お客様はヤのつくご職業

古亜

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3章

11.#お互いの本音5

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「ごめ……なさい。でもむりだったの!あんな、恥ずかしいからっ……」

絶頂を迎えて息も絶え絶えになりながら、私は昌治さんにわけのわからない謝罪をしていた。
昌治さんは少し驚いたような顔をしていたけど、それはすぐに笑みに変わる。そして信じがたいことに頬についたそれを指先で拭って、ぺろりと舐めた。

「あ……う……」
「最高だ、楓。お前にならどれだけ汚されても構わない」

この人何を言ってんだと思ったけど、その声すら私の肌は快楽としてそれを処理して、体を疼かせる。
そんな私の秘部の様子を確かめるように、昌治さんは人差し指でそこを掬う。濡れるどころか既に溢れたそこは、なんの抵抗もなく昌治さんの指を飲み込んだ。

「すぐに気持ちよくしてやる」
「もう十分……ひっ!」
「駄目だろ、まだ理性残ってんじゃねぇか」

いや、確かに気持ちよくなりたいとは言いましたけど、これ以上変なこと口走りたくないので理性だけは残しておいてほしいかなぁ、なんて……というか理性って普通に必要なものでは?
うわ言みたいなりつつそう伝えるけど、昌治さんはハッと笑って指を更に奥へ差し込んだ。

「ふえっ!ちょ、だめです!」
「嫌がる楓も唆るが、今日は素直になっといた方が、後が楽だぞ」

後が楽もなにも、既に結構きてるのですが。
指先は意味もなく閉じたり開いたりしてるし、背中は汗でぐっしょりと濡れている。ベッドと一体化するんじゃないかってくらい力が抜け切ってぐずぐずだ。
気付けば浴衣を脱ぎ捨てていた昌治さんに、ベッドからだらりと垂れ下がっていた私の脚を再び持ち上げられる。そして昌治さんは脚の間に熱く屹立するそれをぴたりとあてがった。

「しょ、うじさん、まって……」

こんな状態で昌治さんのものを挿れられたら、どうなるかわかんない。すっかり熱く熟れた私の中はぴくぴく震えながらそれを求めているけど、頭の中で耳かき一杯分ほど残っていた理性が消えたくないと訴えてくる。

「無駄って言ったろ。明日の朝、立てると思うなよ?」

愉悦を含んだ笑みを浮かべた昌治さんは、そのまま勢いよく私の中を穿つ。
一瞬のうちに、奥まで熱いもので支配された。
その圧倒的な快楽を前にして、蝋燭の火が一瞬で消えるみたいに理性は散った。

「ああっ!んあっ!やっ……だめ、だめらってぇ!」

奥まで差し込まれたそれは一気に引き抜かれたと思ったら、すぐに再び強い力で押し込まれる。
何度も何度も奥に熱いものが叩き付けられて、その度に徐々に質量を増していく。擦られている内壁はそれを感じて締め付けを強めた。

「……っ、楓、そんな強く食うな」
「ちが……」

目の前がチカチカする。昌治さんがちょっと苦しそうにしているのが見えるけど、体が言う事をきかなくて、むしろ締め付けは強まるばかりだ。

「ワザとやってんのか?」
「だから、ちがいます、って……んあっ!」

対抗するように、昌治さんは一層強く腰を打ち付ける。
肌が肌を打つ高い音と私の喘ぎが、静かな客室でひたすらにうるさく鳴っていた。
何度突かれたのかとっくにわからなくなって、互いの体の疼きが最高潮に達したとき、私の奥にコツンと昌治さんの先端が当たって二度目の絶頂を迎えた。
それと同時に、熱いものが私の中で広がっていく。

「あああっ!」

体をビクビク痙攣させて息も絶え絶えの私を見下ろす昌治さんも、肩を揺らして荒く息をはいていた。

「お前……もう、絶対に俺の前からいなくなるなよ」
「い、言われなくたって、そうです……よ?」

昌治さんは珍しく余裕のない表情を浮かべながら、汗でべったりと額に張り付いていた私の髪を払う。心の底から愛おしげに頬を撫でられて、疲れ切っていた私はその心地よさに負けて思わずうっとりと昌治さんを見上げていた。

「ああ、最高に可愛い。お前は俺だけのモンだ。その顔、もっと俺を覚えさせて、ぐちゃぐちゃにしてやりたい。乱れて、感じて、俺のことしか考えられなくなるくらい、俺無しじゃ生きられないようにしたい」

なんか、凄まじい事を言われている気がする。
ちょっとレベルが高すぎて付いていけないなーと思うのに、それを望むように私の中が蠢いた。
まだ中に入っているので、昌治さんは当然それを感じたわけで……

「楓」
「は、はい……」

嫌な予感がした。昌治さんの目がいよいよ据わってきて、同時に獣のように獰猛な光が宿り始める。
射竦められたように体が動かなくなって、背筋がゾクゾクした。

「念のため聞いとくが、明日は本当に予定無いんだよな」

確かめるように、昌治さんの親指が私の唇に触れた。それはそのまま口の中に入り込んで優しく歯をなぞる。
特に無いですけど、なぜ今それをわざわざお尋ねに……?え、適当に何かあるって言っておくべき?予定が無いことと今のこの状況と、何の関係があるんでしょうか。
ダラダラと冷や汗をかきながら黙って昌治さんを見上げているうちに、先ほどまでは精を吐き出してほんの少し存在感を減じていた昌治さんのものが、だんだんとその存在を主張し始めて……

「明日ちゃんと休む時間はやる。だから、俺がいいって言うまで今夜は寝んなよ?」

なんで寝るのが許可制なんですか、なんて言えるはずもない。当然ながら一切拒否権もなくて、沈黙を肯定と受け取った昌治さんは、獲物を目の前にした肉食獣みたいな笑みを浮かべた。
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