皇国の栄光

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中間の島々と藍より青き大空

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インドで日本軍が快進撃を遂げていたころ日米の中間にあたる島、ハワイにも日本軍が迫っていた。
空母6隻を含む大艦隊だった。
戦死したキンメルに代わって太平洋艦隊司令長官に就任したチェスター・ニミッツは日本軍の上陸が近いと判断。
水平線に注意を向けた。
「君には第16任務部隊を率いてもらいたいと思う。異論はないな。」
「はっ。」
「では頼んだ。」
ニミッツがそう言うと彼は指令室を出ていく。
「日本軍はとうとうここまでやってきたか。パナマの修理が終わってよかった。」
ニミッツは心の底から思った。
彼は太平洋の地図を見る。
アメリカからハワイまでは大規模な港湾が存在しないためここで敵の猛攻を止めないと西海岸が無防備になってしまう。
だからニミッツはハワイを決戦の地に定めた。
ニミッツはこれからワシントンへの用事があり、軍用機に乗りハワイを後にした。


ミッドウェイ。
それはハワイから比較的近くにある基地だった。
ここにある機体が発進準備をしていた。
重爆「飛龍」。
マレーと香港の作戦で部分的に動員され大きな戦果を挙げた機体。
それが100機、ここにはあった。
そして発進命令が下り飛び立っていった。
その1時間後に一回り小さな航空隊も出撃した。


ハワイの航空基地は敵艦隊出現の報告を受け、いつでも攻撃ができるように魚雷や爆弾を装備していた。
「今日も曇りだな。」
整備員が鬱陶しそうに言う。
「まあそういうな。明日は快晴らしいぞ。」
そう言い、その整備員は空を見る。
ところどころ青空がのぞいていた。
そこに一瞬黒い影が見えた。
「なんだ?」
かれは目を凝らしてみる。
それは飛行機の形をしていた。
するとそれは何か細々したようなものを落とした。
不思議に思っていると遠くのパイナップル畑が突然爆発した。
「何が起こってるんだ?!」
基地にいた者たちは空を見上げた。
「あれは…爆弾?」
その瞬間、飛行場の格納庫の屋根がへこんだかと思うと大爆発を起こした。
そこで彼らは空襲を受けたと理解した。
逃げようと動き始めたがそこにも爆弾が降ってきた。
これはハワイのほぼ全ての航空基地に行われ、米軍は真珠湾の時のようなパニックを起こした。
また、ハワイ要塞の一部や護衛戦闘機にレーダーも破壊されておりいよいよ日本軍が上陸してくると考え水上に目を光らせていた。


ハワイ上空に飛龍と入れ変わるように100式輸送機が進出した。
護衛には疾風が当たった。
次々と落下傘を開いて降りていくパレンバンの精鋭たち。
そして地表につくと市街地に紛れ、戦闘を開始した。
ハワイ防衛軍は混乱し内陸部に半数の部隊を割いてしまった。
彼らはレーダーを失い、日本の上陸部隊とそれを支援する戦艦隊が接近しているとは知らなかった。
挺身隊との戦闘が始まったころ41㎝砲などが一斉にハワイ海岸にたたきつけられた。
それを合図に上陸を開始する6万の上陸隊。
この時点で米軍側は戦意を喪失しており、ろくな抵抗はなかった。
そのまま奥地に浸透を開始。
挺身隊と合流するころには太平洋艦隊司令部には旭日旗が翻っていた。
その後、フォード島に撤退した米軍を容赦なく攻撃。
フォード島の生存者は立てこもった2万人の内、生存者はわずか10人だった。
フォード島陥落を受け、ハワイは完全に日本軍の手中に収まったのだった。
既に長門以下上陸支援艦隊は真珠湾の沈没したアリゾナの横で補給を行っていた。
だがハワイを巡る戦いは終わったわけではなく、ハワイ沖では海戦が始まろうとしていた。
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