お客様はヤの付くご職業・裏

古亜

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美香は解放されて無事に出ていった。
トラックが曲がり角を曲がっていくのを、私は春斗さんの腕の中から見届けた。
そしてその後すぐに私は春斗さんの部屋に移動させられて、そのまま30分以上ずっとベッドの上に押し倒されながら春斗さんのキスを受けている。
口内をくまなく調べるように柔らかい舌に歯列を何度もなぞられて、口蓋から下の裏側まで触れられる。
流し込まれた唾液を飲み込めば、春斗さんは心の底から嬉しそうに微笑んで、首や胸元に赤い印を散らした。

「俺のもんなんやな、楓」

春斗さんは確かめるように何度もそう繰り返して、私の頬に触れて愛おしげに視線を落とす。
そんなことが繰り返されて、私自身も春斗さんのものになろうとしていた。
落とされる口付けに応えて、問いかけには頷く。
執拗なキスに麻痺した唇からは時折どちらのものかわからない唾液がこぼれ落ちる。

「そろそろこっちも可愛がったるわ」

そう言って春斗さんはバスローブの紐を解くなり、内腿をなぞって秘所に触れた。

「んっ!」

ピリピリとした刺激に、私の体が小さく跳ねる。
その反応を見た春斗さんはうっとりと目を細めてさらに刺激を強めていく。

「あっ……んん……」
「少し濡れとるなぁ。キスで感じてくれたんか?」

指先が敏感な箇所をかすめて内側に入り込む。
春斗さんの言葉通り、私の体は春斗さんを受け入れようとしていた。
体を重ねるのはこれが初めてじゃないから、春斗さんは私の体のことを知っている。嫌な事も気持ちいい事も、全部。
秘核を押さえられながら、入り口を広げるようにぐるりと回される。濡れたそこに息を吹きかけられれば、ひやりとする感覚に五感を全て奪い取られた。

「楓はここが好きやもんなぁ」

そう言って春斗さんは指を深く埋めて軽く曲げると、関節の部分で内側をコリコリと刺激した。

「やっ……やなの、それ……ひゃうっ!」

荒く息を吐きながら半ば無意識に私は春斗さんの頭を押す。
それが伝わったのか春斗さんは指を抜いてくれた。

「今日はもう、やめて……」

今までの行為のせいで体はじくじくと疼いている。でも、したいわけじゃない。体では受け入れられても、心が伴わなかった。
けれど春斗さんはゆっくりと首を横に振って、それをはね除ける。

「まあ疲れたんはわかるけど、あかんやろ?今朝のお仕置きがまだ残っとる」

そう言って春斗さんはにこりと笑い、解いたバスローブの紐を抜き取って私の両腕を縛った。
今朝の……私がお屋敷から逃げ出そうとしたことだ。春斗さんは嫌だと小さく首を振る私の腕を掴んで立ち上がらせると、壁のフックに紐を引っ掛けた。

「楓は何もせんでええ。楓の体に自分が誰のもんなのかじっくり刻み付けたるるだけや」

縛られた両腕は頭の上で揺れるばかりで、全く動けない。
春斗さんは私が逃げられないのを確認すると机の上に置かれていた瓶を手に取り、中身を指先で掬って私の胸のに落とす。
薄桃色のジャムのようなそれは私の体温でその形状を崩して、春斗さんの手で広げられた。
ほのかに甘いその香りは私の頭をお酒に酔ったみたいにくらくらさせて、私はよろけそうになる。
次いで春斗さんはそれをもうひと掬い指先に纏わせると、笑顔のまま私の脚を持ち上げて指先を私の中に差し込んだ。
ズプズプと音を立てながら私の中でジャムでようなそれが広げられていく。
そして次第に体が熱くなってきて、その時には媚薬を使われたんだとさすがにわかった。
勝手に呼吸は荒くなって、体の内側がジリジリと陽に焼かれているように熱くなる。

「安心しぃ。体に害はない。海外の金持ちがよう使っとるらしいわ。まあ、適量よりも少し多めやけどな」

私の体に薬の効果が顕れ始めたのを確認して、春斗さんは瓶の蓋を閉じた。
そして悪戯っぽく微笑みながら指先を胸元から臍まで走らせる。それだけで私の体はびくりと跳ねて、お腹の奥が切なく疼いた。

「お仕置きなんやから、頭おかしくなるくらいでちょうどええやろ?それは禁止や」

私が無意識のうちに両脚を擦り合わせて快楽を逃がそうとしているのに気付き、春斗さんは私の脚を掴んで広げると、その間に自分の膝を差し込んだ。

「楓が感じてええのは、俺が手ぇ出したときだけや。自慰は俺がやれ言うた時だけすればええ」

今、さらりと恐ろしいことを言われた気がする。けれどそれについて考える間もなく、脚の間にあった春斗さんの膝が一番敏感になっている場所に押し付けられて、私は自分の喉が勝手に震えるのを感じていた。
感じやすくなった私の秘部はズボンの生地の感触を生々しく脳に伝えて、その色は濡れて深く変わっている。

「ズボン、汚れ、て……」
「楓のにならいくらでも濡らさしてもらうわ」

春斗さんは腿を擦り付けるように脚を前後に動かして、さらに刺激を強める。

「ま……って!いや!やめてっ!」

ほんの少し動くたびに私の中で快楽が暴れてビリビリと痺れたみたいになる。
さらに春斗さんは腫れたようになった胸の先端に軽く歯を立てて、反対側を指先でコリコリとほぐすように弄る。

「いや、いやぁ……!」

刺激を与えられるだけで、体の中には行き場のない快楽が蓄積されていた。その重みに耐え切れず、膝はガクガクと震えて縛られているから立てているような状態だ。
ただただ春斗さんに与えられる快楽を貪って、私の中で何かがピシリと音を立てる。

「あ……あぁ……っ!」

気付けば両膝は震えているどころか全く力が入らなくなっていて、私は壁のフックにぶら下がっているような状態になる。
そして私の中の受け皿が、音を立てて砕け散った。
その感覚は私の体の中で実際に起こったもので、白く染まった視界に色が戻ってきてようやく、私は自分の脚で何かが滴り落ちる感触に気が付く。

「やだ……違う、違うの……」

ようやく離された春斗さんの膝はぐっしょりと濡れて、生地が皮膚に張り付いたようになっていた。

「ごめん、なさい……だって耐えられないから……」

俯いていた私は弁明のために無理矢理顔を上げて春斗さんの表情を窺う。
春斗さんは……笑っていた。

「安心しぃ。気持ち良うなって潮吹いただけや。滅茶苦茶感じてくれとるんやな」

恍惚とした視線に貫かれて、私の体は怯えるどころか悦んでいた。
ひくついている内側が春斗さんのものを本能的に求めている。

「楓の身体は素直やなぁ。ええよ、俺もさっきからずっと我慢しとったからな」

春斗さんは半開きになっている私の唇の口付けると、ズボンをくつろげて自身のものを晒した。
赤黒いそれは屹立して、透明な液体を滴らせている。既にこの身体で受け入れたことがあるけれど、今この瞬間ほど体が切望した事はなかった。

「好きなだけ気持ちよくなろな」

刹那、私の中にズプリと入り込んできたものは、肉壁の抵抗を受けながらも奥へと進んでいく。
やがて最奥に達し、奥の壁にこつりとぶつかった。
勝手に嬌声を上げる喉は枯れて、声にならない悲鳴が口から逃げていく。

「楓の中は強欲やなぁ。ほしい言うて絡みついてくる」

春斗さんは何かを堪えるような表情で抽送を繰り返した。
中で擦れるたびに私の体は止め処ない快楽で震えて、せがむように春斗さんのものを締め受ける。

「あっ……んあっ!ほし、い。はるとさん……」

私の頭でくるくるとこれまでの日々が巡る。
春斗さんに抱かれて、欲している。その背徳感さえも快楽に塗り替えられて、今感じている快感を彩っていた。
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