41 / 132
1章
41.#ヤクザさんのお屋敷5
しおりを挟む
それから後のことは、覚えている。嫌というくらい。
明かりの消えた暗い闇の中で、私はもう疲れ切ってぐずぐずになっていたのに、昌治さんはなぜかとても元気で、何度も私の中で達していた。
「も、だめ……しょ、じさん……」
酷使されまくった喉は枯れていた。掠れた声で私は抵抗しながらも、体は貪欲に刺激を求めて昌治さんのものを呑み込んでいる。
動きは前よりは激しくなくなったけど、優しく撫でるようにされるのは逆にぞわぞわするといいますか……
窓からちょうど月が顔を出して、畳に明るい影を落としていた。
「……楓」
名前を呼ぶ昌治さんの荒い息遣いが、すぐ近くから聞こえてくる。
後ろからきつく抱き締めていた腕が緩んで、私は壊れ物みたいに昌治さんに包まれた。
昌治さんはそのままじっと動かない。
「好きだ」
唐突に、そう囁かれる。
これだけ淫らなことをされて、自分からも求めたりしたのに、なぜかそれが一番恥ずかしいと同時に嬉しくて、全身の細胞が赤くなってるんじゃないかな、ってくらい熱くなった。
「……どうして、私なんですか」
私だって、昌治さんのことが好きだ。これまでのことが全部私のためだったって気付いて、その思いが嬉しくて、そんな不器用なところを好きになった。
昌治さんは、いったいどうして、私を……
「どうしてだろうな」
俺にもわからない、と昌治さんは言った。
「初めて会った日、出てった俺に向かってお前、礼言ったろ?」
それは、昌治さんに命助けてもらいましたから。お礼言うのは当然だと思って。まあ、あの時は正直強盗より昌治さんの方が怖かったけど。
「あんな風に礼を言われたの、初めてだった。礼なんざいつでもされるが……あれは、とにかく新鮮だった」
私を抱く昌治さんの腕に、僅かに力がこもる。
「裏表とか下心みたいな、そういうもんのない礼が、純粋に嬉しかったんだ」
強盗に大いにビビってた私に、まさかお礼を言われるなんて思ってもいなかったらしい。
「事務所戻ってからもその感じが忘れられなかった。自分でもわけがわからなくてな、次の日に会ってみれば何かわかるんじゃないかと思った」
「いやあの日、いきなり車に乗せられて、めちゃくちゃ怖かったんですよ」
思わず言ってしまった。だって、会えばわかるどころかあれ誘拐みたいなもんでしたよ……
「怯えさせるつもりはなかったんだが、あのとき楓を見たら、すぐにでも俺のものにしたくなった」
だからあんな拉致まがいな感じになった、と。
「理性保つのがあんなに難しいとはな……」
え、まさか私、あの時点でけっこうまずい状況だったということですか。そういえば、膝枕っぽい状態にされてたような、そうじゃなかったような……
「あとはお前が迫田を庇った時だな。明らかに俺にビビって震えてんのに、必死になってるのがたまらなく愛おしかった。さすがにカタギの嬢ちゃんを無理矢理っうのはまずいのはわかってたからやめたが」
「あ、ありがとうございました?」
そのときの昌治さんの理性に一応、お礼をしておこう。っていうか昌治さん、さっきからさらっと恥ずかしいこと言ってませんか。
昌治さんはフッと笑った。
「まあ、さっきまでは何の役にも立っていなかったがな」
そう言って突然、昌治さんは腰を揺する。
「ひゃっ!」
思い出したように体がビクッと跳ねて、嬌声が漏れる。
「可愛いな、楓」
「ちょっ……もう終わり……っ!」
再び始まった律動。先程までの緩やかな時間はそのための休憩だったと言わんばかりに、激しく胸と秘部を愛撫される。
「も、むりっ!ねぇ、しょ……んんっ!」
月明かりで薄明るくなってきていて、たぶん私の顔が昌治さんには見えている。そう思ったら余計に……
「手をどけろ。楓の可愛い顔が見えない」
「だめですって」
変な声をあげてるところ、見られたくないんです。
「仕方ねぇな」
昌治さんは短くため息をついた。
諦めてくれるのかな……そう思ってたけど、違った。
それまで胸を弄っていた手で私の手首を掴んで、無理矢理下ろさせる。そしてその先は……
「んんっ!」
私と昌治さんが繋がっている部分。
指先でちょっと触っただけなのに、そこが帯びる湿り気と熱で、指が溶けそうだ。
さすがにこれ以上は無理だと涙目で後ろの昌治さんを見たら、微笑んでいた。その目は熱を孕んでいる。
「わかりました!わかりましたって!」
私はそこでなんとか昌治さんの手を振りほどいた。自分の指先だけど、直視できないからどうにもならない。
「楓もわかってくれたなら、そろそろ寝るか」
そう言って昌治さんは再び私を後ろから抱きしめた。
うう、私は寝れる精神状態じゃないんですけど……
でもまあ、とりあえず終わりってことでいいのかな。
「じゃあ昌治さん……」
もう抜いてください、と言ったら、返事がない。代わりに規則的な寝息が聞こえてきた。
……え、このまま寝るの!?
その、入ったまま、なんですがっ!?
せめて抜こうと身をよじるけど、ぎゅっと抱き締められていて動けない。実は起きてません?ねえ!
明かりの消えた暗い闇の中で、私はもう疲れ切ってぐずぐずになっていたのに、昌治さんはなぜかとても元気で、何度も私の中で達していた。
「も、だめ……しょ、じさん……」
酷使されまくった喉は枯れていた。掠れた声で私は抵抗しながらも、体は貪欲に刺激を求めて昌治さんのものを呑み込んでいる。
動きは前よりは激しくなくなったけど、優しく撫でるようにされるのは逆にぞわぞわするといいますか……
窓からちょうど月が顔を出して、畳に明るい影を落としていた。
「……楓」
名前を呼ぶ昌治さんの荒い息遣いが、すぐ近くから聞こえてくる。
後ろからきつく抱き締めていた腕が緩んで、私は壊れ物みたいに昌治さんに包まれた。
昌治さんはそのままじっと動かない。
「好きだ」
唐突に、そう囁かれる。
これだけ淫らなことをされて、自分からも求めたりしたのに、なぜかそれが一番恥ずかしいと同時に嬉しくて、全身の細胞が赤くなってるんじゃないかな、ってくらい熱くなった。
「……どうして、私なんですか」
私だって、昌治さんのことが好きだ。これまでのことが全部私のためだったって気付いて、その思いが嬉しくて、そんな不器用なところを好きになった。
昌治さんは、いったいどうして、私を……
「どうしてだろうな」
俺にもわからない、と昌治さんは言った。
「初めて会った日、出てった俺に向かってお前、礼言ったろ?」
それは、昌治さんに命助けてもらいましたから。お礼言うのは当然だと思って。まあ、あの時は正直強盗より昌治さんの方が怖かったけど。
「あんな風に礼を言われたの、初めてだった。礼なんざいつでもされるが……あれは、とにかく新鮮だった」
私を抱く昌治さんの腕に、僅かに力がこもる。
「裏表とか下心みたいな、そういうもんのない礼が、純粋に嬉しかったんだ」
強盗に大いにビビってた私に、まさかお礼を言われるなんて思ってもいなかったらしい。
「事務所戻ってからもその感じが忘れられなかった。自分でもわけがわからなくてな、次の日に会ってみれば何かわかるんじゃないかと思った」
「いやあの日、いきなり車に乗せられて、めちゃくちゃ怖かったんですよ」
思わず言ってしまった。だって、会えばわかるどころかあれ誘拐みたいなもんでしたよ……
「怯えさせるつもりはなかったんだが、あのとき楓を見たら、すぐにでも俺のものにしたくなった」
だからあんな拉致まがいな感じになった、と。
「理性保つのがあんなに難しいとはな……」
え、まさか私、あの時点でけっこうまずい状況だったということですか。そういえば、膝枕っぽい状態にされてたような、そうじゃなかったような……
「あとはお前が迫田を庇った時だな。明らかに俺にビビって震えてんのに、必死になってるのがたまらなく愛おしかった。さすがにカタギの嬢ちゃんを無理矢理っうのはまずいのはわかってたからやめたが」
「あ、ありがとうございました?」
そのときの昌治さんの理性に一応、お礼をしておこう。っていうか昌治さん、さっきからさらっと恥ずかしいこと言ってませんか。
昌治さんはフッと笑った。
「まあ、さっきまでは何の役にも立っていなかったがな」
そう言って突然、昌治さんは腰を揺する。
「ひゃっ!」
思い出したように体がビクッと跳ねて、嬌声が漏れる。
「可愛いな、楓」
「ちょっ……もう終わり……っ!」
再び始まった律動。先程までの緩やかな時間はそのための休憩だったと言わんばかりに、激しく胸と秘部を愛撫される。
「も、むりっ!ねぇ、しょ……んんっ!」
月明かりで薄明るくなってきていて、たぶん私の顔が昌治さんには見えている。そう思ったら余計に……
「手をどけろ。楓の可愛い顔が見えない」
「だめですって」
変な声をあげてるところ、見られたくないんです。
「仕方ねぇな」
昌治さんは短くため息をついた。
諦めてくれるのかな……そう思ってたけど、違った。
それまで胸を弄っていた手で私の手首を掴んで、無理矢理下ろさせる。そしてその先は……
「んんっ!」
私と昌治さんが繋がっている部分。
指先でちょっと触っただけなのに、そこが帯びる湿り気と熱で、指が溶けそうだ。
さすがにこれ以上は無理だと涙目で後ろの昌治さんを見たら、微笑んでいた。その目は熱を孕んでいる。
「わかりました!わかりましたって!」
私はそこでなんとか昌治さんの手を振りほどいた。自分の指先だけど、直視できないからどうにもならない。
「楓もわかってくれたなら、そろそろ寝るか」
そう言って昌治さんは再び私を後ろから抱きしめた。
うう、私は寝れる精神状態じゃないんですけど……
でもまあ、とりあえず終わりってことでいいのかな。
「じゃあ昌治さん……」
もう抜いてください、と言ったら、返事がない。代わりに規則的な寝息が聞こえてきた。
……え、このまま寝るの!?
その、入ったまま、なんですがっ!?
せめて抜こうと身をよじるけど、ぎゅっと抱き締められていて動けない。実は起きてません?ねえ!
22
お気に入りに追加
2,728
あなたにおすすめの小説


愛する殿下の為に身を引いたのに…なぜかヤンデレ化した殿下に囚われてしまいました
Karamimi
恋愛
公爵令嬢のレティシアは、愛する婚約者で王太子のリアムとの結婚を約1年後に控え、毎日幸せな生活を送っていた。
そんな幸せ絶頂の中、両親が馬車の事故で命を落としてしまう。大好きな両親を失い、悲しみに暮れるレティシアを心配したリアムによって、王宮で生活する事になる。
相変わらず自分を大切にしてくれるリアムによって、少しずつ元気を取り戻していくレティシア。そんな中、たまたま王宮で貴族たちが話をしているのを聞いてしまう。その内容と言うのが、そもそもリアムはレティシアの父からの結婚の申し出を断る事が出来ず、仕方なくレティシアと婚約したという事。
トンプソン公爵がいなくなった今、本来婚約する予定だったガルシア侯爵家の、ミランダとの婚約を考えていると言う事。でも心優しいリアムは、その事をレティシアに言い出せずに悩んでいると言う、レティシアにとって衝撃的な内容だった。
あまりのショックに、フラフラと歩くレティシアの目に飛び込んできたのは、楽しそうにお茶をする、リアムとミランダの姿だった。ミランダの髪を優しく撫でるリアムを見た瞬間、先ほど貴族が話していた事が本当だったと理解する。
ずっと自分を支えてくれたリアム。大好きなリアムの為、身を引く事を決意。それと同時に、国を出る準備を始めるレティシア。
そして1ヶ月後、大好きなリアムの為、自ら王宮を後にしたレティシアだったが…
追記:ヒーローが物凄く気持ち悪いです。
今更ですが、閲覧の際はご注意ください。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ヤンデレ旦那さまに溺愛されてるけど思い出せない
斧名田マニマニ
恋愛
待って待って、どういうこと。
襲い掛かってきた超絶美形が、これから僕たち新婚初夜だよとかいうけれど、全く覚えてない……!
この人本当に旦那さま?
って疑ってたら、なんか病みはじめちゃった……!



極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる