37 / 47
学園編
続編の秘密
しおりを挟む
「とりあえず、続編では主に2つ、出来事があるらしい。そもそもあれってスマホゲームやったやん?」
「だったね」
ぼんやりとだが小さい端末を手に、ポチポチ押していた記憶があるので間違いない。あの赤い帽子のおじさんが出てくるやつとかとは違う系統だった。
「で、続編は本編ストーリー終了後、4年ほどして配信が始まったらしいねんな。何年経っても人気が下がらないことから続編制作が決定したんやって。たぶんうちらはその前に死んじゃったらしいな。で、続編というか新章というか…… まあそんな感じやったらしいわ」
「で、大きい出来事っていうのは?」
「まずは一人、攻略キャラが増加する。本編では主人公二年生時点でストーリーが終了やったやん?」
「うんうん、あそこである、何かのパーティのタイミングでだった気がする」
「そうそう。で、続編は3年進級時からスタートしたらしい。で、その攻略キャラは3年で同じクラスに入学してくるらしいわ。――リュゼ・セレナーデ。あいつらしい。ま、顔いいし否定はできないよな」
ソフィがそこで肩を竦めた。確かに顔が良かったな。王道系の顔をしたイケメンではあった。……性格はまったくもってイケメンではないけれど。
「え、でもどうして留学が早まって――」
「ミカエルが本編と違う行動を取ったからって言っとった。本来はラブマジと関わり合いにはなりたくなかったから――流血沙汰多いしね――けど、転生者だってことに気づいてどうしても会いたくなってしまったんやって。面倒な野郎やな」
……そういうことか。転生知識がほしいあまりに婚約まで迫ってきたようなやつだから全く違和感もなにもない。
…それにしても、攻略キャラが一人増えるなんてなんて面倒な……
「なるほど。で、もう一つは何?」
「……こっちは本当にヤバかったんよ。それも、すでに事が動いてるらしいねん」
急にソフィの表情が固くなる。……私一人じゃ済まないってこと? 死人が出るの?
誰か、周りが死ぬかもしれないという恐怖で指先がかたかた震えた。飲もうとして持っていた、紅茶入りのカップを落としそうになって、慌てて机に置いた。
「どういう、」
「戦争だって。北の国、クロリアスと、この国との大々的な戦争が起こるらしいんや」
ソフィは苦虫を噛み潰すような、それ以上に深刻そうな表情で告げた。……冗談だよね、と笑って聞き返したかったけれど、真剣さで本当だということが嫌でも分かってしまう。
「どうやらあいつのほら話ってわけでもないらしい。……言われてみたら思い当たる予兆がいくつもあるんや。今のこの国にも、知っているメインストーリーの中にも」
「……嘘でしょ……」
「だったね」
ぼんやりとだが小さい端末を手に、ポチポチ押していた記憶があるので間違いない。あの赤い帽子のおじさんが出てくるやつとかとは違う系統だった。
「で、続編は本編ストーリー終了後、4年ほどして配信が始まったらしいねんな。何年経っても人気が下がらないことから続編制作が決定したんやって。たぶんうちらはその前に死んじゃったらしいな。で、続編というか新章というか…… まあそんな感じやったらしいわ」
「で、大きい出来事っていうのは?」
「まずは一人、攻略キャラが増加する。本編では主人公二年生時点でストーリーが終了やったやん?」
「うんうん、あそこである、何かのパーティのタイミングでだった気がする」
「そうそう。で、続編は3年進級時からスタートしたらしい。で、その攻略キャラは3年で同じクラスに入学してくるらしいわ。――リュゼ・セレナーデ。あいつらしい。ま、顔いいし否定はできないよな」
ソフィがそこで肩を竦めた。確かに顔が良かったな。王道系の顔をしたイケメンではあった。……性格はまったくもってイケメンではないけれど。
「え、でもどうして留学が早まって――」
「ミカエルが本編と違う行動を取ったからって言っとった。本来はラブマジと関わり合いにはなりたくなかったから――流血沙汰多いしね――けど、転生者だってことに気づいてどうしても会いたくなってしまったんやって。面倒な野郎やな」
……そういうことか。転生知識がほしいあまりに婚約まで迫ってきたようなやつだから全く違和感もなにもない。
…それにしても、攻略キャラが一人増えるなんてなんて面倒な……
「なるほど。で、もう一つは何?」
「……こっちは本当にヤバかったんよ。それも、すでに事が動いてるらしいねん」
急にソフィの表情が固くなる。……私一人じゃ済まないってこと? 死人が出るの?
誰か、周りが死ぬかもしれないという恐怖で指先がかたかた震えた。飲もうとして持っていた、紅茶入りのカップを落としそうになって、慌てて机に置いた。
「どういう、」
「戦争だって。北の国、クロリアスと、この国との大々的な戦争が起こるらしいんや」
ソフィは苦虫を噛み潰すような、それ以上に深刻そうな表情で告げた。……冗談だよね、と笑って聞き返したかったけれど、真剣さで本当だということが嫌でも分かってしまう。
「どうやらあいつのほら話ってわけでもないらしい。……言われてみたら思い当たる予兆がいくつもあるんや。今のこの国にも、知っているメインストーリーの中にも」
「……嘘でしょ……」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
115
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる