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若様は合わせたい
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学校帰り、俺はシャッターの目立つ商店街を歩いていた。
家の周辺はさほど栄えているわけではない。彩葉からすれば十分都会らしいが、絶対にそんなことはないと思う。
俺の少し前を制服をだらしなく着崩した高校生の集団が歩いていた。
冗談を言い合い馬鹿みたいに笑っているが、俺には何が面白いんだかさっぱりわからない。
「西田先輩の彼女、二股してたらしいぜ」
「マジか。流行りの不倫か?」
「ははっ、俺なんて絶賛三又中だ」
「なんだよそれ、ユッキーがかわいそうだろ。俺にくれよ」
「キープだキープ。どうせお互い本気じゃねぇし」
下品な笑い声がアーケードに響く。
この道を過ぎるまでの辛抱だと無視することにしたが、聞こえてるだけの俺の耳まで馬鹿になりそうな会話だ。
「俺だってイケメンだったらやってみてぇよそれ……なあ、あの子可愛くね?」
「お前の可愛いの基準低いだろ……うえっ、メチャクチャ可愛いじゃん。しかも和服かよ」
「え、どこだ?」
道の真ん中で立ち止まったその邪魔くさい集団を避け、ついでにその可愛い子とやらもいる方を見てみる。
「……彩葉?」
買い物帰りなのか、片手に袋を持った彩葉が何かの看板の前で立ち止まっていた。
俺にとっては見慣れているうちの家政婦の格好だから何とも思わなかったが、確かに今どき和服は目立つな。てか馬鹿集団に見られてるってのがなんかムカつく……
そう思っている間に、馬鹿集団が歩調を早めて彩葉の方に近付いていた。さすがに足音に気付いたのか彩葉は看板から顔を上げる。
「ええと、なにか?」
彩葉は驚きつつも微笑みながら対応する。月森の家なんていう男所帯で男の集団には慣れているというのもあるのか、変に緊張した様子はない。
「お姉さん今暇っすか?」
「ええと、すみません。仕事中なんですが、何か私に御用ですか?」
「ええ仕事?和服で?どういう仕事ですか」
「お手伝いです……すみません、通してください」
いつの間にか馬鹿集団4人に囲まれていた彩葉は、困ったように微笑みながらその間を抜けようとする。
だが馬鹿達がそれを許すはずもなく、彩葉は壁に背を向けて立ち止まった。
彩葉なら簡単に抜けられると思うが、手荒にはしたくないからかどうしたものかと思案顔をしている。
「お手伝いって、家政婦さんとか?マジかウチ来てくださいよ。めっちゃ部屋汚いんですよね」
「手料理とかも食ってみてぇなぁ。この面子ん中じゃ俺んちが一番近いですよ」
「いや、その……」
「色々、教えてくれませんかねぇ?」
ニヤニヤ笑いながら馬鹿集団は彩葉に詰め寄る。彩葉がそれに対し自信なさげに断るだけだからか、増長した馬鹿集団の1人が彩葉の腕を掴んだ。
……なんで振り払わねぇんだよ。そもそもあの馬鹿ども、自分が誰に手を出してるのかわからねぇのか。
「すみません、そろそろ戻りたいので……」
「堅いこと言わないで、ちょっとサボったって大丈夫でしょ」
「仕事って、見た感じ俺らとタメっしょ。遊んどかないと損じゃね?」
「ですから……」
「断るんならはっきり言った方がいいぞ」
ついに我慢できなくなり、馬鹿集団の後ろに立って馬鹿どもを睨んだ。
ようやく俺に気付いた彩葉は目を見開く。そしてぶんぶん首を振った。目が危ないから近寄らないでほしいと言っているが、危ないのは今のお前の状況とお前だからな?
「なんだよガキじゃねぇか」
「俺はこの姉ちゃんに用があるんだ。ガキはお家に帰って宿題でもしてな?」
「そうです!私には構わず宿題をなさってください!」
なんでお前まで同調してんだよ。宿題なら休み時間のうちにとっくに終わらせてあるっての。
「なんだお前ボッチか」
「お友達と外でサッカーしたっていいんですよ?」
「余計なお世話だ!」
馬鹿集団はともかく、なんで彩葉まで加わってんだよ。だめだ彩葉のやつ、俺の手を煩わせたくないとか考えてるな。早く帰れ?お前もだ。
「ガキの言うことなんて気にせず遊ぼうぜ。別にご主人様に見られてるわけじゃねぇんだろ?」
「そ、それはその……」
言いづらそうにちらっと俺を見る。まあそうだな、思いっきり見られてるぞ彩葉。
「邪魔だちびっ子」
彩葉に気を取られているうちに、馬鹿集団の1人が俺の肩を軽く押して除けようとした。
まずいなこれ。俺がじゃなくて、この馬鹿集団が。
まあ不可抗力か、と思っていたところにボゴッとまずい音がする。
次の瞬間には、俺を小突いた男が視界から消えて、少し離れたところから別の凄まじい音がした。
「な……」
馬鹿集団が馬鹿のように口を開けて道の反対側を見ていた。
シャッターにぶつかり伸びている俺を小突いた馬鹿。よく飛んだな。
俺の目の前に、伸ばされた彩葉の両腕があった。
「今、ご自分が何をなさったかおわかりですか?」
笑顔のまま、すっかり伸びている男の方に近寄る彩葉。ああ、終わったなあの馬鹿。
彩葉は男の首根っこを掴んで持ち上げる。男の足先はだらりと垂れ下がって地面についていない。
「今ので若様が転倒して、怪我をしたらどう責任をとってくださるのですか?もし若様の綺麗なお顔に一生残る怪我となっていたら、私あなたのこと隣町くらいまで吹き飛ばしていましたよ?聞いていらっしゃいますか?」
いや、気絶させたのお前だろ。
八代彩葉を端的に説明するなら、阿保で怪力な月森の家政婦、だな。
家の周辺はさほど栄えているわけではない。彩葉からすれば十分都会らしいが、絶対にそんなことはないと思う。
俺の少し前を制服をだらしなく着崩した高校生の集団が歩いていた。
冗談を言い合い馬鹿みたいに笑っているが、俺には何が面白いんだかさっぱりわからない。
「西田先輩の彼女、二股してたらしいぜ」
「マジか。流行りの不倫か?」
「ははっ、俺なんて絶賛三又中だ」
「なんだよそれ、ユッキーがかわいそうだろ。俺にくれよ」
「キープだキープ。どうせお互い本気じゃねぇし」
下品な笑い声がアーケードに響く。
この道を過ぎるまでの辛抱だと無視することにしたが、聞こえてるだけの俺の耳まで馬鹿になりそうな会話だ。
「俺だってイケメンだったらやってみてぇよそれ……なあ、あの子可愛くね?」
「お前の可愛いの基準低いだろ……うえっ、メチャクチャ可愛いじゃん。しかも和服かよ」
「え、どこだ?」
道の真ん中で立ち止まったその邪魔くさい集団を避け、ついでにその可愛い子とやらもいる方を見てみる。
「……彩葉?」
買い物帰りなのか、片手に袋を持った彩葉が何かの看板の前で立ち止まっていた。
俺にとっては見慣れているうちの家政婦の格好だから何とも思わなかったが、確かに今どき和服は目立つな。てか馬鹿集団に見られてるってのがなんかムカつく……
そう思っている間に、馬鹿集団が歩調を早めて彩葉の方に近付いていた。さすがに足音に気付いたのか彩葉は看板から顔を上げる。
「ええと、なにか?」
彩葉は驚きつつも微笑みながら対応する。月森の家なんていう男所帯で男の集団には慣れているというのもあるのか、変に緊張した様子はない。
「お姉さん今暇っすか?」
「ええと、すみません。仕事中なんですが、何か私に御用ですか?」
「ええ仕事?和服で?どういう仕事ですか」
「お手伝いです……すみません、通してください」
いつの間にか馬鹿集団4人に囲まれていた彩葉は、困ったように微笑みながらその間を抜けようとする。
だが馬鹿達がそれを許すはずもなく、彩葉は壁に背を向けて立ち止まった。
彩葉なら簡単に抜けられると思うが、手荒にはしたくないからかどうしたものかと思案顔をしている。
「お手伝いって、家政婦さんとか?マジかウチ来てくださいよ。めっちゃ部屋汚いんですよね」
「手料理とかも食ってみてぇなぁ。この面子ん中じゃ俺んちが一番近いですよ」
「いや、その……」
「色々、教えてくれませんかねぇ?」
ニヤニヤ笑いながら馬鹿集団は彩葉に詰め寄る。彩葉がそれに対し自信なさげに断るだけだからか、増長した馬鹿集団の1人が彩葉の腕を掴んだ。
……なんで振り払わねぇんだよ。そもそもあの馬鹿ども、自分が誰に手を出してるのかわからねぇのか。
「すみません、そろそろ戻りたいので……」
「堅いこと言わないで、ちょっとサボったって大丈夫でしょ」
「仕事って、見た感じ俺らとタメっしょ。遊んどかないと損じゃね?」
「ですから……」
「断るんならはっきり言った方がいいぞ」
ついに我慢できなくなり、馬鹿集団の後ろに立って馬鹿どもを睨んだ。
ようやく俺に気付いた彩葉は目を見開く。そしてぶんぶん首を振った。目が危ないから近寄らないでほしいと言っているが、危ないのは今のお前の状況とお前だからな?
「なんだよガキじゃねぇか」
「俺はこの姉ちゃんに用があるんだ。ガキはお家に帰って宿題でもしてな?」
「そうです!私には構わず宿題をなさってください!」
なんでお前まで同調してんだよ。宿題なら休み時間のうちにとっくに終わらせてあるっての。
「なんだお前ボッチか」
「お友達と外でサッカーしたっていいんですよ?」
「余計なお世話だ!」
馬鹿集団はともかく、なんで彩葉まで加わってんだよ。だめだ彩葉のやつ、俺の手を煩わせたくないとか考えてるな。早く帰れ?お前もだ。
「ガキの言うことなんて気にせず遊ぼうぜ。別にご主人様に見られてるわけじゃねぇんだろ?」
「そ、それはその……」
言いづらそうにちらっと俺を見る。まあそうだな、思いっきり見られてるぞ彩葉。
「邪魔だちびっ子」
彩葉に気を取られているうちに、馬鹿集団の1人が俺の肩を軽く押して除けようとした。
まずいなこれ。俺がじゃなくて、この馬鹿集団が。
まあ不可抗力か、と思っていたところにボゴッとまずい音がする。
次の瞬間には、俺を小突いた男が視界から消えて、少し離れたところから別の凄まじい音がした。
「な……」
馬鹿集団が馬鹿のように口を開けて道の反対側を見ていた。
シャッターにぶつかり伸びている俺を小突いた馬鹿。よく飛んだな。
俺の目の前に、伸ばされた彩葉の両腕があった。
「今、ご自分が何をなさったかおわかりですか?」
笑顔のまま、すっかり伸びている男の方に近寄る彩葉。ああ、終わったなあの馬鹿。
彩葉は男の首根っこを掴んで持ち上げる。男の足先はだらりと垂れ下がって地面についていない。
「今ので若様が転倒して、怪我をしたらどう責任をとってくださるのですか?もし若様の綺麗なお顔に一生残る怪我となっていたら、私あなたのこと隣町くらいまで吹き飛ばしていましたよ?聞いていらっしゃいますか?」
いや、気絶させたのお前だろ。
八代彩葉を端的に説明するなら、阿保で怪力な月森の家政婦、だな。
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