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転生編
婚約打診が来たらしい
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「そろそろおにーさんのこと呼び戻しておかへんと怒られるわな。無理矢理外に出してもうたし」
ソフィが小さく何かを呟く。言葉の発音的に魔法を解いたのだろう。結界か防音のどちらかだと思われる。彼女は扉を開き、ネロのことを招き入れる。彼はソフィのことを眉を顰めて睨みつけていた。
「お兄様、どうぞお入りくださいな」
口調はさっきの関西弁ではなく、完璧なお貴族様の使うソレに変わっていた。見事なものだ。これが十年間貴族として過ごしてきたソフィの訓練の成果なのであろう。私とは雲泥の差がある。口調を大きく変えたらすぐには戻せない。
「ソフィ、次からこんなことしないでくれる? 全くもう、人様の家で攻撃系の魔法を使うなんてもっての外だから。次やったらお父様に知らせるから」
珍しくおかんむりな我が推し。頬を膨らませて怒る様子はただただ可愛いの一言に尽きる。前世での年齢で言えば私のほうが歳上なのもあって、怒っていても怖くもなんともない。放っておいても良かったのだが、このままではソフィが少しかわいそうだったので軽くフォローを入れておく。
「ソフィは何か被害を与えたというわけでもありませんし…… 私も怒っておりませんので許してあげてほしいな。まあ次やったら許さないけど」
推しに攻撃するなんてもっての外なのだ。もし少しでも傷がついていたら私はそいつを半殺しにするだろう。それくらいには好きなのである。
「ミカエルが言うなら……」
ソフィは勉強が終わっていないらしく帰っていき、その後はいつも通り魔法の勉強をして。ネロともお別れをする。
「お嬢様」
「アンナ! どうしたの?」
急いできたようで珍しく息が上がっている。何か、あったのだろう。
「……奥様がお呼びです。今すぐ向かってほしいとのことです」
アンナに言われるがままにお母様の部屋に入る。お母様もアンナと同じように張り詰めたような表情で座っていた。
「何か、あったのですか」
「王家から、婚約の打診がありました」
珍しく真面目な口調で言うお母様。……婚約の打診!? そんなもの、シナリオには無かった。全ルートをクリアしているのだから確実だ。ミカエルは誰とも婚約していない状況でゲームが始まったはずだ。
「第一王子であるエルンスト様かららしいの。……受ける?」
あくまで私の意思を尊重しようとしてくれているお母様。私はそれに従って婚約すべきなのだろう。そうでないと困らせてしまう。
「私、私っ……」
どうしようもなくネロのことが好きなのだ。推しとしてだけでなく、現実世界で関わって。更に好きになった。もう一度彼に恋をした。
「そう言うと思ってたわ。……学園を卒業することになる十五歳までは待ってくださる、と。それまでに他の方と婚約することになったら諦めると言っていたから大丈夫よ。――彼、ネロ・ルートヴェングが好きなんでしょう?」
お見通しよ、と笑うお母様の頼もしさよ。優しさに胸がほんわかすると共に、タイムリミットがつくことになったことに焦りを感じた。
ソフィが小さく何かを呟く。言葉の発音的に魔法を解いたのだろう。結界か防音のどちらかだと思われる。彼女は扉を開き、ネロのことを招き入れる。彼はソフィのことを眉を顰めて睨みつけていた。
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口調はさっきの関西弁ではなく、完璧なお貴族様の使うソレに変わっていた。見事なものだ。これが十年間貴族として過ごしてきたソフィの訓練の成果なのであろう。私とは雲泥の差がある。口調を大きく変えたらすぐには戻せない。
「ソフィ、次からこんなことしないでくれる? 全くもう、人様の家で攻撃系の魔法を使うなんてもっての外だから。次やったらお父様に知らせるから」
珍しくおかんむりな我が推し。頬を膨らませて怒る様子はただただ可愛いの一言に尽きる。前世での年齢で言えば私のほうが歳上なのもあって、怒っていても怖くもなんともない。放っておいても良かったのだが、このままではソフィが少しかわいそうだったので軽くフォローを入れておく。
「ソフィは何か被害を与えたというわけでもありませんし…… 私も怒っておりませんので許してあげてほしいな。まあ次やったら許さないけど」
推しに攻撃するなんてもっての外なのだ。もし少しでも傷がついていたら私はそいつを半殺しにするだろう。それくらいには好きなのである。
「ミカエルが言うなら……」
ソフィは勉強が終わっていないらしく帰っていき、その後はいつも通り魔法の勉強をして。ネロともお別れをする。
「お嬢様」
「アンナ! どうしたの?」
急いできたようで珍しく息が上がっている。何か、あったのだろう。
「……奥様がお呼びです。今すぐ向かってほしいとのことです」
アンナに言われるがままにお母様の部屋に入る。お母様もアンナと同じように張り詰めたような表情で座っていた。
「何か、あったのですか」
「王家から、婚約の打診がありました」
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「第一王子であるエルンスト様かららしいの。……受ける?」
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「私、私っ……」
どうしようもなくネロのことが好きなのだ。推しとしてだけでなく、現実世界で関わって。更に好きになった。もう一度彼に恋をした。
「そう言うと思ってたわ。……学園を卒業することになる十五歳までは待ってくださる、と。それまでに他の方と婚約することになったら諦めると言っていたから大丈夫よ。――彼、ネロ・ルートヴェングが好きなんでしょう?」
お見通しよ、と笑うお母様の頼もしさよ。優しさに胸がほんわかすると共に、タイムリミットがつくことになったことに焦りを感じた。
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