皇国の栄光

ypaaaaaaa

文字の大きさ
上 下
12 / 57

パリの鍵十字と自由の十字軍

しおりを挟む
1940年5月30日、第19装甲軍団司令官のハインツ・グデーリアンは意気揚々としていた。
ついに黄作戦が始まるのだ。
ポーランドではしばしの停滞を許したグデーリアンだったがそれはほぼ日本の航空隊によるものだった。
だがフランス戦線には日本の航空隊は現れていなかった。
待機していると作戦開始命令が下った。
「戦車前進!」
4号のエンジンがうねりをあげる。
そして彼らはオランダ国境を越えた。

その後は早かった。
ドイツ装甲軍団はアルデンヌの森を突き抜けて連合軍を撃破。
そのままドーバー海峡に突き抜けてダンケルクを包囲した。
だがその後包囲下の将兵は奇跡的に生還する。
その後は連合軍はなすすべなく敗退を重ねついに7月4日、パリ無防備都市宣言。
7月8日、ドイツ軍がパリに入場しエッフェル塔には鍵十字が翻った。
7月12日にペタンとヒトラーがコンピエーニュの森にて休戦協定を締結。
7月15日には協定が発効され、ドイツは一次大戦の屈辱を晴らしたのだった。

1940年8月15日、ホワイトハウスでは今後の対応について協議されていた。
先日、フランスが降伏しイギリスもドイツの脅威にさらされていた。
それを示すようにイギリスからは再三の参戦要請が届いている。
だが今我々が欧州に介入すればモンロー主義の原則に反することになり国民からも糾弾されるだろう。
「どうしたものか…」
フランクリン・ルーズベルト大統領は溜息交じりに呟く。
「大統領、私に一つ考えがあります。」
そういったのはトルーマンだった。
「なんだ。言ってみ給え。」
「我々としては日本を引き金にし、今対戦に参戦すべきです。」
「なるほど。なぜ日本なのだ?」
「近年、日本の脅威は軍事、経済両面で着実に増しています。このままでは今の我々の立場も危ういでしょう。ですが今なら日本は脆弱です。我々の軍事力をもってすれば日本など簡単に叩き潰せるでしょう。」
ルーズベルトはうなずきつつも次の質問をぶつける。
「ではどうやって日本を動かす?あの国は少しの衝撃ではびくともしないぞ。」
「それは重々承知です。ですのでCAIに『中国奥地で日本軍による非人道的な実験が行われた』という資料をあげさせ、これを世界に公表し我々も経済制裁を加えます。」
ここでルーズベルトは悪魔のような顔をした。
「よろしい、ではそのように。」
「承知しました。」
その1週間後に米国政府よりCAIの調査資料が公開され、日本は苦しい立場に立たされた。

しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

空母鳳炎奮戦記

ypaaaaaaa
歴史・時代
1942年、世界初の装甲空母である鳳炎はトラック泊地に停泊していた。すでに戦時下であり、鳳炎は南洋艦隊の要とされていた。この物語はそんな鳳炎の4年に及ぶ奮戦記である。 というわけで、今回は山本双六さんの帝国の海に登場する装甲空母鳳炎の物語です!二次創作のようなものになると思うので原作と違うところも出てくると思います。(極力、なくしたいですが…。)ともかく、皆さまが楽しめたら幸いです!

戦神の星・武神の翼 ~ もしも日本に2000馬力エンジンが最初からあったなら

もろこし
歴史・時代
架空戦記ファンが一生に一度は思うこと。 『もし日本に最初から2000馬力エンジンがあったなら……』 よろしい。ならば作りましょう! 史実では中途半端な馬力だった『火星エンジン』を太平洋戦争前に2000馬力エンジンとして登場させます。そのために達成すべき課題を一つ一つ潰していく開発ストーリーをお送りします。 そして火星エンジンと言えば、皆さんもうお分かりですね。はい『一式陸攻』の運命も大きく変わります。 しかも史実より遙かに強力になって、さらに1年早く登場します。それは戦争そのものにも大きな影響を与えていきます。 え?火星エンジンなら『雷電』だろうって?そんなヒコーキ知りませんw お楽しみください。

日は沈まず

ミリタリー好きの人
歴史・時代
1929年世界恐慌により大日本帝國も含め世界は大恐慌に陥る。これに対し大日本帝國は満州事変で満州を勢力圏に置き、積極的に工場や造船所などを建造し、経済再建と大幅な軍備拡張に成功する。そして1937年大日本帝國は志那事変をきっかけに戦争の道に走っていくことになる。当初、帝國軍は順調に進撃していたが、英米の援蔣ルートによる援助と和平の断念により戦争は泥沼化していくことになった。さらに1941年には英米とも戦争は避けられなくなっていた・・・あくまでも趣味の範囲での制作です。なので文章がおかしい場合もあります。 また参考資料も乏しいので設定がおかしい場合がありますがご了承ください。また、おかしな部分を次々に直していくので最初見た時から内容がかなり変わっている場合がありますので何か前の話と一致していないところがあった場合前の話を見直して見てください。おかしなところがあったら感想でお伝えしてもらえると幸いです。表紙は自作です。

小沢機動部隊

ypaaaaaaa
歴史・時代
1941年4月10日に世界初の本格的な機動部隊である第1航空艦隊の司令長官が任命された。 名は小沢治三郎。 年功序列で任命予定だった南雲忠一中将は”自分には不適任”として望んで第2艦隊司令長官に就いた。 ただ時局は引き返すことが出来ないほど悪化しており、小沢は戦いに身を投じていくことになる。 毎度同じようにこんなことがあったらなという願望を書き綴ったものです。 楽しんで頂ければ幸いです!

連合艦隊司令長官、井上成美

ypaaaaaaa
歴史・時代
2・26事件に端を発する国内の動乱や、日中両国の緊張状態の最中にある1937年1月16日、内々に海軍大臣就任が決定していた米内光政中将が高血圧で倒れた。命には別状がなかったものの、少しの間の病養が必要となった。これを受け、米内は信頼のおける部下として山本五十六を自分の代替として海軍大臣に推薦。そして空席になった連合艦隊司令長官には…。 毎度毎度こんなことがあったらいいな読んで、楽しんで頂いたら幸いです!

帝国夜襲艦隊

ypaaaaaaa
歴史・時代
1921年。すべての始まりはこの会議だった。伏見宮博恭王軍事参議官が将来の日本海軍は夜襲を基本戦術とすべきであるという結論を出したのだ。ここを起点に日本海軍は徐々に変革していく…。 今回もいつものようにこんなことがあれば良いなぁと思いながら書いています。皆さまに楽しくお読みいただければ幸いです!

日本が危機に?第二次日露戦争

歴史・時代
2023年2月24日ロシアのウクライナ侵攻の開始から一年たった。その日ロシアの極東地域で大きな動きがあった。それはロシア海軍太平洋艦隊が黒海艦隊の援助のために主力を引き連れてウラジオストクを離れた。それと同時に日本とアメリカを牽制する為にロシアは3つの種類の新しい極超音速ミサイルの発射実験を行った。そこで事故が起きた。それはこの事故によって発生した戦争の物語である。ただし3発も間違えた方向に飛ぶのは故意だと思われた。実際には事故だったがそもそも飛ばす場所をセッティングした将校は日本に向けて飛ばすようにセッティングをわざとしていた。これは太平洋艦隊の司令官の命令だ。司令官は黒海艦隊を支援するのが不服でこれを企んだのだ。ただ実際に戦争をするとは考えていなかったし過激な思想を持っていた為普通に海の上を進んでいた。 なろう、カクヨムでも連載しています。

大日本帝国領ハワイから始まる太平洋戦争〜真珠湾攻撃?そんなの知りません!〜

雨宮 徹
歴史・時代
1898年アメリカはスペインと戦争に敗れる。本来、アメリカが支配下に置くはずだったハワイを、大日本帝国は手中に収めることに成功する。 そして、時は1941年。太平洋戦争が始まると、大日本帝国はハワイを起点に太平洋全域への攻撃を開始する。 これは、史実とは異なる太平洋戦争の物語。 主要登場人物……山本五十六、南雲忠一、井上成美 ※歴史考証は皆無です。中には現実性のない作戦もあります。ぶっ飛んだ物語をお楽しみください。 ※根本から史実と異なるため、艦隊の動き、編成などは史実と大きく異なります。 ※歴史初心者にも分かりやすいように、言葉などを現代風にしています。

処理中です...