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学園編
拗らせた想い(ソフィ視点)
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うちの兄は拗らせている。魔法は誰より器用にやってのけるし、基本的に何でも簡単にこなしている。家族関係も何もかも。なのに、恋愛だけが上手くいっていないのである。関西人でツッコミ大好きな私からしたらもどかしくて仕方ない。それも、相手が兄を好いているということも知っているから余計に。なんでやねん、と言いたくなる。……そう、兄であるネロ・ルートヴェングが恋しているのは、私と同じ転生者で唯一の同年代の友達であるミカエル・フィレネーゼだ。
机に突っ伏してうんうん唸っている兄を見て私は柄にもなくそんなことを考えていた。
「お兄ちゃん、何やってるの?」
心優しい私は、傍から見れば変人にしか見えない兄に何をしているか聞いてあげた。
「ミカエルがさ、もうすぐ入学するでしょ?お祝いは何あげたらいいかなって……」
なんやねんくだらない、と思わず言ってしまいそうになった。恋は盲目、真面目で器用な兄が彼女が絡むと本当に面白いキャラになってしまう。……手伝ってやるか。実を言うと最近の趣味はこの二人の観察といっていいくらいになっている。二人共、一緒に絡んだら面白いくらいに滅茶苦茶になるのだ。
「はいはい、調べてきてあげる。あ、私も入学するんだからなにか用意しておいてよ!」
用意してくれてなかったらぶちのめす、と心の中で思う。私はミカエルの母であるフィレネーゼ公爵夫人に面会依頼を出すため、部屋に戻って便箋とペンを手に取った。
「ソフィちゃん、久しぶりね~」
楽しそうに笑う美少女は彼女の母、アリシア・フィレネーゼである。ふわふわしていて一見害が無さそうに見えるが、本当はそうではない。社交界で情報を取り、どろどろした女の世界で生きていく達人なのである。
私は彼女に勧められた紅茶を一口飲む。……あ、これ高級なやつ。私はそっとソーサーにカップを置く。
「お久しぶりです、フィレネーゼ公爵夫人」
兄のためにこのような社交の達人である人と話に来る私はとても優しいと思う。
「ふふっ、苦労するわねー」
どうやら察してくれたらしく口に手を当ててお上品に笑った。……そうなんです、この二人ずっと拗らせてるんです。
「もうすぐミカエルが入学するので、うちの兄がお祝いに何を贈ろうかとずっと考えているんです」
「あら、それなら魔法関係のがいいんじゃないかしら。まだ学園で使うものを用意していないの。まあ、なんでもいいと思うわよ~ ミカエルちゃん、あの子のこと本当に大好きだもの」
「ありがとうございます、本当に助かりました」
さて、このことを兄に知らせてあげなきゃ。
「お兄ちゃん、ミカエルってまだ学園で要るもの用意できてないんだって。例えば、三年で使うことになる最上級魔法用の杖とかが特に用意が大変になるからいいんじゃないかな」
「……本当? ありがとう」
この様子ならすぐに作り上げてしまうだろう。フィレネーゼ公爵夫人に兄が用意しようとしていることを知らせておかなければ。
……本当はこんな面倒なことをするのではなく、向こうも、ミカエルも兄のことを好いていることを教えてあげて恋を実らせてあげてもいい。両思いなんだと言ってあげてもいい。それに、初めにそのこと、ミカエルが兄を好きだってことを知った時はさりげなく教えてあげようかなって思ってた。でも、ミカエルと仲良くなってから、そうするのが惜しくなった。
……だって、婚約なんてしたらしばらくはミカエルが兄にしか構わなくなる。まあ別にそれはそれでいいんだけど、ちょっと寂しくなるような気がしたから。なんとなく教えたくなくなった。だから、自分で気づくまでは教えてあげない。気づくまでは二人で拗らせていたらいい。ちょっとのお手伝いならしてあげるから。
私は今日のフィレネーゼ夫人のように、兄が必死で動き出す様子を眺めながら手を口に当ててクスリと笑った。
机に突っ伏してうんうん唸っている兄を見て私は柄にもなくそんなことを考えていた。
「お兄ちゃん、何やってるの?」
心優しい私は、傍から見れば変人にしか見えない兄に何をしているか聞いてあげた。
「ミカエルがさ、もうすぐ入学するでしょ?お祝いは何あげたらいいかなって……」
なんやねんくだらない、と思わず言ってしまいそうになった。恋は盲目、真面目で器用な兄が彼女が絡むと本当に面白いキャラになってしまう。……手伝ってやるか。実を言うと最近の趣味はこの二人の観察といっていいくらいになっている。二人共、一緒に絡んだら面白いくらいに滅茶苦茶になるのだ。
「はいはい、調べてきてあげる。あ、私も入学するんだからなにか用意しておいてよ!」
用意してくれてなかったらぶちのめす、と心の中で思う。私はミカエルの母であるフィレネーゼ公爵夫人に面会依頼を出すため、部屋に戻って便箋とペンを手に取った。
「ソフィちゃん、久しぶりね~」
楽しそうに笑う美少女は彼女の母、アリシア・フィレネーゼである。ふわふわしていて一見害が無さそうに見えるが、本当はそうではない。社交界で情報を取り、どろどろした女の世界で生きていく達人なのである。
私は彼女に勧められた紅茶を一口飲む。……あ、これ高級なやつ。私はそっとソーサーにカップを置く。
「お久しぶりです、フィレネーゼ公爵夫人」
兄のためにこのような社交の達人である人と話に来る私はとても優しいと思う。
「ふふっ、苦労するわねー」
どうやら察してくれたらしく口に手を当ててお上品に笑った。……そうなんです、この二人ずっと拗らせてるんです。
「もうすぐミカエルが入学するので、うちの兄がお祝いに何を贈ろうかとずっと考えているんです」
「あら、それなら魔法関係のがいいんじゃないかしら。まだ学園で使うものを用意していないの。まあ、なんでもいいと思うわよ~ ミカエルちゃん、あの子のこと本当に大好きだもの」
「ありがとうございます、本当に助かりました」
さて、このことを兄に知らせてあげなきゃ。
「お兄ちゃん、ミカエルってまだ学園で要るもの用意できてないんだって。例えば、三年で使うことになる最上級魔法用の杖とかが特に用意が大変になるからいいんじゃないかな」
「……本当? ありがとう」
この様子ならすぐに作り上げてしまうだろう。フィレネーゼ公爵夫人に兄が用意しようとしていることを知らせておかなければ。
……本当はこんな面倒なことをするのではなく、向こうも、ミカエルも兄のことを好いていることを教えてあげて恋を実らせてあげてもいい。両思いなんだと言ってあげてもいい。それに、初めにそのこと、ミカエルが兄を好きだってことを知った時はさりげなく教えてあげようかなって思ってた。でも、ミカエルと仲良くなってから、そうするのが惜しくなった。
……だって、婚約なんてしたらしばらくはミカエルが兄にしか構わなくなる。まあ別にそれはそれでいいんだけど、ちょっと寂しくなるような気がしたから。なんとなく教えたくなくなった。だから、自分で気づくまでは教えてあげない。気づくまでは二人で拗らせていたらいい。ちょっとのお手伝いならしてあげるから。
私は今日のフィレネーゼ夫人のように、兄が必死で動き出す様子を眺めながら手を口に当ててクスリと笑った。
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