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転生編
お友達ができたようです
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「おはよう」
「ネロ! おはよう」
いつもならそこでイケメンな笑みを返してくれるのだが、今日はどこか憂鬱そうな感じがした。……何かあったのだろうか。
「あの、本当に申し訳ないんだけどね。妹がどうしてもミカエルに会いたいって言って聞かなくて…… 良かったら会ってもらえるかな……?」
妹、と聞いて思い出す。ラブマジのモブキャラ、ソフィア・ルートヴェング。この子もまた、天才的な魔法の才能がある。私と同い年で、ゲーム内での仲は超絶悪かった。正に犬猿の仲といった感じ。……あの子、ネロに似ててめっちゃ可愛かったんだよな。なんで仲が悪いのか甚だ疑問だった。私、あの子のことネロの次に好きと言っていいくらいのお気に入りだったし。だから勿論会わないという選択は無い。
「勿論です! むしろ会いたいなって」
「……ありがとう。助かったよ。ソフィ、入っておいで」
彼が呼んだら、中に紺の髪をした美少女が入ってくる。ミカエルは可愛い系って感じだけど、ソフィアさんは正に美人といった感じだ。
「こんにちは、ミカエル・フィレネーゼ様。わたくしはソフィア・ルートヴェングと申します」
どうぞお見知りおきを、とお辞儀をする彼女。
「こちらこそよろしくお願いします」
「ミカエル、と呼んでもよろしくて? 私のことはソフィアでもソフィでも大丈夫よ」
「はいっ、同年代のお友達はいないのでとても嬉しいです。ソフィと呼ばせていただきますね」
……めっちゃいい子じゃないか、礼儀正しいし。この子と仲が悪くなるなんて信じられない。
「お兄様、出て行って下さる? 女の子同士でお話がしたいと思いますの」
「ソフィ、まだ勉強が途中だろう? 家に帰って続きを……」
ネロが言い切らぬうちにソフィが電撃を放つ。上位魔法を無詠唱で使うとは、さすがとしか言いようがない。ネロもそれに負けじと障壁を発動し、相殺した。
「……ソフィ」
「攻撃は私のほうが上なのを知っているでしょう? 大人しく外で待っていてくださいまし」
ネロは諦めた様子で、部屋の外へ出て行った。……恐ろしい、上位魔法で戦い始めるなんて。
「……ソフィ、あの」
「貴方って、どこ生まれ?」
唐突な質問。ミカエルはこの国のとある村で生まれた。なので生まれはシャルメーテと言っていいだろう。……なぜこんなことを聞くんだろう。
「シャルメーテ、ですが……」
「そうじゃなくって。このゲーム――「Love&Magic」のヒロインと全然性格違うから、生まれは日本かそこらへんかなと思ったんやけど。違うん?」
口調を変えた彼女。ばりっばりの関西弁。そして発した言葉は「日本」。……つまり彼女も私と同じ転生者なのだ。
「貴方も日本なんですか!?」
「そうやで。うーわ、めっちゃ嬉しいわあ。この世界に生まれて十年、一人も見つかってなかったんやもん」
十年、つまり彼女は私のような、半分憑依のような転生の仕方ではなく、ここに本物のソフィア・ルートヴェングとして生まれたのだ。
「ソフィは出身が関西なの?」
「うちはなあ、大阪生まれ大阪育ちの生粋の大阪人やで! 前世での名前は桜葉遥ちゅうねん。改めてよろしくな」
にぱっと笑う顔は今の美少女な見た目に非常に映える。可愛い。
「私は京都で生まれて東京で育って、二か月くらい前にミカエルと入れ替わったんだよね。前世の名前は今原瑠香。正直言うと出来るだけ攻略対象には関わりたくないなって思ってる。面倒だし」
「ん、りょーかい。これから協力していこうな」
この世界で生き抜くための強力な協力者兼友達が出来たようです。嬉しい。
「ネロ! おはよう」
いつもならそこでイケメンな笑みを返してくれるのだが、今日はどこか憂鬱そうな感じがした。……何かあったのだろうか。
「あの、本当に申し訳ないんだけどね。妹がどうしてもミカエルに会いたいって言って聞かなくて…… 良かったら会ってもらえるかな……?」
妹、と聞いて思い出す。ラブマジのモブキャラ、ソフィア・ルートヴェング。この子もまた、天才的な魔法の才能がある。私と同い年で、ゲーム内での仲は超絶悪かった。正に犬猿の仲といった感じ。……あの子、ネロに似ててめっちゃ可愛かったんだよな。なんで仲が悪いのか甚だ疑問だった。私、あの子のことネロの次に好きと言っていいくらいのお気に入りだったし。だから勿論会わないという選択は無い。
「勿論です! むしろ会いたいなって」
「……ありがとう。助かったよ。ソフィ、入っておいで」
彼が呼んだら、中に紺の髪をした美少女が入ってくる。ミカエルは可愛い系って感じだけど、ソフィアさんは正に美人といった感じだ。
「こんにちは、ミカエル・フィレネーゼ様。わたくしはソフィア・ルートヴェングと申します」
どうぞお見知りおきを、とお辞儀をする彼女。
「こちらこそよろしくお願いします」
「ミカエル、と呼んでもよろしくて? 私のことはソフィアでもソフィでも大丈夫よ」
「はいっ、同年代のお友達はいないのでとても嬉しいです。ソフィと呼ばせていただきますね」
……めっちゃいい子じゃないか、礼儀正しいし。この子と仲が悪くなるなんて信じられない。
「お兄様、出て行って下さる? 女の子同士でお話がしたいと思いますの」
「ソフィ、まだ勉強が途中だろう? 家に帰って続きを……」
ネロが言い切らぬうちにソフィが電撃を放つ。上位魔法を無詠唱で使うとは、さすがとしか言いようがない。ネロもそれに負けじと障壁を発動し、相殺した。
「……ソフィ」
「攻撃は私のほうが上なのを知っているでしょう? 大人しく外で待っていてくださいまし」
ネロは諦めた様子で、部屋の外へ出て行った。……恐ろしい、上位魔法で戦い始めるなんて。
「……ソフィ、あの」
「貴方って、どこ生まれ?」
唐突な質問。ミカエルはこの国のとある村で生まれた。なので生まれはシャルメーテと言っていいだろう。……なぜこんなことを聞くんだろう。
「シャルメーテ、ですが……」
「そうじゃなくって。このゲーム――「Love&Magic」のヒロインと全然性格違うから、生まれは日本かそこらへんかなと思ったんやけど。違うん?」
口調を変えた彼女。ばりっばりの関西弁。そして発した言葉は「日本」。……つまり彼女も私と同じ転生者なのだ。
「貴方も日本なんですか!?」
「そうやで。うーわ、めっちゃ嬉しいわあ。この世界に生まれて十年、一人も見つかってなかったんやもん」
十年、つまり彼女は私のような、半分憑依のような転生の仕方ではなく、ここに本物のソフィア・ルートヴェングとして生まれたのだ。
「ソフィは出身が関西なの?」
「うちはなあ、大阪生まれ大阪育ちの生粋の大阪人やで! 前世での名前は桜葉遥ちゅうねん。改めてよろしくな」
にぱっと笑う顔は今の美少女な見た目に非常に映える。可愛い。
「私は京都で生まれて東京で育って、二か月くらい前にミカエルと入れ替わったんだよね。前世の名前は今原瑠香。正直言うと出来るだけ攻略対象には関わりたくないなって思ってる。面倒だし」
「ん、りょーかい。これから協力していこうな」
この世界で生き抜くための強力な協力者兼友達が出来たようです。嬉しい。
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