦の最中、航空隊により壊滅させられており潜水艦を追い払うには連合国海軍の力に頼るしかなかった。
だが、その頼みの綱はサンフランシスコで訓練していた。
この時、すでにジョーン・カティーン首相は離反に傾いていた。
「もし、米英が我々を支援する気がなければ我々もそれ相応の措置をとる!」
カティーンは前に座る老将に言い詰める。
「無論、支援は約束しよう。だがそれは海軍が完全な状態で攻撃が可能になるまでは少ない。」
「ではアメリカ海軍の状態が整うのはいつだ!」
「おそらく、来年の4月だろう。」
「4月だと!?半年もあるではないか!」
「我々は日本軍が直接オーストラリアに上陸することはないと断定している。なので半年は待っていただきたい。」
「…わかった。」
その時、部屋に伝令兵が駆け込んで来た。
「首相!大変です!」
「どうした?」
「日本軍が…。」
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連合軍の兵力は支援がないため弱体であり、日本軍の鉄の攻撃に耐えられなかった。
「はぁ…はぁ…。」
オーストラリアのある兵士は命からがらシドニー郊外に撤退していた。
部隊は壊滅しており、抵抗能力はなかった。
するとキャタピラの音が聞こえる。
「救援が…来たのか?」
彼は歓喜して音のする方向に走った。
「伏せろ!」
突然後ろから日本語で命令され、体を引っ張られた。
戦車が見える。
それは連合軍の戦車ではなかった。
「まだ連合軍が残っていたとはな。」
そうして彼は捕虜となった。
カティーンは腹を決めていた。
「日本に講和を要請しろ。」
すでにマッカーサーは本土に逃げ帰っていた。
カティーンは見捨てられたと認識した。
その後、日本とオーストラリアの間で講和が行われた。
これによりオーストラリアは第二次世界大戦から離脱した。
そして日本軍は次の標的をニュージーランドに定めた。
ニュージーランドも日本の海上封鎖により支援は届いていなかった。
作戦はすぐに実施され、南島にニュージーランド国軍の2倍の兵力に当たる兵力を目の当たりにした首脳部は日本に対して講和要請をだし、ニュージーランドも戦争から離脱した。
作戦開始から3か月が経った1月に山本は作戦の終了を宣言。
残る太平洋の敵は米国だけとなった。
海軍は最後の準備を進めていた。
この戦争の趨勢を左右する最大の戦いに向けて。
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