お客様はヤのつくご職業

古亜

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1章

40.#ヤクザさんのお屋敷4

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ちょっと待ってください!まだ心の準備というか、そもそもいいって言ってないっ……!
バサッと音がして、昌治さんの浴衣が畳の上に投げ捨てられる。目の前には昌治さんの体が、包み隠さず見えていて、脇腹の辺りの斬られたらしい傷跡や、銃瘡?みたいなものまで、とにかく色々見えてしまう。
そして、下半身に、なにやら熱くて硬いものが触れているのを感じた。
いつの間にか両手は自由になっていたけど、鉛でできているみたいに重くて動かない。
昌治さんの両手は私の太ももをゆっくり撫でるように触れて、その間に上半身が離れていく。
熱病にうかされたみたいにぼんやりする頭は、もう何も考えることはできていない。

「悪いな、楓」

それまで優しく太ももに触れていたのに、突然ガッと掴まれて、私は脚を大きく広げさせられる。
私の脚の間に昌治さんがいて、私と目が合うと、微笑んだ。
同時に、太ももを掴む力が強くなって、体全体がグイっと昌治さんに近づく。
熱を帯びた何かが、私の中に入り込んだ。

「ひゃっ!」

指とは熱量も質量も比べ物にならない、明らかな異物感。
押し広げるようにゆっくりと進むそれは脈打ち、それに合わせるようにして私の中が勝手にピクピクと蠢く。

「しょ、うじさん、いたいっ!」

初めてが一番痛いというのはさすがに知っている。それはそうだ。こんなのが最初から入るわけがない。

「おねが、い……んんっ!抜いてぇ……」

私は唯一自由な両腕の力を振り絞って、ズズっと後ろに下がる。
少し、抜けた?頑張れば抜けられるかも?そう思って再び両腕に力を込めた。でも……

「ひあああっ!」

さらに強い力で引き寄せられる。一気に中で擦られて、全身がカッと熱くなった。

「まだだ。最後までいくぞ」
「さ、最後って……」

言い終える前に、昌治さんはグッと腰を突き出した。

「んあっ!いっ……だ、め……」

さらに奥深くに熱いものが入り込む。痛みと熱で何も考えられない。

「……っ、きついな」

昌治さんは誰にともなく呟く。そしていっそう強く、私の中に滾るそれを打ち込んだ。

「ね、ぬい……むりだ、って……」

とにかく、抜かないと。その一心で上半身を起こして後ろに逃げようとしたけど、逃がさないと言わんばかりに、昌治さんの爪先が敏感になった部分を弾く。
全身に暴力的なまでの快楽が走った。
それは電流のように全身を痺れさせて、私から抵抗する力を奪う。
全身の筋肉が弛緩したその瞬間、昌治さんのものが、私を完全に貫いた。

「いっ、あ、ああああっ!!」

喉が裂けそうなほどに叫ぶ。昌治さんも、苦悶の表情を浮かべながら小さく声を漏らした。
結合部が熱い。互いのものがそこで完全に密着して、離れない。
私の中も、昌治さんを離すまいとキュッと締まる。
それに反応するように、ピクリと昌治さんの肩が揺れた。

「あっ、んん……」

互いを密着させたまま、昌治さんはゆっくり腰を動かし始めた。
私の中で昌治さんのものは動かない。でも、僅かに角度は変わり、違う部分に刺激を与える。

「んっ……」

反応しているつもりはないのに、体は勝手に蜜を吐き出して、昌治さんの動きを助け始める。
徐々に動きは激しくなり、やがて肌と肌がぶつかり合う音が、喘ぎ声を上げる私の耳にも届いた。
互いのそこが濡れるほどに音は湿り気を帯び、高くなる。

「はげしっ……んっ!ああっ、もう、だ……いやぁっ!」
「……乱れる楓も可愛い」

だからもっと、見せてほしい。
昌治さんはそう言って中に入れたまま、私の上に覆い被さる。
それによって急に中のものの角度が変わった。

「んっ!あんまり、動かない、で……抜い、れ……」

言葉とは真逆に、私の中は喜ぶようにキュウキュウと昌治さんのものを締め付ける。それを感じている昌治さんは私の顔を見て、悪戯っぽく笑った。

「じゃあ抜くが、いいか?今日はもう終わりでいいか?」

そう、終わりにしようこんなこと。
頷こう。首を縦に振ればいい。わかっている。これ以上はダメだって、理性じゃわかってるのに……

「楓は、どうしたい?」

耳元で囁かれ、息を吹きかけられる。
いつの間にか昌治さんの背中に手を回していた腕が、理性とは裏腹にその引き締まった体を強く抱く。

「ぬい……て」
「……体は正直だぞ?楓」

昌治さんは結合部を優しく撫でる。
疲れ切っているはずの体が、ビクッと大きく跳ねた。

「それとも、体勢を変えるか?」

言うが早いか、昌治さんは勢いよく自身のものを抜いて、布団に溶けるようにぐずぐずになっていた私の体をひっくり返す。
うつ伏せになった私の腰を持ち上げ、昌治さんは再びゆっくりと、私の中にそれを入れた。

「ひっ……あっ……!」

すっかり熱く濡れたそこは、昌治さんのものをズブズブ咥え込んで、意識と無関係に蜜を溢れさせる。
昌治さんのものが奥に達する、そう感じて体が準備を勝手に始めたところで、ズッと引き抜かれた。
しかしそれが完全に出て行くことはなく、入り口と奥の手前を中途半端に行き来される。
擦れるたびに痺れるような快楽で体が震える。でも、一番大きい、理性も感情もなにもかも吹き飛してしまうくらいのものは訪れない。
準備は、できているのに。

「……し、うじさん……ねっ、がい……」

熱が、足りない。
もっと大きい熱がほしい。
はち切れる直前の風船みたいだ。パンパンに膨らんで、苦しい。あともう一押しで、破れるのに。そうなったら、楽になれるのに。
焦らすように、少しずつ空気を入れらるだけなんて、拷問だ。

「んっ!いれ、て……ひぁっ!」
「どうした?もう呑み込んでるだろう」

愉悦を含んだ昌治さんの声。それにすら反応してしまう自分が信じられなかった。
求めるように体を動かしても、のらりくらりと躱されて、私の求める快楽は訪れない。

「俺にしてほしいことがあるんだろう?言ってみろ」

そう言いながら、昌治さんはなおも焦らすようにゆるゆると腰を動かす。

「ううっ……やく、ざ……」

たちの悪さに思わず口にしてしまったそれを聞いた昌治さんは、一瞬動きを止めた。
そして、ククッと低く笑う。

「……そうだな、じゃあそれらしくしてやろうか?」

じっとりと汗ばむ背中を、昌治さんの指先がなぞる。それさえも感じて、喉が切なく震えた。
ほしい、もうやめて、嫌だ、苦しい、気持ちいい、もっと強く、だめ、楽になりたい……
言いたいことが支離滅裂で、ぐちゃぐちゃだ。僅かに残った理性が馬鹿な事を言うんじゃないと叱咤してくるけど、私の体の一番奥が、昌治さんを求めていた。

「そんなに苦しいなら、抜いてやろうか?」

悪戯っぽく昌治さんが笑い、腰を引く。
入り口まで、昌治さんのものが抜かれた。

「いやぁ……ぬかない、で……」

求めるように身をくねらせ、私はそれを求めた。
超えちゃいけない一線を超えてしまう。そんな理性の叫びは、もうどこか遠くからしか聞こえてこない。
そして、昌治さんの吐息が私の耳を掠めた瞬間、私の中で何かが弾けた。

「……っ、くださ……い。奥に、ほし……」
「わかった」

短く昌治さんが答えるなり、パンっと音を立てて昌治さんの腰が叩きつけられた。

「っあ……んんっ!」

さんざんお預けを食らい続けた私の中が、待ち焦がれた快楽に歓喜し、逃すまいときつく絡みついた。
それに反応するように、昌治さんのものが質量を増す。

「……っ」

昌治さんの口から、苦しげな音が漏れる。
そして、私の体内は白く染まった。
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