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1章
14.ヤクザさんはお客様3
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岩峰さんに肉まんを差し上げてから、なぜかほぼ毎日のように岩峰さんがコンビニに肉まんを買いに来るようになった。
そんなに気に入ってくださったのでしょうか。まあ、美味しいですけど。
でもなぜか、私がシフトに入っている日しか来ていないそうだ。そしてそうなると必然的に、私が岩峰さん担当みたいになった。解せぬ。
あれかな、顔見知りの方が買いやすいのかな?確かに岩峰さんみたいな立場だとコンビニとか来づらいのかもしれない。そう思おう。そうに違いない。
そういえばまた、監視の担当の人が変わった。せっかく直したのにな、鶴田さんのコートのボタン。まあ皆さん忙しいんですよね。
でもここ最近はもうコンビニ強盗の話題も下火になってきてるし、私なんかを襲うなんてこと起こらない気がする。だとしたら監視、いらないと思うのですが。
監視自体は必要かなと思っていたから不快ではなく、むしろありがたくはあった。
でもそろそろ申し訳ないし、大原さんに大丈夫ですってお伝えしておこう。メールでいいかな。
「楓、昼は学食行かない?」
大原さんに送るメールの文面を考えていたら、ゼミに行っていたはずの美香が戻ってきていた。
「ゼミはいいの?」
「教授が午後から出張らしくて今終わったんだー。というわけで暇になったから付き合って」
「はいはい。ちょっとメールだけさせて」
「……あれ?スマホ変えたの?」
あ、しまった。普通に使ってしまった。
「古いの貰ったんだ。この前帰省したとき」
「ふーん。いいなー、二台持ち」
「そ、そうでもないよ?」
だってこれ、ヤクザさんとのホットラインだよ?なんつーものを大学に持って来ているんだとは思ってるけど、せっかくお借りしてるので持っていた方がいいかなと。
何かあった時困るし。
「え?コンビニのお客さんが気になる?」
昼休みに学食でご飯を食べながら、私はなんとなく美香にここ最近のことを話してみることにした。もちろんヤクザとかは言わないけど。
「うん。まあ」
スプーンでカレーを掬った状態で、美香は固まった。
「これまで浮いた話一つなかった楓に?ようやく楓に春が来た感じ?」
美香はスプーンを皿の上に置いて、私の方へ顔を近付ける。ん?なんか勘違いされてないか?
「いや、春って何?私は別にその人が好きとかじゃなくて、なんか気になるというか……」
私は美香にコンビニによく来るお客さんがいるんだけど、と話をする。
「え、それ絶対楓に気があるんじゃない?だって楓がシフトに入ってる時しか来ないんでしょ?」
「他のバイトの人に聞いてみた感じはそうみたいなんだけど、それ自体は珍しくないよ。ほら、ウチのコンビニのシフト曜日固定だから、そういう習慣の人とかだと毎週会うというか……」
実際、毎週同じくらいの時間に来るお客さんは多い。来ないとむしろ、今日は来ないねーという風になる。
「じゃあ何で気になるの?」
「その人とはちょっと接点があるというか、常連さんじゃなくて、知り合った後から来るようになったんだよね」
「なにそれ。やっぱ絶対楓に会いに来てるって、その客」
え、そうなる?
「普通に考えたらそうじゃない?」
普通に、考える……?
「例えば、私がバイトしてる喫茶店に、私がバイトに入ってくる時だけ来るお客さんがいるって言ったら、楓はどう思う?」
「店のコーヒー気に入ったのかなって思う」
「……」
あれ?なんか呆れられてる?だってお店にわざわざ来るってそうでしょ。
「……うん。楓は、そのままでいいと思う。ごめん私が悪かった」
「絶対そう思ってないでしょ。え、そんなに変?」
「素直というかなんというか……じゃあ逆に、楓に好きな人がいたとして、バイト先とシフトがわかってたら行きたいでしょ?その人がいるときに」
まあ、そうかも。そうかもっ!?え……は?いやでもそんなわけない。だって岩峰さんヤクザだし。私みたいなのを眼中に入れる意味がなくない?
「え、そんなあり得ない感じなの?」
「だって変わった人だし、住んでる世界が違うというか」
「でもさ、通われてるのは事実なんでしょ?」
「通うって……言い方!」
いつの時代だ。
ていうか……え?そういう認識になるのかこれは。
ちょっと思い返してみよう。
えーと、迫田さんを殴った、たかが小娘一人のために人手を割いて見張りを付けた、目が合うと逸らされる、下の名前で呼べと言った、私がバイトをしている夜にだけ肉まんを買いに来る……
ん?私のためにわざわざ……?私の、ために……?それはまさか……いやいや。
強盗が逆恨み的な感じで私を襲うかもしれないから、強盗を確保したい岩峰さんたちがそのオマケで、私の護衛みたいなことをしてくれているだけだ。
だから、そんなわけない。そんなはず……ない、よね……?
心臓がドクドクを通り越してバクバクしている。
自意識過剰すぎかな?いや、でも……考え出したら止められない。
「……んで?そのお客さんってどうなの?」
「どうなのって……」
思考がまとまっていないんだけど……
「決まってるでしょ。カッコいいのかどうなのか聞いてるの」
んーと、岩峰さんの顔……?強面プラス威圧感で怖い顔。目付きは氷のナイフで、表情はいつも気難しい不機嫌な感じ。
……あれ?人の顔に対して思うの非常に失礼と思うけど、カッコいい点あるのかこれ。
「微妙なの?だったらまあ、楓が悩むのもわかるけど」
「いや、そうじゃなくて、微妙とかそんなものじゃないというか……」
「逆なの!?そんな悩むくらいのイケメンなの!?」
そう言えばこの子、面食いだった。夏休みの予定はアイドルグループ追っかけ遠征とその軍資金集めのバイトでほぼ埋まってるんだっけ。
「美香好みの顔ではないと思うけど……」
「あ、そうなの」
そこでスッと岩峰さんの顔面に対する興味がなくなったらしく、美香のテンションが2割くらい下がった。わかりやすい。
まあ事実、美香の好みは恋愛ドラマに出てくるような甘いマスクの美男子だ。岩峰さんとは真逆である。
「楓的にはその人どうなの?アリなの?」
「え、アリかナシかって言われても……」
判断する以前の問題というか、住む世界が違うというか、私ごときが判断するのは烏滸がましい気がするんですよ。
「ナシだったらさ、はっきり言った方がいいんじゃない?」
「まあそうだけど、はっきり言えたら苦労しないというか……」
ヤクザ、というか岩峰さん相手にハッキリ言う勇気があったら、コンビニ強盗の時に自力でなんとかできてた気がする。
アリかナシかの問題じゃなくて、そもそもありえないと思うの。
「てか楓って結構シフト入ってるよね。しかも夜。そんな毎回、そのお客さん何買ってくの?」
「……肉まん」
「肉まん?」
「なんか、大好きみたいで」
そう。毎回来ては肉まんを買って帰っていく。この頃はレジに直行してきて肉まんを買って帰られるので、滞在時間はかなり短くなった。
「まあ、そこは個人の好みか……そういえば昨日、近所のスーパーでヤンキーっぽい兄ちゃんが買い物かごに6パックくらい肉まん入れてたなぁ。それ見てたら私も食べたくなって買っちゃったし」
「まあ、肉まんは美味しいからね」
そう、岩峰さんが好きなのは肉まん。私なわけがない。うん。
そんなに気に入ってくださったのでしょうか。まあ、美味しいですけど。
でもなぜか、私がシフトに入っている日しか来ていないそうだ。そしてそうなると必然的に、私が岩峰さん担当みたいになった。解せぬ。
あれかな、顔見知りの方が買いやすいのかな?確かに岩峰さんみたいな立場だとコンビニとか来づらいのかもしれない。そう思おう。そうに違いない。
そういえばまた、監視の担当の人が変わった。せっかく直したのにな、鶴田さんのコートのボタン。まあ皆さん忙しいんですよね。
でもここ最近はもうコンビニ強盗の話題も下火になってきてるし、私なんかを襲うなんてこと起こらない気がする。だとしたら監視、いらないと思うのですが。
監視自体は必要かなと思っていたから不快ではなく、むしろありがたくはあった。
でもそろそろ申し訳ないし、大原さんに大丈夫ですってお伝えしておこう。メールでいいかな。
「楓、昼は学食行かない?」
大原さんに送るメールの文面を考えていたら、ゼミに行っていたはずの美香が戻ってきていた。
「ゼミはいいの?」
「教授が午後から出張らしくて今終わったんだー。というわけで暇になったから付き合って」
「はいはい。ちょっとメールだけさせて」
「……あれ?スマホ変えたの?」
あ、しまった。普通に使ってしまった。
「古いの貰ったんだ。この前帰省したとき」
「ふーん。いいなー、二台持ち」
「そ、そうでもないよ?」
だってこれ、ヤクザさんとのホットラインだよ?なんつーものを大学に持って来ているんだとは思ってるけど、せっかくお借りしてるので持っていた方がいいかなと。
何かあった時困るし。
「え?コンビニのお客さんが気になる?」
昼休みに学食でご飯を食べながら、私はなんとなく美香にここ最近のことを話してみることにした。もちろんヤクザとかは言わないけど。
「うん。まあ」
スプーンでカレーを掬った状態で、美香は固まった。
「これまで浮いた話一つなかった楓に?ようやく楓に春が来た感じ?」
美香はスプーンを皿の上に置いて、私の方へ顔を近付ける。ん?なんか勘違いされてないか?
「いや、春って何?私は別にその人が好きとかじゃなくて、なんか気になるというか……」
私は美香にコンビニによく来るお客さんがいるんだけど、と話をする。
「え、それ絶対楓に気があるんじゃない?だって楓がシフトに入ってる時しか来ないんでしょ?」
「他のバイトの人に聞いてみた感じはそうみたいなんだけど、それ自体は珍しくないよ。ほら、ウチのコンビニのシフト曜日固定だから、そういう習慣の人とかだと毎週会うというか……」
実際、毎週同じくらいの時間に来るお客さんは多い。来ないとむしろ、今日は来ないねーという風になる。
「じゃあ何で気になるの?」
「その人とはちょっと接点があるというか、常連さんじゃなくて、知り合った後から来るようになったんだよね」
「なにそれ。やっぱ絶対楓に会いに来てるって、その客」
え、そうなる?
「普通に考えたらそうじゃない?」
普通に、考える……?
「例えば、私がバイトしてる喫茶店に、私がバイトに入ってくる時だけ来るお客さんがいるって言ったら、楓はどう思う?」
「店のコーヒー気に入ったのかなって思う」
「……」
あれ?なんか呆れられてる?だってお店にわざわざ来るってそうでしょ。
「……うん。楓は、そのままでいいと思う。ごめん私が悪かった」
「絶対そう思ってないでしょ。え、そんなに変?」
「素直というかなんというか……じゃあ逆に、楓に好きな人がいたとして、バイト先とシフトがわかってたら行きたいでしょ?その人がいるときに」
まあ、そうかも。そうかもっ!?え……は?いやでもそんなわけない。だって岩峰さんヤクザだし。私みたいなのを眼中に入れる意味がなくない?
「え、そんなあり得ない感じなの?」
「だって変わった人だし、住んでる世界が違うというか」
「でもさ、通われてるのは事実なんでしょ?」
「通うって……言い方!」
いつの時代だ。
ていうか……え?そういう認識になるのかこれは。
ちょっと思い返してみよう。
えーと、迫田さんを殴った、たかが小娘一人のために人手を割いて見張りを付けた、目が合うと逸らされる、下の名前で呼べと言った、私がバイトをしている夜にだけ肉まんを買いに来る……
ん?私のためにわざわざ……?私の、ために……?それはまさか……いやいや。
強盗が逆恨み的な感じで私を襲うかもしれないから、強盗を確保したい岩峰さんたちがそのオマケで、私の護衛みたいなことをしてくれているだけだ。
だから、そんなわけない。そんなはず……ない、よね……?
心臓がドクドクを通り越してバクバクしている。
自意識過剰すぎかな?いや、でも……考え出したら止められない。
「……んで?そのお客さんってどうなの?」
「どうなのって……」
思考がまとまっていないんだけど……
「決まってるでしょ。カッコいいのかどうなのか聞いてるの」
んーと、岩峰さんの顔……?強面プラス威圧感で怖い顔。目付きは氷のナイフで、表情はいつも気難しい不機嫌な感じ。
……あれ?人の顔に対して思うの非常に失礼と思うけど、カッコいい点あるのかこれ。
「微妙なの?だったらまあ、楓が悩むのもわかるけど」
「いや、そうじゃなくて、微妙とかそんなものじゃないというか……」
「逆なの!?そんな悩むくらいのイケメンなの!?」
そう言えばこの子、面食いだった。夏休みの予定はアイドルグループ追っかけ遠征とその軍資金集めのバイトでほぼ埋まってるんだっけ。
「美香好みの顔ではないと思うけど……」
「あ、そうなの」
そこでスッと岩峰さんの顔面に対する興味がなくなったらしく、美香のテンションが2割くらい下がった。わかりやすい。
まあ事実、美香の好みは恋愛ドラマに出てくるような甘いマスクの美男子だ。岩峰さんとは真逆である。
「楓的にはその人どうなの?アリなの?」
「え、アリかナシかって言われても……」
判断する以前の問題というか、住む世界が違うというか、私ごときが判断するのは烏滸がましい気がするんですよ。
「ナシだったらさ、はっきり言った方がいいんじゃない?」
「まあそうだけど、はっきり言えたら苦労しないというか……」
ヤクザ、というか岩峰さん相手にハッキリ言う勇気があったら、コンビニ強盗の時に自力でなんとかできてた気がする。
アリかナシかの問題じゃなくて、そもそもありえないと思うの。
「てか楓って結構シフト入ってるよね。しかも夜。そんな毎回、そのお客さん何買ってくの?」
「……肉まん」
「肉まん?」
「なんか、大好きみたいで」
そう。毎回来ては肉まんを買って帰っていく。この頃はレジに直行してきて肉まんを買って帰られるので、滞在時間はかなり短くなった。
「まあ、そこは個人の好みか……そういえば昨日、近所のスーパーでヤンキーっぽい兄ちゃんが買い物かごに6パックくらい肉まん入れてたなぁ。それ見てたら私も食べたくなって買っちゃったし」
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