妹に婚約者を奪われた私は今、隣国の王子に溺愛されています!?

「フィティア、そなたとの婚約はなしにしてもらいたい」

「突然何を…… なしにするも何も、この婚約は王家が定めたものではありませんか」

突然、婚約者の王太子アルバートから、そう婚約解消の申し出をされた。

 何事かと理由を聞けば、私の妹を好きになったから。

 ……ふざけるんじゃないわよ。好きでもないこいつのために、理不尽な苦労を何年も何年もさせられてきたって言うのに、婚約解消、ですって?

「いいわ、婚約解消しましょう。ただし、もう二度と私に関わってこないと約束して頂戴」

もうやってられない、その思いで啖呵を切って婚約解消したはいいけれど……

 よくよく考えれば、卒業直前に婚約解消なんて、相当に危機的だ。このままじゃ婚期を逃して行き遅れる。もう周りはほとんど婚約が決まっているし……

 そう悩んで学友のトールに愚痴っていると、

「じゃあ、僕と結婚しませんか?」

と持ちかけられて……!?
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