お客様はヤのつくご職業

古亜

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3章

閑話.#花火大会と浴衣8

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当初入れようかななんて思ってた部分。流れの都合で没になりましたが、一応書いていたので投下します。
前話の後なんやかんやしていたらの話。
#の話なので、苦手な方は途中でもそっと閉じてください。

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背中についていた飾りを外され、まずは帯を解かれる。ちょっときつめに締められていたから、その圧迫感がなくなって私は軽く息をはいた。
浴衣の前がはだけられて、昌治さんはシャツの上から私の胸に触れる。

「……悪いな、似合ってたのに。ずっと見ていたかったが、それより今はお前を抱きたい」

昌治さんは覆い被さるように私をゆっくりとシートに押し倒して、鎖骨の辺りに口付けを落とす。ちょっと痛いそれが離れた場所は、赤く熱を帯びていた。
同じように昌治さんは首筋、肩にも緩く歯を立てる。その間私は昌治さんの頭に手を乗せて、ちょっと硬めなその髪を撫でいた。

「あの、ほんとにここでするんですか……?」

いくら今は暗くて人がいないからって、この駐車場には他にも車が停まってるし、花火も終わったからもう少ししたら人が戻ってくる。
誰かに見られたらと思うと恥ずかしい。

「確かにお前が乱れてるのを他のやつに見せたくはないが、今は俺が我慢できそうにない」
「それならお屋敷戻ってから……ちょっ昌治さ……んっ!」

昌治さんがいきなり胸を柔く揉んで、先端をちろりと舐める。こんな状況なのに、いや……こんな状況だからなのか、妙に敏感になっていて自分の体がすぐに熱くなるのを感じた。

「恥ずかしいなら、すぐ終わらせてやらねぇとな」

そう言って昌治さんはズボンのベルトを外して、前をくつろげる。
露わになった昌治さんのものがはち切れそうになっているのが、薄暗い中でもわかった。

「ま、待ってください!そんなのまだ入らないです!」

感じてしまっているとはいえ、まだ昌治さんのものを受け入れられるほどじゃない。というかまだ最後まで致す事に対して同意してない!

「わかってるよ。そういう趣味はない」

いや、そういう趣味ってどういう趣味だ、と思ってたら、昌治さんの手が私の手首を掴んでそれに触れさせた。

「こ、これっ……!」
「すぐ下は解してやるから、楓もしてくれ」
「いや、これもう十分ですよね」

初めてこんな風に掴んだけど、人体にしては十分硬いし、こんなのが私の中に入ってたのが信じられないのですが。

「そ、それに私、こういうのわからないんですけど……」

こういうことをするのもあるっていうのは知ってるし、不思議と嫌ってわけでもないけど、実際にやるにはどうすればいいのかは知らない。張り詰めたように硬くて熱いそれを、今はただ掴んでいるだけだ。

「今はそれでいい。後で屋敷に戻ったら教えてやる。だがそうだな……ちょっと力込めたりしてみろ」
「で、でも、そんなのして大丈夫なんですか……?」
「お前の中はもっと締め付けてくれるぞ?」

さらっと何言ってるんですか!
恥ずかしくて手を離そうとしたら、昌治さんがその上から私の手を包んで許してくれなかった。

「離したら、その時点で入れる。逆を言えば、欲しくなったら手を離せばいい」
「な、ええ……」

私は思わずそれを握る手に力を込めてしまう。自分でしたそれに驚いて、また離しかけると、昌治さんの口から何かを堪えるような声が漏れる。

「そうだ、楓。そのまま続けてくれ」

そのままって……
どうしようと悩む私をよそに、私の手に添えていた手を離した昌治さんは、その手をするりと私の下着の中に滑り込ませる。

「んんっ!」

慣れた手つきで私の花芯を探り当てると、爪先で軽く突いて敏感になっているそこに刺激を与えた。
そのたびに電気が流れたみたいに体が切なく震えて、奥がとろりとした蜜を吐き出す。

「あっ……そこ、だめ……それに、浴衣が……」
「気にするな。元々そのつもりだったんだから」

そのつもりって、どういうことですか!?
考えるのやめよう。それより今は私の手の中のこれをどうするべきか考えよう。
そう思うのに、昌治さんは私の中をゆっくり掻き回して、時折思い出したように奥を指で擦る。その優しい手付きだけで、私は感じてしまって嬌声を上げてしまう。
どうすれば私が気持ちいいか、昌治さんは知っている。
いつも私は昌治さんにしてもらうばっかりで、自分から昌治さんに何かしてあげることはなかった。
熱と快楽でぼんやりとする頭を頑張って働かせて、私は昌治さんのものを手のひらでゆっくり擦るように動かした。力を入れるとかは怖くてできないから、これが私の精一杯だ。

「……っ」

昌治さんの顔が少し歪んで、何かに耐えているような表情になる。
私は慌てて手を離した。
何もわかってないのに、加減とか間違えたのかな。
大丈夫かなと恐る恐る昌治さんの顔を見たら……笑って、る……?

「早かったな。そんなに欲しかったのか」
「え……いや、そういう訳じゃなくて……」

どう説明すればいいのかよく回らない頭で考えていたら、昌治さんは全部わかってるみたいな顔で私を見る。
そして私の中に入れていた指を引き抜く。代わりについさっき私が手を離したそれを押し当てた。

「んんっ……あっ!」

熱くて硬いものが私の中に入ってくる。いつのまにかすっかり解されていた私の秘部は、一切の抵抗なく昌治さんのものを飲み込んだ。
それは私がさっきまで握っていたもので、自分の中にそれがすっかり収まっていることが信じられない。そして、それを気持ちいいと感じてしまうように変わってしまった自分に驚いていた。
こんな状況で、すごく恥ずかしいのにさらに続きを求めている自分がいる。背徳感からなのか、むしろ私は自ら腰を動かしてより深く、昌治さんを求めてしまう。

「昌治さん……」

ねだるように私は昌治さんを見上げていた。
そう、私は昌治さんが欲しいんだ。甘く刺激されるだけで、ころりと私は堕ちてしまった。

「今日はやけに積極的だな」

そう言って昌治さんは指先を絡めると、鋭く私の奥を突いた。こつんとぶつかった刹那、私の中に渦巻いていた快楽が一気に弾ける。

「やぁぁっ!んっ……」

ひくひくと全身が震えて、その余波が昌治さんを締め付ける。
それを受けた昌治さんは落ち着かせるように短く息を吐くと、ゆっくりと私の中から自身を抜いていく。完全に抜けてしまう、それが切なくて、私は絡まり合っている指先に力を込める。

「イったんだろ?続きは屋敷でもいいぞ?」

悪戯っぽく昌治さんは笑う。ここで、お預け……?違う。私の反応を待っているんだ。

「なんで、そんなこと言うんですか」

昌治さんだって、まだ満足してないはずだ。あとでと言っておきながら、昌治さんの昂りは明らかに収まっていない。

「お前にねだられたいからだ。いつもと違うからか?妙に興奮してるだろ、楓」

ぬるりとした秘部を、昌治さんは優しくなぞるように撫でる。少し触れただけなのに、その指先は十分すぎるくらい濡れていて……
そう、私はこの状況さえも、快楽として汲み取ってしまっている。認めてしまうのはすごく恥ずかしい。でも、それ以上に私はさらに先が欲しかった。
気付けば私はこくりと頷いて、涙で潤んだ瞳で昌治さんを見上げている。
それが合図だったように、昌治さんは抜きかけていた猛りを再び奥へ突き動かす。
奥を突かれるたびに私は嬌声を上げて、縋るように昌治さんの指と絡む力を強める。
車の内にそぐわない水音が、その狭い空間の中でこだまするように響いていた。
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